1行定義
物体検出とは、画像の中にある物体の位置を矩形(バウンディングボックス)で示し、それぞれが何であるかのクラスもあわせて推定するタスクのことです。
くわしく
物体検出は、画像の「どこに」「何が」写っているかを答えるタスクです。自動運転での歩行者や車両の認識、製造ラインでの部品の検出、店舗の棚の商品管理などに使われます。
画像認識のタスクの違い
画像認識のタスクは、出力の細かさで区別します。
- 画像分類:画像全体に1つのクラスを付けます。
- 物体検出:物体ごとに矩形とクラスを出力します。
- セマンティックセグメンテーション:画素ごとにクラスを付けます。同じクラスの物体どうしは区別しません。
- インスタンスセグメンテーション:物体を1つずつ区別したうえで、その領域を画素単位で求めます。
物体検出では個数と大まかな位置がわかります。ただし出力は矩形なので、物体の正確な形まではわかりません。
2段階型と1段階型
深層学習による物体検出は、大きく2つの系統に分かれます。
2段階型は、まず物体がありそうな候補領域を挙げ、次に各候補のクラスと位置を推定します。R-CNN、Fast R-CNN、Faster R-CNNと改良が進みました。Faster R-CNNでは、候補領域の抽出もニューラルネットワーク(RPN)で行います。精度を出しやすい一方、処理に時間がかかりやすい方式です。
1段階型は、候補領域を別に扱わず、画像全体から位置とクラスを一度に予測します。YOLOやSSDが代表例です。高速なため、動画のリアルタイム処理に向きます。
Mask R-CNNは、Faster R-CNNに物体の領域を画素単位で求める部分を加え、インスタンスセグメンテーションに広げたモデルです。
評価と後処理
予測した矩形が正解とどれだけ重なるかは、IoU(Intersection over Union)で測ります。同じ物体に重なった矩形が複数出たときは、非最大値抑制(NMS)で1つにまとめます。
覚え方
「分類は何、検出は何とどこ、セグメンテーションは画素ごと」と覚えます。
G検定での出題
出題のされ方
画像分類・セマンティックセグメンテーション・インスタンスセグメンテーションとの出力の違い、R-CNN系の2段階型とYOLO・SSDの1段階型の違い、具体的な場面での使い分けが問われます。
混同しやすい用語
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 物体検出このページの用語 | 画像の中にある物体の位置を矩形(バウンディングボックス)で示し、それぞれが何であるかのクラスもあわせて推定するタスク |
| セマンティックセグメンテーション | 画像のすべての画素に「人」「道路」「空」などのクラスを割り当て、画像を領域ごとに塗り分けるタスク |
| インスタンスセグメンテーション | 画像の中の物体を1つずつ区別し、それぞれの物体が写っている領域を画素単位で切り出すタスク |
違いを表で比べる
◯×チェック
次の文が正しいか、誤りかを選んでください。
-
物体検出のモデルは、1枚の画像に複数の物体が写っていれば、それぞれについて位置を示す矩形とクラスを出力する。
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答え ◯ 正しい
画像全体に1つのラベルを付ける画像分類との違いです。出力する物体の数は画像ごとに変わります。
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物体検出の評価で使うIoUは、予測した矩形と正解の矩形が重なる部分の面積を、2つの矩形を合わせた領域の面積で割った値である。
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答え ◯ 正しい
完全に一致すれば1、まったく重ならなければ0です。IoUが基準(たとえば0.5)以上なら、正しく検出できたとみなします。
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物体検出で同じ物体に重なった矩形が複数出力されたときは、すべてを残し、矩形の数をそのまま物体の数として数えるのが一般的である。
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答え × 誤り
スコアの高い矩形を残し、それと大きく重なる矩形を取り除く非最大値抑制(NMS)で、重複をまとめるのが一般的です。
この用語の練習問題
出典
- G検定 試験出題範囲(シラバス2024)第1.4版 (技術分野 項目26 画像認識)
- Ross Girshick, Jeff Donahue, Trevor Darrell, Jitendra Malik, Rich feature hierarchies for accurate object detection and semantic segmentation (2013)
- Joseph Redmon, Santosh Divvala, Ross Girshick, Ali Farhadi, You Only Look Once: Unified, Real-Time Object Detection (2015)