まとめシート
G検定 まとめシート(チートシート)
試験直前に見返す要点を、シラバスの10分野ごとに1ページにまとめました。頻出用語は一行で、混同しやすい用語は表で整理しています。
- 10分野
- 462語の要点
- 印刷・PDF対応
- 試験時間
- 100分
- 問題数
- 145問程度
- 1問あたり
- 約41秒
- 受験料(一般)
- 13,200円
- 合格ライン
- 非公表
- 次回
- 1月16日(土)
人工知能とは
目安 4〜6%人工知能の定義 / 人工知能分野で議論される問題
- AI効果
- AIで新しいことが実現されて仕組みが知られると、人々がそれを知能ではなく単なる自動処理とみなすようになる現象
- 機械学習
- 人がルールを1つずつ書く代わりに、コンピュータがデータから規則性やパターンを学び、予測や判断に使えるようにする技術
- シンギュラリティ
- AIが自らを改良し続けて知能が人間を大きく超え、その後の技術や社会の変化を人間が予測できなくなる転換点
- 人工知能
- 推論、判断、学習といった人間の知的な働きを、コンピュータで実現しようとする技術や研究分野
- シンボルグラウンディング問題
- コンピュータが扱う記号(言葉)を、それが指す実世界の対象や感覚とどう結び付けるかという問題
- ダートマス会議
- 1956年夏に米国のダートマス大学で開かれ、人工知能が研究分野として名前を得て出発するきっかけとなった研究会
- 知識獲得のボトルネック
- 専門家の知識を聞き出してコンピュータが扱えるルールに書き表す作業に膨大な手間がかかり、AIの開発の妨げになった問題
- 中国語の部屋
- 記号を規則どおりに操作して正しく応答できても、意味を理解しているとはいえないことを示そうとした、サールの思考実験
| 機械学習 | ディープラーニング | |
|---|---|---|
| 包含関係 | 人工知能の一部で、ディープラーニングを含む | 機械学習の一部(したがって人工知能の一部) |
| 特徴量 | 従来の手法では、人が設計して入力することが多い | 生のデータから、学習の中で自動的に獲得する |
| 代表的な手法 | ディープラーニング以外では、線形回帰、ロジスティック回帰、決定木、SVM、k-means法など | CNN、RNN、Transformerなど、多層のニューラルネットワーク |
| 必要なデータと計算資源 | 従来の手法では、比較的少ないデータでも学習でき、CPUで足りることも多い | 大量のデータと、GPUなど並列計算に強い計算資源が必要になりやすい |
見分け方包含関係は「人工知能の中に機械学習、その中にディープラーニング」です。ディープラーニングを使うシステムは機械学習のシステムでもありますが、逆は成り立ちません。
| 強いAI | 弱いAI | |
|---|---|---|
| 区別を示した文献 | ジョン・サール「Minds, Brains, and Programs」(1980年) | ジョン・サール「Minds, Brains, and Programs」(1980年) |
| コンピュータの位置づけ | 適切なプログラムを実行すれば、それ自体が心になる | 心の働きを調べたり、知的な作業をこなしたりするための道具 |
| 理解や心 | 文字どおり理解や心をもつと考える | もつかどうかは問わない |
| プログラムの役割 | プログラムそのものが、人間の認知の説明になる | 心についての仮説を確かめる手段になる |
見分け方「強い・弱い」は性能の差ではありません。コンピュータが心や理解をもつと主張するかどうかで分けます。
つまずきやすい点
- AI効果は、実現した技術が「もう知能ではない」と見なされるようになる現象で、AIが社会や経済にもたらす効果を指す言葉ではない点
- チューリングテストは外から見たふるまいで知能を判定する方法で、中国語の部屋は、ふるまいが正しくても意味を理解しているとは限らないという反論である点
- フレーム問題は、いまの行動に関係する知識だけを選び出せない難しさで、シンボルグラウンディング問題は、記号を実世界の意味と結びつけられない難しさである点
人工知能をめぐる動向
目安 7〜10%探索・推論 / 知識表現とエキスパートシステム / 機械学習 / ディープラーニング
- ILSVRC
- 2010年から2017年まで毎年開かれた、大規模な画像データセットImageNetを使って物体認識の精度を競うコンテスト
- アルファ碁(AlphaGo)
- DeepMind社が開発し、ディープラーニングと木探索を組み合わせて囲碁のトップ棋士に勝った囲碁AI
- αβ法
- Mini-Max法の探索で、調べても選ぶ手が変わらないと分かった枝を省き、同じ結果をより少ない計算で得る方法
- 意味ネットワーク
- 概念をノード(節点)、概念どうしの関係をラベル付きのリンク(矢印)で表し、知識をグラフの形で表現する方法
- ImageNet
- WordNetの名詞の階層に沿った2万を超えるカテゴリに、1,400万枚以上の画像を対応付けた大規模な画像データセット
- エキスパートシステム
- 専門家の知識をif-thenルールなどの形で蓄え、推論によって専門家のように判断や助言を行うコンピュータシステム
- オントロジー
- ある分野の概念と概念どうしの関係を明確に定義し、人やコンピュータが知識を共有・再利用できるようにした体系
- 次元の呪い
- データを表す特徴量の数(次元)が増えるにつれて、学習に必要なデータ量や計算量が急激に増え、うまく学習できなくなる現象
| 深さ優先探索 | 幅優先探索 | |
|---|---|---|
| 調べる順番 | 1本の枝を行き止まりまで進み、戻って次の枝へ | 同じ深さのノードをすべて調べてから、次の深さへ |
| これから調べるノードの管理 | スタック(後入れ先出し) | キュー(先入れ先出し) |
| 最初に見つかる解 | 手数が最小とは限らない | 手数が最小の解(1手ごとのコストが等しければ、合計コストも最小) |
| メモリの使用量 | 少ない。今の道筋と分かれ道に残った枝だけを保持する(およそb×m) | 多い。同じ深さのノードをまとめて保持する(およそbのd乗) |
見分け方名前のとおり、深さ優先は「縦に掘る」、幅優先は「横に広げる」と覚えます。探索木の図の問題では、この順番でノードに番号を振っていけば答えが出ます。
つまずきやすい点
- 第1次は探索・推論、第2次は知識表現とエキスパートシステム、第3次は機械学習とディープラーニングが中心で、時代と技術の組み合わせを入れ替えた選択肢に注意が必要な点
- 第1次はトイ・プロブレムしか解けなかったこと、第2次は専門家の知識を人手で書き出す手間(知識獲得のボトルネック)が、それぞれ行き詰まりの理由である点
- イライザ(ELIZA)は決まったパターンで返事を組み立てる会話プログラムで、意味を理解していたわけではなく、専門家の知識で診断するマイシン(MYCIN)のようなエキスパートシステムとも別物である点
機械学習の概要
目安 10〜13%教師あり学習 / 教師なし学習 / 強化学習 / モデルの選択・評価
- ROC曲線・AUC
- 閾値を動かしながら真陽性率と偽陽性率の関係を描いた曲線と、その下側の面積を使って、陽性と陰性を見分ける力を評価する方法
- アンサンブル学習
- 複数のモデルを学習させ、それらの予測を多数決や平均などで組み合わせて、1つのモデルより高い性能を得る手法
- 回帰問題
- 入力データから、価格や気温のような連続した数値を予測する、教師あり学習の問題
- 過学習
- モデルが学習データのノイズまで覚え込み、学習データではよく当たる一方で、未知のデータに対する予測の精度が下がる状態
- Q学習
- ある状態である行動をとったときの価値(Q値)を、試行錯誤で得た報酬をもとに更新して学ぶ、価値ベースの強化学習の手法
- 強化学習
- エージェントが環境の中で試行錯誤しながら行動し、得られる報酬の合計が大きくなる行動の選び方(方策)を学ぶ機械学習の方法
- 教師あり学習
- 入力と正解(ラベル)を組にしたデータを使い、入力から正解を予測する規則を学ぶ機械学習の方法
- 教師なし学習
- 正解(ラベル)の付いていないデータから、似たもののまとまりやデータの構造を見つけ出す機械学習の方法
赤池情報量規準(AIC) と ベイズ情報量規準(BIC)の違い
| 赤池情報量規準(AIC) | ベイズ情報量規準(BIC) | |
