1行定義
物体識別とは、画像に写っている物体が何であるかを、あらかじめ決めたクラスの中から選んで答える画像認識のタスクのことです。
くわしく
物体識別は、画像に何が写っているかを答えるタスクです。「犬」「猫」「自動車」など、あらかじめ決めたクラスの中から選んで出力します。画像全体に1つのラベルを付けるため、画像分類とも呼ばれます。
ほかのタスクとの違い
画像認識のタスクは、出力の細かさで区別できます。
- 物体識別:画像全体に対するクラス(何が写っているか)
- 物体検出:物体ごとの矩形とクラス(どこに何があるか)
- セマンティックセグメンテーション:画素ごとのクラス
- インスタンスセグメンテーション:物体ごとの、画素単位の領域とクラス
物体識別は最も基本的なタスクで、位置や個数は出力しません。製品の外観検査で、良品か不良品かを判定する場面などに使われます。
モデルの発展
物体識別は、ILSVRCの画像分類部門を舞台にCNNが発展した分野です。2012年にAlexNetが大差で優勝したのをきっかけに、3×3の小さな畳み込みを深く重ねたVGG、大きさの違う畳み込みを並べたGoogLeNet、スキップ結合で100層を超える学習を可能にしたResNetと、モデルは深くなりました。その後も、SENet、MobileNet、EfficientNet、Vision Transformerなどが登場しています。
多くのモデルは、最後にソフトマックス関数で各クラスの確率を出し、最も高いクラスを答えにします。
ほかのタスクの土台として
物体識別のために作られたCNNは、画像の特徴を取り出す部分として、物体検出やセグメンテーションのモデルにも組み込まれます。ImageNetで事前に学習した重みから学習を始める転移学習は、自社のデータが少ない場合に精度を出すための定番の方法です。
一般物体認識との関係
一般的なカテゴリの名前で答える物体識別は、一般物体認識の代表的な課題です。
覚え方
「識別は『何』だけ、検出は『何とどこ』」と覚えます。
G検定での出題
出題のされ方
物体検出・セマンティックセグメンテーション・インスタンスセグメンテーションとの出力の違いや、AlexNet、VGG、GoogLeNet、ResNetなど物体識別で発展したCNNのモデルの特徴が問われます。
混同しやすい用語
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 物体識別このページの用語 | 画像に写っている物体が何であるかを、あらかじめ決めたクラスの中から選んで答える画像認識のタスク |
| 物体検出 | 画像の中にある物体の位置を矩形(バウンディングボックス)で示し、それぞれが何であるかのクラスもあわせて推定するタスク |
| セマンティックセグメンテーション | 画像のすべての画素に「人」「道路」「空」などのクラスを割り当て、画像を領域ごとに塗り分けるタスク |
| 一般物体認識 | 制約のない実世界の画像に写る物体を、「いす」「自転車」のような一般的な名称(カテゴリ)で認識する課題 |
◯×チェック
次の文が正しいか、誤りかを選んでください。
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物体識別のモデルの多くは、最後にソフトマックス関数で各クラスの確率を出力し、最も確率の高いクラスを答えとする。
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答え ◯ 正しい
たとえば「犬0.8、猫0.15、車0.05」なら「犬」と答えます。確率の高い上位5クラスに正解が含まれない割合を表すtop-5誤り率も、この順位を使って求めます。
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物体識別のモデルは、画像に写っている物体の位置を矩形で示すので、写っている物体の数もわかる。
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答え × 誤り
物体識別は、画像全体に対してクラスを答えるだけで、位置や個数は出力しません。位置や個数が必要なら、物体検出やインスタンスセグメンテーションを使います。
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物体識別のために作られたCNNは、物体検出やセグメンテーションのモデルで、特徴を取り出す部分として転用されることが多い。
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答え ◯ 正しい
たとえばFCNはVGGなどの分類用のネットワークを作り替えたモデルで、FPNの論文ではResNetを特徴の抽出に使っています。ImageNetで学習した重みを初期値にすることも一般的です。
この用語の練習問題
出典
- G検定 試験出題範囲(シラバス2024)第1.4版 (技術分野 項目26 画像認識)
- Olga Russakovsky et al., ImageNet Large Scale Visual Recognition Challenge (arXiv:1409.0575) (Abstract)
- Jonathan Long, Evan Shelhamer, Trevor Darrell, Fully Convolutional Networks for Semantic Segmentation, CVPR 2015 (arXiv:1411.4038)
- Tsung-Yi Lin et al., Feature Pyramid Networks for Object Detection, CVPR 2017 (arXiv:1612.03144)