1行定義
Faster R-CNNとは、候補領域の抽出もニューラルネットワーク(RPN)で行うようにして、検出を高速にした2段階型の物体検出モデルのことです。
くわしく
Faster R-CNNは、2015年にShaoqing Ren、Kaiming Heらが発表した物体検出モデルです。R-CNN系と呼ばれる系譜の3番目にあたります。
R-CNN系の流れ
- R-CNN:画像から物体がありそうな候補領域を約2,000個切り出し、1つずつCNNに通して特徴を取り出し、分類します。候補ごとにCNNを計算するので、時間がかかりました。
- Fast R-CNN:画像全体を一度だけCNNに通し、できた特徴マップから候補領域の部分を切り出します(RoIプーリング)。CNNの計算が1回で済み、大幅に速くなりました。
- Faster R-CNN:最後に残った遅い処理である候補領域の抽出を、ニューラルネットワークに置き換えました。
RPNのしくみ
Fast R-CNNまでは、色や模様の似た部分をまとめていく選択的探索(Selective Search)という従来の手法で候補領域を作っていました。Faster R-CNNは、この処理をRegion Proposal Network(RPN)に任せます。
RPNは、特徴マップの各位置に、大きさや縦横比の異なる基準の枠(アンカー)を複数置きます。そして、それぞれの枠に物体があるかどうかと、枠をどれだけずらせば物体にぴったり合うかを予測します。RPNは検出用のネットワークと畳み込み層を共有するので、候補領域の抽出にほとんど追加の計算がかかりません。
位置づけ
検出の全体をほぼ1つのネットワークで学習できるようになり、GPUで毎秒約5枚を処理できるようになりました。候補を挙げてから分類する2段階型で、精度に強みがあります。速度では、YOLOやSSDなどの1段階型が上回ります。後に、物体の形を画素単位で切り出す枝を加えたMask R-CNNへと発展しました。
覚え方
「R-CNNは候補ごとに計算、Fastは特徴を共有、Fasterは候補探しまでネットワークで」と覚えます。
G検定での出題
出題のされ方
R-CNN、Fast R-CNN、Faster R-CNN、Mask R-CNNの順に何が改良されたか、候補領域を出すRPNとアンカーの役割、YOLOやSSDなど1段階型との違いが問われます。
混同しやすい用語
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| Faster R-CNNこのページの用語 | 候補領域の抽出もニューラルネットワーク(RPN)で行うようにして、検出を高速にした2段階型の物体検出モデル |
| Fast R-CNN | 画像全体から作った特徴マップを全候補領域で共有し、RoIプーリングで切り出すことで、R-CNNを高速にした物体検出モデル |
| YOLO | 画像全体を1つのCNNに一度だけ通し、物体の位置とクラスを同時に予測する、高速な1段階型の物体検出モデル |
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次の文が正しいか、誤りかを選んでください。
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Faster R-CNNのRPNは、検出を行うネットワークと畳み込み層の特徴マップを共有するため、候補領域をほとんど追加の計算なしで得られる。
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答え ◯ 正しい
画像全体の特徴マップを1回計算すれば、候補領域の抽出と、その後の分類の両方に使えます。これが高速化の理由です。
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Faster R-CNNは、候補領域を作らずに、画像全体から物体の位置とクラスを一度に予測する1段階型の検出器である。
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答え × 誤り
Faster R-CNNは、RPNで候補領域を挙げてから各候補を分類し位置を補正する2段階型です。候補領域を作らない1段階型はYOLOやSSDです。
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Faster R-CNNに、物体の形を画素単位で予測する枝を加えて、インスタンスセグメンテーションに対応させたのがMask R-CNNである。
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答え ◯ 正しい
Mask R-CNNは、検出した物体ごとにマスク(形)を出力します。切り出しの位置ずれを減らすRoIAlignも導入しました。