|---|---|---|
| 提唱者 | 赤池弘次(1973年) | シュワルツ(G. Schwarz、1978年) |
| 式 | −2×最大対数尤度+2×パラメータ数 | −2×最大対数尤度+パラメータ数×log(データ数) |
| パラメータ1つあたりの罰則 | 2。データ数によらない | log(データ数)(自然対数)。データ数が8以上で2を超え、データが増えるほど重くなる |
| 選ばれやすいモデル | データ数が8以上なら、BICより複雑なモデルを選びやすい | データ数が8以上なら、AICより単純なモデルを選びやすい |
見分け方罰則項だけを見比べます。第1項の−2×最大対数尤度は共通で、罰則が2×パラメータ数ならAIC、log(データ数)やln nが入っていればBICです。
| バギング | ブースティング | |
|---|---|---|
| 学習の進め方 | 並列(各モデルは互いに独立) | 逐次(前のモデルの結果を受けて次を学習) |
| 学習データの作り方 | ブートストラップサンプリング(重複を許して抽出) | 誤ったデータの重みを大きくする(AdaBoost)、それまでの誤差を学習する(勾配ブースティング) |
| 予測のまとめ方 | 多数決(分類)、平均(回帰) | 学習器ごとに重みを付けた多数決や、予測の足し合わせ |
| 主に減らす誤差 | バリアンス(学習データによる予測のばらつき) | バイアス(モデルが単純すぎることによる誤差) |
見分け方「並列のバギング、逐次のブースティング」で覚えます。前のモデルの誤りを次のモデルが補う、という説明があればブースティングです。
| 分類問題 | 回帰問題 | |
|---|---|---|
| 予測するもの | 決められたクラス(例:迷惑メールかどうか、写っている動物の種類) | 連続した数値(例:住宅の成約価格、翌日の最高気温) |
| 代表的な手法 | ロジスティック回帰、サポートベクターマシン(SVM)、決定木、ランダムフォレスト | 線形回帰(単回帰分析・重回帰分析)、自己回帰モデル(ARモデル)、回帰木、ランダムフォレスト |
| ニューラルネットワークの出力層 | 2クラスならシグモイド関数、多クラスならソフトマックス関数 | 恒等関数(値をそのまま出す) |
| 誤差関数の例 | 交差エントロピー | 平均二乗誤差関数 |
見分け方「どのクラスか」「〜かどうか」を当てるなら分類問題、「いくらか」「何度か」「何人か」を当てるなら回帰問題です。
協調フィルタリング と コンテンツベースフィルタリングの違い
| 協調フィルタリング | コンテンツベースフィルタリング | |
|---|---|---|
| 推薦の手がかり | ほかの利用者を含む、利用者×商品の評価や購買の履歴 | 商品の属性と、本人の過去の好み |
| 商品の属性情報 | 使わない。整える手間がかからない | 必要。整える手間がかかる |
| 履歴のない新商品 | 推薦しにくい(コールドスタート問題) | 属性があれば推薦の候補にできる |
| 履歴も好みの登録もない新しい利用者 | 推薦しにくい | 推薦しにくい(好みの手がかりがない) |
見分け方「ほかの利用者の履歴」を手がかりにするなら協調フィルタリング、「商品の中身(属性)」を手がかりにするならコンテンツベースフィルタリングです。
| 決定木 | ランダムフォレスト | |
|---|---|---|
| モデルの構成 | 1本の木 | 多数の決定木(森) |
| 学習に使うデータ | 学習データ全体で1本の木を作る | 木ごとに、ブートストラップサンプリングで学習データを作り直す |
| 分岐の候補にする特徴量 | 分岐のたびに、すべての特徴量から最もよい分け方を選ぶ | 分岐のたびに、無作為に選んだ一部の特徴量から選ぶ |
| 予測の出し方 | たどり着いた葉の値(分類は葉で最も多いクラス、回帰は葉に入ったデータの平均) | 各木の予測の多数決(分類)または平均(回帰) |
見分け方「1本の木か、多数の木の多数決か」で見分けます。予測の根拠を条件の並びで示せるのは決定木、ばらつきを平均で抑えて精度を上げるのがランダムフォレストです。
| ホールドアウト検証 | 交差検証 | |
|---|---|---|
| データの分け方 | 学習用と評価用に一度だけ分ける(例:8対2) | k個のグループに分け、1つを検証用、残りを学習用にする組み合わせを順に入れ替える(k-分割交差検証) |
| 学習と評価の回数 | 1回 | k回(kは5や10がよく使われる) |
| 評価に使われるデータ | 評価用に取り分けた一部だけ | すべてのデータが一度ずつ検証用になる |
| 評価値の安定性 | 分け方の偶然でぶれやすい。評価用データが少ないほどぶれは大きい | k回の平均をとるので安定しやすい |
見分け方手順に「繰り返し」と「平均」があるかで見分けます。一度だけ分けて1回評価するならホールドアウト検証、検証用を入れ替えながら繰り返して平均するなら交差検証です。
| k-means法 | 階層的クラスタリング | |
|---|---|---|
| 分類 | 非階層的クラスタリング | 階層的クラスタリング(凝集型と分割型がある) |
| クラスタ数 | 最初にkを指定する(エルボー法などが目安) | 最初に決めなくてよい。デンドログラムを切る高さで後から選ぶ |
| 手順 | 最も近い重心への割り当てと、平均による重心の再計算を繰り返す | 最も近いクラスタの組を1つずつ併合していく(凝集型) |
| 結果の安定性 | 初期の重心の置き方に左右され、実行のたびに変わることがある | 同じデータと同じ距離の定義なら、基本的に同じ結果になる |
見分け方クラスタ数を最初に決めるならk-means法、後から決めるなら階層的クラスタリングです。デンドログラムが出てきたら、階層的クラスタリングの話です。
| 平均絶対値誤差(MAE) | 平均二乗誤差(MSE) | |
|---|---|---|
| 計算式 | (1/n)×Σ|正解値−予測値| | (1/n)×Σ(正解値−予測値)² |
| 1件の誤差が2倍になると | その1件の寄与は2倍 | その1件の寄与は4倍 |
| 外れ値の影響 | 受けにくい | 受けやすい(大きな誤差を重く数える) |
| 単位 | 予測の対象と同じ(個なら個) | 予測の対象の二乗(個なら個²)。平方根をとるとRMSEになり、単位が戻る |
見分け方式に「二乗」があればMSE、「絶対値」ならMAEです。二乗する指標は大きな誤差を重く数えるので、外れ値に弱くなります。
| 主成分分析(PCA) | 特異値分解(SVD) | |
|---|---|---|
| 何をするものか | データのばらつきをできるだけ保つ、互いに無相関な少数の合成変数(主成分)を見つける | 行列をA = UΣVᵀの形に分解する |
| 対象 | データ行列(行がサンプル、列が変数) | 任意のm行n列の行列(正方行列でなくてよい) |
| 平均を引く処理(中心化) | 必ず行う。単位の異なる変数は標準化もする | 必須ではない。潜在意味解析(LSA)などでは平均を引かずに分解する |
| 得られるもの | 主成分の方向、各主成分の分散、寄与率・累積寄与率 | 左特異ベクトル(U)、特異値(Σ)、右特異ベクトル(V) |
見分け方「分散が最大の方向」「寄与率」「主成分」が出てきたら主成分分析、「特異値」「行列を3つの積に分ける」「低ランク近似」が出てきたら特異値分解です。
| 主成分分析(PCA) | t-SNE | |
|---|---|---|
| 変換の種類 | 線形 | 非線形 |
| 保とうとする構造 | データ全体の分散(大域的な構造) | 近いデータどうしの関係(局所的な構造) |
| 計算の中身 | 共分散行列の固有値と固有ベクトルを求める(データ行列の特異値分解でも求められる) | 元の空間と図の上での近さの確率分布のずれ(KL情報量)を、点の位置を動かして小さくする |
| 主な用途 | 特徴量の圧縮、ノイズの低減、学習の前処理、可視化 | 2次元・3次元への可視化、まとまりを探す探索的な分析 |
見分け方「線形」「分散が最大の方向」「寄与率」が出てきたら主成分分析、「非線形」「近いデータどうしの関係」「パープレキシティ」が出てきたらt-SNEです。
| 適合率 | 再現率 | |
|---|---|---|
| 計算式 | TP / (TP + FP) | TP / (TP + FN) |
