1行定義
アノテーションとは、画像や文章、音声などのデータに、機械学習の正解として使うラベルや、意味を表す情報を付け加える作業のことです。
くわしく
アノテーションは、データに「これは何か」を書き込む作業です。もとの英語のannotationは「注釈を付けること」を意味します。機械学習、とくに教師あり学習では、入力データと正解の組を大量に用意する必要があります。その正解を作る作業がアノテーションです。
タスクごとの例
- 画像分類:画像1枚ごとに「犬」「猫」などのラベルを付けます。
- 物体検出:写っている物体を矩形(バウンディングボックス)で囲み、カテゴリ名を付けます。
- セグメンテーション:画素ごとに、どのカテゴリに属するかを塗り分けます。
- 自然言語処理:文ごとに感情のラベルを付けたり、人名や地名に印を付けたりします。
- 音声認識:音声に、話している内容の文字起こしを付けます。
同じ画像でも、1枚に1つのラベルを付ける分類より、画素ごとに塗り分けるセグメンテーションのほうが、はるかに手間がかかります。
ラベルの品質がモデルの質を左右する
モデルはラベルを正解として学ぶので、ラベルの誤りや基準のばらつきは、そのままモデルの誤りにつながります。評価用データのラベルが不正確だと、性能を正しく測ることもできません。広く使われている公開データセットでも、ラベルの誤りが見つかっています。
品質を保つために、判断の基準と迷いやすい例を作業手順書にまとめます。また、同じデータを複数人でラベル付けし、偶然の一致を差し引いた一致度(コーエンのカッパ係数など)で、基準がそろっているかを確かめます。医療画像のように専門知識が要る分野では、専門家の関与が欠かせません。
コストと関連する手法
アノテーションは人手がかかり、AI開発の費用と期間の大きな部分を占めることがあります。専門の業者やクラウドソーシングに依頼することも多くあります。ラベルのないデータも生かす半教師あり学習や自己教師あり学習は、アノテーションの負担を減らす方向の工夫です。
G検定での出題
出題のされ方
教師あり学習の正解データを作る作業としての位置づけ、物体検出の矩形やセグメンテーションの塗り分けといったタスクごとの形式、作業基準と一致度の確認による品質管理が問われます。
◯×チェック
次の文が正しいか、誤りかを選んでください。
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物体検出のアノテーションでは、画像に写った物体を矩形で囲み、その物体のカテゴリ名を付けることが多い。
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答え ◯ 正しい
この矩形をバウンディングボックスと呼びます。セマンティックセグメンテーションでは画素ごとにカテゴリを塗り分けるので、作業の手間がさらに大きくなります。
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アノテーションは教師なし学習のために行う作業であり、教師あり学習では必要ない。
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答え × 誤り
逆です。教師あり学習には入力と正解の組が必要で、その正解を用意する作業がアノテーションです。教師なし学習は正解ラベルを使わずに学習します。
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テキストのアノテーションの例として、文中の人名や地名などの固有表現に印を付け、その種類を書き加える作業がある。
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答え ◯ 正しい
固有表現抽出の学習データを作る作業です。ほかに、文章ごとに肯定・否定などの感情ラベルを付ける作業もあります。
この用語の練習問題
出典
- G検定 試験出題範囲(シラバス2024)第1.4版 (技術分野 項目36 データの収集・加工・分析・学習)
- Curtis G. Northcutt, Anish Athalye, Jonas Mueller, Pervasive Label Errors in Test Sets Destabilize Machine Learning Benchmarks (2021)
- Jacob Cohen, A Coefficient of Agreement for Nominal Scales, Educational and Psychological Measurement 20(1), 37–46 (1960)