結論
画像分類(物体識別)は、画像全体に対して「何が写っているか」をクラスで答えるタスクで、物体の位置や個数は出力しません。物体検出は、画像の中の物体ごとに位置を示す矩形(バウンディングボックス)とクラスを出力し、「どこに何がいくつあるか」まで答えます。
比較表
| 観点 | 画像分類(物体識別) | 物体検出 |
|---|---|---|
| 英語 | image classification | object detection |
| 答える問い | 画像に何が写っているか | 画像のどこに何があるか |
| 出力 | 画像全体に対するクラス(各クラスの確率を出し、最も高いクラスを答えにすることが多い) | 物体ごとの矩形の座標、クラス、確からしさのスコア |
| 1枚の画像に対する出力の数 | 画像の中身によらず一定(ふつうはクラスを1つ答える) | 写っている物体の数によって変わる(0個のこともある) |
| 学習用の正解データ | 画像ごとのクラスのラベル | 物体ごとの矩形の座標とクラス |
| 評価のしかた | 正解率、top-5誤り率など | 矩形の重なり(IoU)とクラスで1つずつの検出の正否を決め、クラスごとの平均適合率(AP)をさらに平均したmAPなどで評価する |
| 代表的なモデル | AlexNet、VGG、GoogLeNet、ResNet、EfficientNet、Vision Transformer | Faster R-CNN(2段階型)、YOLO、SSD(1段階型) |
| 向いている場面の例 | 1個ずつ撮影した製品の良否判定、写真の自動仕分け | 車載カメラでの歩行者や車両の把握、棚に並んだ商品の数え上げ |
| シラバス項目 | 技術分野 項目26 画像認識(キーワードは「物体識別」) | 技術分野 項目26 画像認識 |
| G検定での問われ方 | 物体検出やセグメンテーションとの出力の違い、ILSVRCを舞台にしたCNNの発展 | 場面に合うタスクの選び方、2段階型と1段階型の違い、IoUや非最大値抑制(NMS) |
最終確認日:2026年11月1日
それぞれの説明
画像分類と物体検出は、どちらも画像認識の基本的なタスクです。違いは出力の細かさにあります。画像分類は「何が写っているか」だけを答え、物体検出は「どこに何があるか」まで答えます。
画像分類(物体識別)
画像分類は、画像全体に対して、あらかじめ決めたクラスの中から答えを選ぶタスクです。G検定のシラバスでは「物体識別」というキーワードで扱われます。多くのモデルは、最後にソフトマックス関数で各クラスの確率を出し、最も高いクラスを答えにします。
出力は画像全体に対するクラスだけなので、物体がどこに、いくつ写っているかはわかりません。1,000クラスの画像分類を競ったILSVRCを舞台に、AlexNetからVGG、GoogLeNet、ResNetへとCNNは深くなっていきました。
物体検出
物体検出は、物体ごとに、位置を示す矩形とクラスを出力するタスクです。写っている物体の数は画像によって違うので、出力の数も画像ごとに変わります。予測した矩形が正解とどれだけ重なるかはIoUで測ります。同じ物体に重なって出た矩形は、非最大値抑制(NMS)で1つにまとめます。
手法は、候補領域を挙げてから分類する2段階型(Faster R-CNNなど)と、画像全体から位置とクラスを一度に予測する1段階型(YOLO、SSDなど)に分かれます。
2つの関係と使い分け
物体検出は、画像分類の技術の上に成り立っています。R-CNNは、ILSVRCの画像分類で事前に学習したCNNを、物体検出向けにファインチューニングして使いました。YOLOも、畳み込み層を1,000クラスの画像分類で事前に学習してから、検出の学習に移っています。
使い分けは目的で決まります。1個ずつ撮影した製品の良否判定のように、画像全体に1つの答えがあればよい場面では画像分類で足ります。台数を数える、物体の位置に応じて動作を変えるといった場面では物体検出が必要です。物体の形まで画素単位で必要なら、セグメンテーションを選びます。
見分けるコツ
- 答えに「どこに」が含まれるかで見分けます。何が写っているかだけを答えるなら画像分類、物体の位置を矩形で示すなら物体検出です。
- 「数える」「位置を知る」という目的が書かれていたら、画像分類では足りません。画像分類は画像全体に対する答えしか返さないので、同じ物体がいくつ写っているかはわかりません。
- 物体の形を画素単位で知りたいなら、どちらでもなくセグメンテーションです。物体検出の矩形には、背景や隣の物体も入り込みます。
◯×チェック
次の文が正しいか、誤りかを選んでください。
-
1個ずつ撮影した製品の画像で良品か不良品かを判定するだけなら、物体の位置を出力しない画像分類でも目的を果たせる。
答えを見る
答え ◯ 正しい
知りたいのは画像全体に対する判定で、位置や個数は必要ありません。画像1枚に1つの答えを返す画像分類で足ります。
-
駐車場を上から撮った画像に「車」というクラスを返す画像分類のモデルを使えば、停まっている車の台数もわかる。
答えを見る
答え × 誤り
画像分類は画像全体に1つの答えを返すだけで、何台写っているかは出力しません。台数を数えるには、車ごとに矩形を出す物体検出などを使います。
-
物体検出の評価では、予測したクラスが正しければ、矩形の位置が正解から大きくずれていても正しい検出として数える。
答えを見る
答え × 誤り
クラスが正しいことに加えて、予測した矩形と正解の矩形の重なり(IoU)が基準(たとえば0.5)以上であることが条件です。位置が大きくずれた予測は誤検出として扱われます。
関連問題
出典
- G検定 試験出題範囲(シラバス2024)第1.4版 (技術分野 項目26 画像認識)
- Olga Russakovsky et al., ImageNet Large Scale Visual Recognition Challenge (arXiv:1409.0575)
- Ross Girshick, Jeff Donahue, Trevor Darrell, Jitendra Malik, Rich feature hierarchies for accurate object detection and semantic segmentation (2013) (Abstract、2.3 Training(ILSVRC2012の画像分類による事前学習))
- Joseph Redmon, Santosh Divvala, Ross Girshick, Ali Farhadi, You Only Look Once: Unified, Real-Time Object Detection (2015) (2.2 Training(ImageNetの1,000クラス分類による事前学習))
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