| 分母(どこから見るか) | 陽性と予測したデータ | 実際に陽性のデータ |
| 減らしたい誤り | 偽陽性(誤検知) | 偽陰性(見逃し) |
| 重視する場面の例 | 迷惑メールの判定(普通のメールを誤って隔離したくない) | 病気の検査や不良品の検出(陽性を見逃したくない) |
見分け方定義の主語で見分けます。「陽性と予測したもののうち」なら適合率、「実際に陽性のもののうち」なら再現率です。
| Q学習 | SARSA | |
|---|---|---|
| 更新の目標 | r + γ × max_a' Q(s', a')(次の状態で最大のQ値) | r + γ × Q(s', a')(a'は次に実際に選ぶ行動) |
| 分類 | 方策オフ型 | 方策オン型 |
| 学ぶ価値 | 最も価値の高い行動をとり続ける方策(最適方策)の価値 | 探索を含め、いま行動を選んでいる方策の価値 |
| 更新に必要な情報 | s、a、r、s' | s、a、r、s'、a'(名前の由来) |
見分け方更新式に「max」があればQ学習、次に選んだ行動a'のQ値をそのまま使っていればSARSAです。
つまずきやすい点
- 分類は正解ラベルつきのデータから学んで決まったクラスに振り分ける教師あり学習、クラスタリングは正解なしで似たデータをまとめる教師なし学習で、どちらも「グループに分ける」と言えるため取り違えやすい点
- ロジスティック回帰は名前に「回帰」とつくが、クラスに属する確率を出力して分類に使う手法である点
- バギング(ランダムフォレストなど)は独立に学習したモデルを並列に組み合わせ、ブースティング(勾配ブースティングなど)は前のモデルの誤りを補うように順番に学習する点
ディープラーニングの概要
目安 9〜12%ニューラルネットワークとディープラーニング / 活性化関数 / 誤差関数 / 正則化 / 誤差逆伝播法 / 最適化手法
- Adam
- モーメンタムとRMSpropの考え方を組み合わせ、パラメータごとに更新の大きさを自動で調整する勾配降下法の一種
- イテレーション
- 機械学習の訓練で、重みを1回更新することを1と数える単位
- エポック
- 機械学習の訓練で、訓練データ全体をひと通り1回使って学習することを1と数える単位
- L2正則化
- 誤差関数に重みの二乗和を罰則として加え、重みの値が大きくなりすぎないようにする正則化の手法
- L1正則化
- 誤差関数に重みの絶対値の和を罰則として加え、一部の重みをちょうど0にしやすくする正則化の手法
- 学習率
- 勾配降下法で重みを更新するときに勾配に掛け、1回あたりの更新の大きさを決める係数
- 確率的勾配降下法
- 訓練データからランダムに選んだ一部のデータで勾配を計算し、重みを少しずつ更新していく最適化手法
- 活性化関数
- ニューラルネットワークの各ユニットで、入力の重み付き和にバイアスを加えた値を変換し、そのユニットの出力を決める関数
| バッチ学習 | ミニバッチ学習 | オンライン学習 | |
|---|---|---|---|
| 1回の更新に使うデータ | 訓練データ全件 | 数十〜数百件のまとまり(ミニバッチ) | 1件 |
| 1エポックの更新回数(データN件、バッチサイズB) | 1回 | N ÷ B回 | N回 |
| 勾配のばらつき(更新の向きのぶれ) | 最も小さい | 中くらい。Bが大きいほど小さい | 最も大きい |
| 1回の計算とメモリ | 重い。データが多いとメモリに載りきらないことがある | 中くらい。GPUでまとめて並列に計算しやすい | 軽い。全件を一度にメモリに載せなくてよい |
見分け方「1回の更新に何件使うか」だけを見ます。全件ならバッチ学習、1件ならオンライン学習、その間ならミニバッチ学習です。
| 勾配降下法 | 誤差逆伝播法 | |
|---|---|---|
| 一言でいうと | 勾配を使って重みを更新する方法 | 勾配を計算する方法 |
| 分類 | 最適化手法 | 微分(勾配)の計算方法 |
| 入力と出力 | 現在の重み、勾配、学習率から、更新後の重みを求める | 順伝播で記録した各層の値と出力の誤差から、すべての重みの勾配を求める |
| 中心となる式・規則 | w ← w − η × ∂L/∂w(ηは学習率) | 連鎖律(合成関数の微分を、層ごとの微分の掛け算に分解する) |
見分け方動詞で見分けます。「勾配を求める」「勾配を計算する」なら誤差逆伝播法、「勾配を使って重みを更新する」なら勾配降下法です。
| グリッドサーチ | ランダムサーチ | |
|---|---|---|
| 試す値の決め方 | 種類ごとに候補値を並べ、その格子の交点をすべて試す | 指定した範囲や分布から、試行ごとに無作為に選ぶ |
| 試行回数 | 候補数の掛け算で決まる(例:3通り×4通り=12回) | 計算の予算に合わせて先に決める |
| 種類を増やしたとき | 試行回数が掛け算で急増する | 決めた試行回数のまま探索できる |
| 性能に効くハイパーパラメータが一部だけのとき | 効くハイパーパラメータも候補数の分しか試せず、残りの試行は効かないハイパーパラメータの値違いに使われる | 試行ごとに値が変わるので、効くハイパーパラメータも試行回数と同じ数の異なる値を試せる |
見分け方「すべての組み合わせ」「格子」ならグリッドサーチ、「無作為」「試行回数を先に決める」ならランダムサーチです。
| L1正則化 | L2正則化 | |
|---|---|---|
| 罰則項 | λ(|w1| + … + |wn|)(重みの絶対値の和) | λ(w1² + … + wn²)(重みの二乗和) |
| 重みへの効果 | 一部の重みがちょうど0になる(スパースになる) | 全体的に小さくなるが、ちょうど0にはなりにくい |
| 重みを0へ押す力 | 重みの大きさによらず一定(λ) | 重みに比例し、小さくなるほど弱まる(2λw) |
| 重みが2つのときの制約の形 | ひし形(角が座標軸の上にある) | 円(角がない) |
見分け方「絶対値」ならL1、「二乗」ならL2です。L1は1乗、L2は2乗と、数字と次数をそろえて覚えます。
| 正規化 | 正則化 | |
|---|---|---|
| 目的 | 値の尺度や分布をそろえ、学習を安定・高速にする | 過学習を抑え、汎化性能を高める |
| 手を加える対象 | 入力データや中間層の出力(値そのもの) | 誤差関数(罰則項を加える)や学習の手順 |
| 代表例 | Min-Max正規化(前処理)、バッチ正規化、レイヤー正規化 | L1正則化、L2正則化、ドロップアウト |
| 必要になる場面 | 特徴量ごとに桁が大きく違う、学習が不安定で進まない | 訓練データでの誤差は小さいのに、検証データでの誤差が大きい |
見分け方何をそろえ、何を抑えるかで見分けます。値の尺度や分布をそろえるなら正規化、モデルの複雑さを抑えて過学習を防ぐなら正則化です。
| シグモイド関数 | ソフトマックス関数 | |
|---|---|---|
| 式 | σ(x) = 1 / (1 + exp(−x)) | yi = exp(zi) / (exp(z1) + … + exp(zK)) |
| 入力と出力の数 | 1つの値を受け取り、1つの値を返す | K個の値をまとめて受け取り、K個の値を返す |
| 出力の範囲 | 0から1の間 | 各出力は0から1の間で、K個を足すと必ず1になる |
| 出力どうしの関係 | 出力ごとに独立。ある出力の入力を変えても、ほかの出力は変わらない | 互いに依存する。ある出力が上がると、ほかの出力の合計はその分だけ下がる |
見分け方クラスが互いに排他的かどうかで見分けます。1つだけを選ぶならソフトマックス関数、1つのデータに複数のラベルが同時に付きうるならラベルごとのシグモイド関数です。
つまずきやすい点
- 勾配消失問題は活性化関数と誤差逆伝播法の両方にまたがる論点で、シグモイド関数の微分は最大でも0.25と小さく、層を重ねるほど掛け合わされて勾配が小さくなることが原因の1つである点
- L1正則化は一部の重みをちょうど0にしやすく(ラッソ回帰)、L2正則化は重み全体を小さく抑えるがちょうど0にはなりにくい(リッジ回帰)という違い
- エポックは学習データ全体を1回使い切る単位、イテレーションは重みを1回更新する単位で、1,000件をバッチサイズ100で学習すると1エポックは10イテレーションになる点
ディープラーニングの要素技術
目安 12〜15%全結合層 / 畳み込み層 / 正規化層 / プーリング層 / スキップ結合 / 回帰結合層 / Attention / オートエンコーダ / データ拡張
- RNN
- 過去の時刻の情報を内部に保ち、次の時刻の計算に使うことで、時系列データの前後関係を扱えるようにしたニューラルネットワーク
- Attention
- クエリと入力の各要素との関連度から重みを求め、その重みで情報を加重和して、必要な部分に注目する仕組み
- 位置エンコーディング
- Transformerで、各単語の系列内の位置を表すベクトルを埋め込みベクトルに加え、語順の情報を与える仕組み
- LSTM
- 記憶セルと3つのゲートで情報の書き込み・保持・読み出しを制御し、長い系列でも勾配消失を起こしにくくしたRNN
- オートエンコーダ
- 入力をエンコーダで低次元の表現に圧縮し、デコーダでもとの入力を復元するように学習するニューラルネットワーク
- 重み
- ニューラルネットワークで各入力に掛ける係数で、入力が出力に与える影響の強さと向きを表し、学習によって値が調整されるパラメータ
- カーネル(畳み込み)
- CNNの畳み込み層で入力の上をずらしながら当てる小さな重みの配列で、局所的な特徴を取り出す役割をもつもの
- ゲート機構
- 0から1の値をとるゲートを情報に掛け合わせ、どの情報をどれだけ通すかを入力に応じて調整する、LSTMやGRUの中心となる仕組み
| バッチ正規化 | レイヤー正規化 | |
|---|---|---|
| 提案 | 2015年(IoffeとSzegedy) | 2016年(Baら) |
| 平均と分散を計算する範囲 | ミニバッチ内の複数のサンプルにまたがり、特徴(チャネル)ごと | 1つのサンプルの中で、その層のすべてのユニットをまとめて |
| バッチサイズの影響 | 小さいと統計量の推定がぶれ、学習が不安定になりやすい | 受けない(バッチサイズ1でも同じ計算) |
| 推論時の統計量 | 学習中に移動平均などで記録しておいた値を使う | 入力されたサンプルからその場で計算する(学習時と同じ) |
見分け方どの向きに平均をとるかで見分けます。複数のサンプルを見比べて特徴ごとにそろえるならバッチ正規化、1つのサンプルの中だけでそろえるならレイヤー正規化です。
| CNN | RNN | Transformer | |
|---|---|---|---|
| 中心となる仕組み | 畳み込み層(小さなフィルタを位置をずらしながら掛ける)とプーリング層 | 前の時刻の隠れ状態を次の時刻の計算に戻す再帰の経路 | Self-Attention(Multi-Head Attention)と位置ごとの全結合層 |
| 1層で参照する範囲 | フィルタが重なる近くの範囲だけ。層を重ねて広げる | 現在の入力と、1つ前の時刻の隠れ状態 | 系列内のすべての位置(デコーダのSelf-Attentionでは、後ろの位置をマスクで隠す) |
| 向いているデータの例 | 画像、スペクトログラム、波形など、近くの値どうしが関係するデータ | センサーの時系列、音声、文章など、並び順に意味がある系列データ | 文章などの系列データ。画像をパッチに分けるVision Transformerで画像にも広がった |
| 順序・位置の扱い | フィルタの重みが位置ごとに違うので、近くの値の並び方を区別できる | 読む順番そのものが順序の情報になる | Self-Attentionだけでは順序を区別できないため、位置エンコーディングを加える |
見分け方データのどの関係を捉えたいかで見分けます。近くの値の局所的なパターンならCNN、時刻の順に積み重なる文脈ならRNN、離れた位置も含めたすべての組の関係ならTransformerです。
| LSTM | GRU | |
|---|---|---|
| 提案 | 1997年(HochreiterとSchmidhuber)。忘却ゲートは2000年の研究で追加 | 2014年(Choら、機械翻訳の研究の中で) |
| ゲート | 入力ゲート・忘却ゲート・出力ゲートの3つ | リセットゲート・更新ゲートの2つ |
| 情報を保つ場所 | 隠れ状態とは別の記憶セル | 隠れ状態だけ(記憶セルを持たない) |
| 重みの組(隠れ状態の大きさが同じとき) | 4組 | 3組(LSTMの約4分の3) |
見分け方ゲートの数で見分けます。入力・忘却・出力の3つならLSTM、リセット・更新の2つならGRUです。
| RNN | LSTM | |
|---|---|---|
| 代表例・提案 | エルマンネットワーク(1990年)、ジョルダンネットワーク | 1997年にHochreiterとSchmidhuberが提案。忘却ゲートは2000年の研究で追加 |
| 過去の情報を保つ場所 | 隠れ状態だけ | 隠れ状態と、それとは別の記憶セル |
| 時刻ごとの更新 | 前の隠れ状態と入力にそれぞれ重みを掛けて足し、tanh関数などに通して隠れ状態を作り直す | 記憶セル=忘却ゲート×前の記憶セル+入力ゲート×新しい候補。隠れ状態=出力ゲート×tanh(記憶セル) |
| ゲート | なし | 入力ゲート・忘却ゲート・出力ゲート(シグモイド関数で0から1の割合を出す) |
見分け方LSTMはRNNと対立する手法ではなく、RNNの一種です。「RNNとLSTMの違い」は、正確には「単純なRNNとLSTMの違い」を指します。
Self-Attention と Source-Target Attentionの違い
| Self-Attention | Source-Target Attention | |
|---|---|---|
| 別名 | 自己注意機構 | Encoder-Decoder Attention、クロスアテンション(Cross-Attention) |
| クエリを作る系列 | 同じ系列 | 出力側の系列(デコーダ) |
| キーとバリューを作る系列 | 同じ系列 | 入力側の系列(エンコーダの出力) |
| 捉える関係 | 1つの系列の中の要素どうしの関係(例:代名詞と、それが指す語) | 2つの系列の間の対応(例:訳語と、原文のどの語が対応するか) |
見分け方クエリとキー・バリューが同じ系列から来ていればSelf-Attention、別々の系列から来ていればSource-Target Attentionです。計算式は同じで、違うのは入力の出どころだけです。
つまずきやすい点
- 最大値プーリングや平均値プーリングには学習で調整する重みがなく、畳み込み層はフィルタの重みを学習する点
- バッチ正規化はミニバッチ内の複数のデータにまたがってチャンネルごとに、レイヤー正規化は1つのデータの中で、平均と分散を計算する点
- スキップ結合は層を飛ばして入力を出力に足す仕組みで、層を深くしても勾配が伝わりやすくなり、ResNetの中心となる仕組みである点
ディープラーニングの応用例
目安 16〜20%画像認識 / 自然言語処理 / 音声処理 / 深層強化学習 / データ生成 / 転移学習・ファインチューニング / マルチモーダル / モデルの解釈性 / モデルの軽量化
- RLHF
- 人間が出力どうしを比べて評価したデータで報酬モデルを作り、その報酬を使った強化学習で、モデルの出力を人間の好みに近づける手法
- AlexNet
- 2012年のILSVRCで従来の手法に大差をつけて優勝した、畳み込み層5層と全結合層3層からなるCNN
- インスタンスセグメンテーション
- 画像の中の物体を1つずつ区別し、それぞれの物体が写っている領域を画素単位で切り出すタスク
- WaveNet
- 音声の波形を、それまでのサンプルをもとに1サンプルずつ予測して生成する、DeepMindが開発したニューラルネットワーク
- A-D変換
- 音声のように連続して変化するアナログ信号を、一定の間隔で読み取って数値に置き換え、デジタルデータにする処理
- エッジAI
- 学習済みのAIモデルをスマートフォンやカメラ、工場の機器など、データが生まれる現場に近い端末で動かし、その場で推論する仕組み
- FCN(Fully Convolutional Network)
- CNNの全結合層を畳み込み層に置き換え、画素ごとにクラスを出力するモデル
- 音声認識
- 人が話した音声をコンピュータで解析し、話された内容を文字列に変換する技術
| BERT | GPT | |
|---|---|---|
| 発表 | Google(2018年) | OpenAI(最初のモデルは2018年) |
| 名前の意味 | Bidirectional Encoder Representations from Transformers | Generative Pre-trained Transformer |
| 使うTransformerの部分 | エンコーダ | デコーダ(Source-Target Attentionを除いた構造) |
| 各単語が参照できる文脈 | 前と後ろの両方 | 前だけ(後ろの位置はマスクで隠す) |
見分け方名前で覚えます。BERTのBはBidirectional(双方向)、EはEncoderです。GPTのGはGenerative(生成的)です。
| CBOW | スキップグラム | |
|---|---|---|
| 入力 | 周辺の単語(ウィンドウ内の複数の語) | 中心の単語(1語) |
| 予測するもの | 中心の単語 | 周辺の単語(1語ずつ) |
| 周辺の単語の扱い | ベクトルを平均して1つにまとめるため、並び順は区別しない | 周辺の語ごとに別々の予測にする。論文では、遠い語ほど学習に使う回数を減らしている |
| 中心の単語1つあたりの予測の回数 | 1回 | 周辺の単語の数だけ |
見分け方予測の向きで見分けます。CBOWは「周りから真ん中」、スキップグラムは「真ん中から周り」です。
| Faster R-CNN | YOLO | |
|---|---|---|
| 発表 | 2015年に論文を公開(Shaoqing Ren、Kaiming Heら。NIPS 2015) | 2015年に論文を公開(Joseph Redmonら。CVPR 2016) |
| 方式 | 2段階型(ツーステージ) | 1段階型(ワンステージ) |
| 候補領域 | RPNが、特徴マップの各位置に置いたアンカー(3種類の大きさ×3種類の縦横比で9個)をもとに挙げる | 挙げない。画像を7×7のグリッドに分け、各セルが枠を直接予測する |
| 処理の流れ | CNNで特徴マップを作り、RPNが候補領域を挙げ、候補ごとに特徴を切り出してクラスの分類と枠の補正を行う | 画像全体を1つのCNNに一度通し、枠の位置、確からしさ、クラスの確率をまとめて出力する |
見分け方「候補領域」「RPN」「2段階」が手がかりならFaster R-CNN、「グリッド」「一度に予測」「リアルタイム」が手がかりならYOLOです。
GAN と 拡散モデル(Diffusion Model)の違い
| GAN | 拡散モデル(Diffusion Model) | |
|---|---|---|
| 提案 | 2014年(Ian Goodfellowら) | 2015年に基本の考え方(Sohl-Dicksteinら)、2020年のDDPM(Hoら)で高画質の生成を実現 |
| 構成 | 生成器と識別器の2つのネットワーク | ノイズを推定する1つのネットワーク(U-Netがよく使われる) |
| 学習の仕組み | 識別器は本物と偽物を見分けるように、生成器は識別器をだますように、競い合って学習する | 訓練データにノイズを加えたものから、加えたノイズを当てるように学習する(DDPMでは、推定したノイズと実際のノイズの二乗誤差を小さくする) |
| 新しいデータの作り方 | ランダムなノイズを生成器に1回通す | 純粋なノイズから出発し、ノイズ除去を何度も繰り返す(DDPMでは1,000ステップ) |
見分け方「識別器」「敵対的」「本物か偽物か」とあればGAN、「ノイズを段階的に取り除く」「逆拡散」とあれば拡散モデルです。
| GAN | VAE | |
|---|---|---|
| 正式名 | 敵対的生成ネットワーク(generative adversarial network) | 変分オートエンコーダ(variational autoencoder) |
| 提案 | 2014年(グッドフェローら) | 2013年(KingmaとWelling) |
| 構成 | 生成器と識別器 | エンコーダとデコーダ |
| 学習の仕組み | 生成器と識別器が競い合う(ミニマックスゲーム) | 再構成誤差とKL情報量の和を小さくする |
見分け方「識別器」「敵対的」「本物か偽物か」という言葉があればGANです。「エンコーダが平均と分散を出力する」「再パラメータ化」「KL情報量」とあればVAEです。GANの生成器も潜在変数(ノイズ)を受け取るので、「潜在変数」という言葉だけでは決められません。
| 画像分類(物体識別) | 物体検出 | |
|---|---|---|
| 答える問い | 画像に何が写っているか | 画像のどこに何があるか |
| 出力 | 画像全体に対するクラス(各クラスの確率を出し、最も高いクラスを答えにすることが多い) | 物体ごとの矩形の座標、クラス、確からしさのスコア |
| 1枚の画像に対する出力の数 | 画像の中身によらず一定(ふつうはクラスを1つ答える) | 写っている物体の数によって変わる(0個のこともある) |
| 学習用の正解データ | 画像ごとのクラスのラベル | 物体ごとの矩形の座標とクラス |
見分け方答えに「どこに」が含まれるかで見分けます。何が写っているかだけを答えるなら画像分類、物体の位置を矩形で示すなら物体検出です。
| LIME | SHAP | |
|---|---|---|
| 発表 | 2016年、Ribeiroら | 2017年、LundbergとLee |
| 説明の作り方 | 説明したい1件の入力を少しずつ変えたデータを多数作り、元の1件に近いものほど重く見て単純なモデルを当てはめる。その係数を説明とする | 特徴量を協力ゲームの参加者、予測値を報酬とみなし、予測値と基準値(平均的な予測値)の差をシャープレイ値で各特徴量に配分する |
| 理論的な裏付け | 近さの重み付け、損失、単純さへの罰則を経験的に決める。SHAPの論文は、この決め方では局所的な正確さや一貫性が満たされない場合があると指摘した | 特徴量ごとの効果を足し合わせる説明のうち、局所的な正確さや一貫性などの性質を満たすのはシャープレイ値ただ1つと示されている |
| 貢献度の合計 | 予測値と基準値の差に一致するとは限らない | 予測値と基準値の差にぴったり一致する |
見分け方「協力ゲーム理論」「シャープレイ値」「貢献度の合計が予測値と基準値の差に一致する」と出てきたらSHAPです。「説明したい1件の近くで単純なモデルに近似する」ならLIMEです。
| プルーニング | 量子化 | 蒸留 | |
|---|---|---|---|
| 減らすもの | 重みや結合、チャネルなどの数 | 1つの値を表すビット数(例:32ビットの浮動小数点数を8ビットの整数に) | モデルの規模(小さく設計した別のモデルに置き換える) |
| 元のモデルの扱い | 元のモデルの一部を取り除く | 元のモデルの値を粗い段階で表し直す | 教師として手本に使い、別の生徒モデルを作る |
| パラメータの数 | 減る | 変わらない | 生徒モデルを小さく設計した分だけ少なくなる |
| 学習との関係 | 取り除いた後、残った重みで再学習して精度を取り戻すのが基本 | 学習後にそのまま変換する方法と、量子化の誤差を見込んで学習する方法がある | 生徒モデルを学習させる工程が必ず要る |
見分け方キーワードで見分けます。「取り除く」「刈り込む」ならプルーニング、「ビット数」「整数」「値を粗く表す」なら量子化、「教師」「生徒」「ソフトターゲット」なら蒸留です。
| セマンティック | インスタンス | パノプティック | |
|---|---|---|---|
| クラスを付ける画素 | すべての画素 | 検出した物体の画素だけ | すべての画素 |
| 同じクラスの物体の区別 | しない(3人いれば、まとめて1つの「人」の領域) | する(物体ごとに別々のマスク) | する(数えられる物体だけ) |
| 空や道路などの背景 | 扱う | 扱わない | 扱う(クラスだけを付け、個体は区別しない) |
| 出力の形 | 画素ごとのクラスを並べた、入力と同じ大きさの地図 | 物体ごとのマスクとクラス(マスクどうしが重なることもある) | 画素ごとのクラスと個体の番号の組(画像全体を重なりなく塗り分ける) |
見分け方「個体を数えられるか」で見分けます。同じクラスの物体の個数がわかるのはインスタンスとパノプティックで、セマンティックではわかりません。
| 転移学習 | ファインチューニング | |
|---|---|---|
| 事前学習済みの層の重み | 固定する(更新しない) | 初期値として使い、目的のデータで更新する |
| 学習する部分 | 付け替えた出力層など、新しく加えた部分だけ | 新しく加えた部分に加え、事前学習済みの層の一部または全体 |
| 事前学習済みモデルの役割 | 入力から特徴を取り出す道具(特徴抽出器) | 学習を始めるときの初期値 |
| 学習の負担 | 更新するパラメータが少なく、データも計算も少なくて済む | 更新するパラメータが多く、より多くのデータと計算が必要になりやすい |
見分け方事前学習済みの層の重みを動かすかどうかで見分けます。固定するなら狭い意味の転移学習、更新するならファインチューニングです。
| Zero-shot | Few-shot | |
|---|---|---|
| 与える例の数 | 0(指示やクラス名などの説明だけ) | 少数。GPT-3の論文の評価では、多くの場合10〜100個 |
| 大規模言語モデルでの使い方 | 「次の文を英語に訳してください」のように指示だけを書く | 入力と答えの組を数個並べ、最後に本番の入力を置く |
| 画像認識での例 | CLIPで、クラス名を「〇〇の写真」という文にし、画像と最も近い文のクラスを選ぶ | クラスごとに数枚の画像だけを与え、新しいクラスを見分ける(N-way K-shotの課題) |
| 重みの更新 | しない | プロンプトで例を与える使い方ではしない。メタ学習などで数回だけ更新する方法もある |
見分け方「ショット」は与える例の数です。0ならZero-shot、1つならOne-shot、少数ならFew-shotと、数で見分けます。
つまずきやすい点
- 物体検出は物体の位置を矩形とクラスで示し、セマンティックセグメンテーションは画素ごとにクラスを付け、インスタンスセグメンテーションは同じクラスの物体も1つずつ区別する、という出力の違い
- BERTはTransformerのエンコーダで前後両方の文脈を使って学習し、GPT系の大規模言語モデルはデコーダで前の語から次の語を予測するという違い
- GANは生成器と識別器を競わせて学習し、Diffusion Modelはノイズを少しずつ加える過程を逆にたどってデータを生成する点
AIの社会実装に向けて
目安 4〜6%AIプロジェクトの進め方 / データの収集・加工・分析・学習
- MLOps
- 機械学習モデルの開発と運用を一体として捉え、学習・デプロイ・監視・再学習を自動化して継続的に回すための考え方と仕組み
- CRISP-DM
- ビジネスの理解から展開(デプロイ)までの6つのフェーズで、データ分析プロジェクトの進め方を示した業種横断の標準プロセスモデル
- データリーケージ
- 予測を行う時点では使えないはずの情報が学習や評価に紛れ込み、モデルの性能が実際より高く見積もられる現象
- PoC
- 新しい技術やアイデアが実際に役立つかを、本格的な開発の前に小さな規模で試して確かめる検証
- アジャイル
- 短い期間で計画・開発・評価を繰り返し、動くものを少しずつ作りながら、変化に合わせて計画を見直していく開発の進め方
- アノテーション
- 画像や文章、音声などのデータに、機械学習の正解として使うラベルや、意味を表す情報を付け加える作業
- Web API
- HTTPなどWebの技術を使い、ネットワーク越しに決められた形式で依頼を送ると処理の結果を返す、プログラム同士をつなぐ窓口
- ウォーターフォール
- 要件定義・設計・実装・テストなどの工程を上から順に進め、原則として前の工程に戻らないことを前提とする開発の進め方
| アジャイル | ウォーターフォール | |
|---|---|---|
| 進め方 | 短い周期で計画・開発・評価・振り返りを繰り返す(スクラムでは1か月以内のスプリント) | 要件定義→設計→実装→テストと、工程を順に1回進める |
| 要件の変更 | 途中の変更を前提にし、開発の後期でも受け入れる | 最初に要件を固める。途中で変わると前の工程に戻る大きな手戻りになる |
| 動くものを確かめる時期 | 周期ごとに確かめる | テストなどの後半の工程になる |
| 計画と文書 | 価値を認めたうえで、動くソフトウェアと変化への対応をより重んじる | 工程ごとに成果物を文書にまとめ、承認を経て次の工程に進む |
見分け方「短い周期」「繰り返す」「変化への対応」とあればアジャイル、「工程を順に」「前の工程に戻らない」「最初に要件を確定」とあればウォーターフォールです。
つまずきやすい点
- CRISP-DMはビジネスの理解から始まり、評価の結果しだいで前のフェーズに戻る反復型のプロセスで、モデリングから始めたり一方向に進めたりするものではない点
- PoCは本格的な開発の前に小さく試して実現できるかを確かめる段階で、PoCで精度が出ても、本番のデータや運用の体制で同じ結果になるとは限らない点
- データリーケージは、予測の時点では使えない情報やテスト用データの情報が学習に紛れ込み、検証での評価が実力より高く出る現象で、情報が社外に漏れる情報漏洩とは別の意味である点
AIに必要な数理・統計知識
目安 3〜6%AIに必要な数理・統計知識
- 確率分布
- 確率変数がとりうる値(連続型では値の範囲)ごとに、その起こりやすさがどう割り当てられているかを表したもの
- 期待値
- 確率変数がとりうる値を、それぞれが起こる確率で重みづけして平均した値で、くり返したときの平均的な結果を表すもの
- 最小二乗法
- 実測値とモデルによる予測値の差(残差)の2乗の和が最も小さくなるように、モデルのパラメータを決める方法
- 条件付き確率
- ある出来事Bが起きたとわかっているときに、別の出来事Aが起きる確率P(A|B)
- 正規分布
- 平均を中心に左右対称な釣鐘型をした連続型の確率分布で、平均と標準偏差の2つの値で形が決まるもの
- 相関係数
- 2つの変数の間にある直線的な関係の強さと向きを、−1から1までの値で表す指標
- 代表値(平均値・中央値・最頻値)
- データの分布の中心がどのあたりにあるかを、1つの数で要約して表す値
- 二項分布
- 成功確率が一定で互いに独立な試行をn回くり返したとき、成功する回数が従う離散型の確率分布
| 共分散 | 相関係数 | |
|---|---|---|
| 式 | Cov(x, y) = (1/n) × Σ(xi − xの平均)(yi − yの平均)。nの代わりにn − 1で割る式もある | r = Cov(x, y) / (xの標準偏差 × yの標準偏差) |
| 値の範囲 | 決まった範囲はない(単位やばらつきの大きさしだい) | −1以上1以下 |
| 単位を変えたとき | 値が変わる(身長をcmからmmにすると10倍) | 変わらない |
| 符号の意味 | 正なら同じ向き、負なら逆向きに動く傾向 | 共分散と同じ(標準偏差は正の値なので符号は変わらない) |
見分け方「単位に左右される」「範囲が決まっていない」なら共分散、「−1から1」「単位に左右されない」なら相関係数です。
| 最小二乗法 | 最尤法 | |
|---|---|---|
| パラメータを決める基準 | 残差の2乗の和を最小にする | 尤度(そのデータが得られる確率)を最大にする |
| 確率分布の仮定 | 不要。当てはまりの基準だけで計算できる | 必要。正規分布やベルヌーイ分布など、データが従う分布を先に決める |
| 主な対象 | 回帰(数値の予測)の係数の推定 | 回帰、分類、分布のパラメータの推定など、確率モデル全般 |
| 計算のしかた | 線形回帰なら、偏微分して0とおいた式から解を直接求められる | 対数尤度を最大にする。ロジスティック回帰などでは解を式で直接求められず、繰り返し計算で求める |
見分け方「2乗の和を最小にする」なら最小二乗法、「データが得られる確率(尤度)を最大にする」なら最尤法です。何を基準にし、それを最小にするのか最大にするのかで見分けます。
つまずきやすい点
- 分散は平均との差を2乗して平均した値で単位も2乗になるため、元のデータと同じ単位でばらつきを表すには、平方根をとった標準偏差を使う点
- 極端な外れ値が1つ入ると平均は大きく動くが、中央値はほとんど動かない点
- 相関係数が大きくても因果関係があるとは限らず、第3の要因が両方に影響している疑似相関の場合がある点
AIに関する法律と契約
目安 10〜13%個人情報保護法 / 著作権法 / 特許法 / 不正競争防止法 / 独占禁止法 / AI開発委託契約 / AIサービス提供契約
- 委託(個人データの取扱いの委託)
- 事業者が、個人データの入力、編集、分析などの処理を、契約の形を問わず他の者に行わせる行為
- 請負契約
- 請負人が仕事の完成を約束し、注文者がその仕事の結果に対して報酬を支払うことを約束する契約
- 営業秘密
- 秘密として管理され、事業活動に有用で、公然と知られていない技術上または営業上の情報
- AI生成物
- 生成AIなどのAIが、人の指示(プロンプト)などをもとに出力した文章、画像、音楽、プログラムなど
- AI・データの利用に関する契約ガイドライン
- データの取引とAI開発の契約で検討すべき論点やモデル契約を、経済産業省が示した手引き
- 仮名加工情報
- 他の情報と照合しない限り特定の個人を識別できないように、氏名などを削除・置換して個人情報を加工した情報
- 個人識別符号
- 顔認証データや旅券番号、マイナンバーなど、それだけで特定の個人を識別できるものとして政令などで定められた符号
- 個人情報
- 生存する個人に関する情報で、氏名などにより特定の個人を識別できるもの、または個人識別符号を含むもの
| 営業秘密 | 限定提供データ | |
|---|---|---|
| 定義の条文 | 不正競争防止法2条6項 | 不正競争防止法2条7項 |
| 守る情報のイメージ | 社内で秘密にしておく情報 | 特定の相手と共有して使ってもらうデータ |
| 3つの要件 | 秘密管理性、有用性、非公知性 | 限定提供性、相当蓄積性、電磁的管理性 |
| 公然と知られていないこと | 必要 | 不要(ただし、無償で公衆に利用可能な情報と同じデータは対象外) |
見分け方秘密にしておく情報か、相手を限って共有するデータかで分けます。前者が営業秘密、後者が限定提供データです。
| GDPR | 個人情報保護法 | |
|---|---|---|
| 正式名称と形式 | EU一般データ保護規則(Regulation (EU) 2016/679)。規則なので、加盟国に直接適用される | 個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号)。民間事業者と行政機関等の両方を対象とする日本の法律 |
| 適用の開始 | 2018年5月25日(99条) | 2005年4月に全面施行。改正により、2017年に個人識別符号、2022年に仮名加工情報などが加わった |
| 保護の対象 | 個人データ:識別された、または識別可能な自然人に関するあらゆる情報。オンライン識別子や位置データも識別子の例に挙がる(4条1号) | 個人情報:生存する個人に関する情報で、特定の個人を識別できるもの、または個人識別符号を含むもの(2条1項)。それに当たらない閲覧履歴などは個人関連情報(2条7項) |
| 取扱いの根拠 | 同意、契約の履行、法的義務、生命に関する利益、公共の利益、正当な利益のいずれかが必要(6条1項) | 取扱い全般の根拠は求めない。利用目的を特定し、目的外利用、要配慮個人情報の取得、第三者提供などの場面で原則として本人の同意を求める(17条、18条、20条2項、27条) |
見分け方GDPRは「取扱いの入口で根拠を確かめる」、日本法は「利用目的を決め、影響の大きい場面で同意を取る」と整理すると、法的根拠の違いを見分けやすくなります。
| 委託 | 第三者提供 | 共同利用 | |
|---|---|---|---|
| 根拠条文 | 個人情報保護法27条5項1号、25条 | 個人情報保護法27条1項〜4項 | 個人情報保護法27条5項3号・6項 |
| 受け手の立場 | 任された業務の範囲で委託元と一体のものとして扱われ、第三者に当たらない | 第三者 | 共同利用者として、第三者に当たらない |
| 本人の同意 | 不要 | 原則として必要。法令に基づく場合などの例外と、委員会への届出によるオプトアウトがある | 不要 |
| あらかじめ本人に知らせること | 法律上の定めはない(利用目的の達成に必要な範囲で委託する) | 原則は同意を得る。オプトアウトでは、提供する項目や停止の求めの受付方法などを通知するか容易に知り得る状態に置き、委員会に届け出る | 共同利用する旨、データの項目、共同利用者の範囲、利用目的、管理について責任を有する者の氏名または名称などを、通知するか容易に知り得る状態に置く |
見分け方受け手が誰のためにデータを使うかで見分けます。渡した側の業務のためなら委託、受け手自身の目的のためなら第三者提供、あらかじめ本人に知らせた事業者どうしで共通の目的のために使うなら共同利用です。
| 個人情報 | 個人データ | 保有個人データ | |
|---|---|---|---|
| 定義の条文 | 個人情報保護法2条1項 | 個人情報保護法16条3項 | 個人情報保護法16条4項 |
| 範囲 | 生存する個人に関する情報で、氏名などにより特定の個人を識別できるもの(他の情報と容易に照合して識別できるものを含む)、または個人識別符号が含まれるもの | 個人情報データベース等を構成する個人情報 | 個人データのうち、事業者が開示、訂正、利用停止、消去などを行う権限をもつもの |
| 具体例 | 受け取ったばかりで整理していない名刺の氏名、顧客の氏名を書き留めた手書きのメモ | 顧客管理システムに登録した顧客の氏名と連絡先、そこから印刷した一覧表の記載 | 自社で集めて管理している会員データベースの会員情報 |
| 当たらないものの例 | 亡くなった人だけに関する情報、法人そのものに関する情報 | データベースに入力する前の、入力用の帳票に書かれた情報 | 処理を任されているだけで、開示などの権限が委託元にあるデータ(任された側から見た場合)。存否が明らかになると本人や第三者の生命・財産などに危害が及ぶおそれがあるもの(施行令5条) |
見分け方3つは入れ子の関係です。個人情報の中に個人データがあり、その中に保有個人データがあります。内側の区分ほど範囲は狭く、外側の義務に上乗せして義務が増えます。
| 個人情報 | 個人識別符号 | |
|---|---|---|
| 定義の条文 | 個人情報保護法2条1項 | 個人情報保護法2条2項、施行令1条、施行規則2条・4条 |
| 2つの関係 | 個人識別符号を含む情報も含む、より広い概念(2条1項2号) | 個人情報に当たるかを決める材料の1つ。含まれていれば、その情報はそれだけで個人情報になる |
| 当たるかの決まり方 | 氏名などの記述や、他の情報との容易な照合によって特定の個人を識別できるかを、事業者の実態に即して事例ごとに判断する | 政令と規則の一覧に載っているかで決まる。身体の特徴は、本人を認証できる水準に変換したものに限る。一覧にない番号は、一人ひとり異なるものでも当たらない |
| 種類 | 記述等で特定の個人を識別できるもの(1号)と、個人識別符号を含むもの(2号)の2つの型 | 身体の特徴をコンピュータ用に変換した符号(2条2項1号)と、サービスの利用やカードの発行などで一人ひとり異なるように割り当てられる番号(2号)。どちらも政令と規則で定めたものに限る |
見分け方個人識別符号は「一覧に載っているか」、個人情報は「誰のことかわかるか」で判断します。一覧にない番号でも、氏名などと結び付いて特定の個人を識別できれば、その情報は個人情報です。
| 新規性 | 進歩性 | |
|---|---|---|
| 根拠条文 | 特許法29条1項 | 特許法29条2項 |
| 問うこと | 同じ発明が出願前にすでにあるか | 出願前の技術から、当業者が容易に考えつけたか |
| 比べ方 | 出願された発明と公知の発明を1つずつ対比し、相違点があるかを見る。2つ以上の公知の発明を組み合わせて対比はしない | 主引用発明を1つ選んで相違点を明らかにし、ほかの公知技術や技術常識を組み合わせて、容易に到達できたと論理付けできるかを見る |
| 効果の扱い | 相違点の有無で決まり、効果の大小は問わない | 引用発明より有利な効果は、進歩性を認める方向に働く |
見分け方「同じものがすでにあるか」なら新規性、「すでにあるものから簡単に思いつけるか」なら進歩性です。
| 教師あり学習 | 教師なし学習 | 強化学習 | |
|---|---|---|---|
| 学習の手がかり | 入力と正解(ラベル)の組 | 入力データだけ | 行動の結果として得る報酬 |
| 学ぶもの | 入力から正解を予測する関数 | データの構造(まとまり、少ない変数での表し方) | 状態に応じて行動を選ぶ方策 |
| 代表的な課題 | 回帰、分類 | クラスタリング、次元削減 | ゲームの攻略、ロボットの制御 |
| 代表的な手法 | 線形回帰、ロジスティック回帰、決定木、SVM、ランダムフォレスト | k-means法、ウォード法、主成分分析(PCA)、t-SNE | Q学習、SARSA、方策勾配法 |
見分け方まず、正解(ラベル)が与えられているかを確かめます。正解があれば教師あり学習、なければ教師なし学習です。
| 特許権 | 著作権 | |
|---|---|---|
| 根拠となる法律 | 特許法 | 著作権法 |
| 守る対象 | 発明:自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のもの(2条1項) | 著作物:思想又は感情を創作的に表現したもので、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの(2条1項1号) |
| アイデアと表現 | 技術的なアイデアそのものを守る。書き方や表現を変えても、同じ技術を使えば効力が及ぶ | 具体的な表現を守る。アイデアや、プログラム言語・規約・解法(アルゴリズム)は守らない(10条3項) |
| 権利の発生 | 特許庁への出願、審査、特許料の納付を経た設定の登録で発生する(66条) | 創作した時点で、手続なしに発生する(17条2項、無方式主義) |
見分け方「技術のアイデアか、表現か」で見分けます。学習手法や処理の仕組みは特許権、ソースコードの書き方や文章・画像の表現は著作権の対象です。
| 匿名加工情報 | 仮名加工情報 | |
|---|---|---|
| 定義の条文 | 個人情報保護法2条6項 | 個人情報保護法2条5項 |
| 加工の程度 | 特定の個人を識別できず、元の個人情報を復元できないようにする | 他の情報と照合しない限り、特定の個人を識別できないようにする |
| 加工基準の主な中身 | 氏名などや個人識別符号の削除に加え、特異な記述やデータ同士をつなぐ符号の削除なども行う(規則34条) | 氏名などや個人識別符号の削除に加え、クレジットカード番号など財産的被害のおそれがある記述を削除する(規則31条) |
| 個人情報に当たるか | 当たらない | 元の個人情報や削除情報等を持つ作成事業者の手元では、個人情報に当たる |
見分け方「匿名」は誰か分からず元にも戻せない状態、「仮名」は名前を仮の符号に置き換えただけで、対応表と照合すれば戻せる状態だと考えます。
| 請負契約 | 準委任契約 | |
|---|---|---|
| 根拠条文 | 民法632条以下 | 民法656条(委任の規定を準用) |
| 約束するもの | 仕事の完成 | 事務の処理 |
| 完成義務 | あり | なし(善管注意義務を負う) |
| 報酬 | 仕事の結果に対して支払う。目的物の引渡しが必要なら、引渡しと同時に支払う | 報酬は特約で定め、原則として事務の処理後に支払う。成果に対して支払う成果完成型も選べる(648条の2) |
見分け方「完成させる約束」か「注意を尽くして作業する約束」かで見分けます。前者が請負、後者が準委任です。
つまずきやすい点
- 個人情報、個人データ、保有個人データは範囲が段階的に狭くなる別の概念で、どれに当たるかによって事業者が負う義務が変わる点
- 著作権法30条の4により、AIの学習のための著作物の利用は原則として許諾なしにできるが、思想や感情を享受する目的があわせてある場合や、著作権者の利益を不当に害する場合は対象外になる点
- 営業秘密は秘密管理性・有用性・非公知性の3要件を満たす情報、限定提供データは業として特定の者に提供するため電磁的方法で相当量蓄積・管理されたデータで、営業秘密に当たるものは限定提供データから除かれる点
AI倫理・AIガバナンス
目安 9〜12%国内外のガイドライン / プライバシー / 公平性 / 安全性とセキュリティ / 悪用 / 透明性 / 民主主義 / 環境保護 / 労働政策 / その他の重要な価値 / AIガバナンス
- Adversarial Attack
- 人には気づきにくい小さな細工を入力データに加え、AIモデルに誤った判断をさせる攻撃
- アルゴリズムバイアス
- 学習データや設計の偏りが原因で、AIなどのアルゴリズムが特定の個人や集団に不当に不利な結果を出す傾向
- AIガバナンス
- AIの利活用で生じるリスクを受容可能な水準で管理しつつ便益を最大化するための、技術的・組織的・社会的な仕組みの設計と運用
- AI事業者ガイドライン
- 総務省と経済産業省が、AIを開発・提供・利用する事業者に向けて、AIガバナンスの統一的な指針として示したソフトロー
- AI倫理
- AIの開発や利用が人や社会を傷つけないよう、守るべき価値や行動のあり方を考える分野と、その考えにもとづく原則
- エコーチェンバー
- SNSなどで似た考えの人どうしが集まってやりとりするうちに、同じ意見が反響するように繰り返され、増幅・強化されていく現象
- カメラ画像利活用ガイドブック
- カメラ画像を商用目的で使う事業者に向けて、プライバシー保護のための配慮事項を総務省と経済産業省などが整理した手引き
- ソフトロー
- ガイドラインや業界の自主ルールのように、法的拘束力や罰則はないものの、関係者の行動を方向づける規範
| データ汚染 | Adversarial Attack | |
|---|---|---|
| 仕掛ける段階 | 学習時(学習データの収集・加工やシステム開発の段階) | 推論時(運用中のシステムへの入力) |
| 細工する対象 | 学習データ(データそのものやラベル) | 推論時に入力するデータ |
| モデルへの影響 | 汚れたデータで学習したモデルの判断がゆがむ | モデルは変わらない。細工された入力に対して誤る |
| 誤りが表れる入力 | 通常の入力でも精度が下がる場合と、合図(トリガー)を含む入力のときだけ誤るバックドアの場合がある | 細工された入力 |
見分け方「いつ、何に細工するか」で見分けます。学習データに混ぜるならデータ汚染、運用中のモデルへの入力に加えるならAdversarial Attackです。
| ソフトロー | ハードロー | |
|---|---|---|
| 法的拘束力 | なし | あり |
| 守らなかったとき | 法的な制裁はない | 罰則、行政処分、損害賠償などで強制されうる |
| 例 | AI事業者ガイドライン(総務省・経済産業省)、OECDのAI原則、業界団体の自主規制 | EUのAI法、GDPR、個人情報保護法、著作権法 |
| 作り方・見直し方 | 策定した機関が見直せるので、改定しやすい | 立法の手続きが必要で、制定や改正に時間がかかる |
見分け方区別の基準は、法的拘束力があるかどうかです。作ったのが国か民間か、内容が細かいかどうかでは決まりません。
つまずきやすい点
- ハードローは法的な拘束力をもつ法律や規則、ソフトローはガイドラインのように拘束力のない規範で、日本のAI事業者ガイドラインはソフトローにあたる点
- リスクベースアプローチは、リスクの大きさに応じて対策の重さを変える考え方で、すべてのAIに同じ規制をかけることでも、リスクのあるAIを一律に禁止することでもない点
- フィルターバブルは推薦などで自分の好みに合う情報ばかりに囲まれる状態、エコーチェンバーは似た意見の人どうしのやり取りで特定の意見が強まっていく現象で、起こる仕組みが違う点
混同しやすい用語の組み合わせは、違い比較の一覧で分野ごとに確認できます。
このシートを試験中に見てもいいですか?
このシートは、試験の前に要点を見直すためのものです。オンライン試験で手元の資料やメモを見てよいかを、JDLAは公表していません(2026年11月1日時点)。一方で、受験規約の画面例は「カンニング」を不正行為の例に挙げ、不正が疑われる場合も結果を取り消すことがあるとしています。会場試験では、携帯電話や上着を含む手荷物をすべて指定のロッカーに預けます(ロッカーがない会場では、会場に応じて扱いが異なります。JDLA「よくある質問」)。
明記されていないことは、認められていることを意味しません。規約の文言と問い合わせ先は「G検定の受験ルールと禁止事項」にまとめています。