1行定義
パノプティックセグメンテーションとは、画像のすべての画素にクラスを割り当て、さらに人や車などの数えられる物体には個体の区別も付けるタスクのことです。
くわしく
パノプティックセグメンテーションは、2018年にKirillovらが提案した画像認識のタスクです。「パノプティック(panoptic)」は「全体を一度に見渡す」という意味で、画像に写るものすべてを1枚の結果にまとめて表すことを指しています。
thingsとstuff
画像に写るものは、2種類に分けて考えます。
- things:人、車、動物のように、1つ、2つと数えられる物体。
- stuff:空、道路、芝生のように、形が決まらず数えられない領域。
セマンティックセグメンテーションは両方にクラスを付けますが、thingsの個体は区別しません。インスタンスセグメンテーションはthingsを1つずつ切り出しますが、stuffは扱いません。パノプティックセグメンテーションは、この2つを統合したタスクです。
出力の形
すべての画素に「クラス」と「個体の番号」を1組ずつ割り当てます。thingsの画素には、同じクラスでも個体ごとに別の番号が付きます。stuffの画素はクラスだけで、個体の番号は使いません。1つの画素が2つの物体に属することはなく、領域どうしが重ならないように画像全体を塗り分けます。
評価と方法
提案論文では、thingsとstuffを同じ物差しで評価する指標として、PQ(Panoptic Quality)も導入されました。PQは、領域の重なりの正確さ(SQ)と、物体を正しく見つけた度合い(RQ)の積として表せます。
方法としては、Mask R-CNNにセマンティックセグメンテーションの分岐を加え、両方の結果を組み合わせるPanoptic FPNなどがあります。自動運転のように、道路という領域と、1台ずつの車や1人ずつの歩行者を同時に把握したい場面で役立ちます。
覚え方
「パノプティック=全部入り。背景は塗り、物体は数える」と覚えます。
G検定での出題
出題のされ方
セマンティックセグメンテーションとインスタンスセグメンテーションを統合したタスクであること、背景(stuff)と数えられる物体(things)の両方を扱う点、ほかのタスクとの違いが問われます。
混同しやすい用語
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| パノプティックセグメンテーションこのページの用語 | 画像のすべての画素にクラスを割り当て、さらに人や車などの数えられる物体には個体の区別も付けるタスク |
| セマンティックセグメンテーション | 画像のすべての画素に「人」「道路」「空」などのクラスを割り当て、画像を領域ごとに塗り分けるタスク |
| インスタンスセグメンテーション | 画像の中の物体を1つずつ区別し、それぞれの物体が写っている領域を画素単位で切り出すタスク |
違いを表で比べる
◯×チェック
次の文が正しいか、誤りかを選んでください。
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パノプティックセグメンテーションでは、空や道路のような背景の画素にはクラスを付けず、数えられる物体だけを切り出す。
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答え × 誤り
背景の画素にもクラスを付けるのが特徴です。数えられる物体だけを切り出すのは、インスタンスセグメンテーションです。
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パノプティックセグメンテーションの出力では、1つの画素が2つ以上の物体に同時に属することはない。
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答え ◯ 正しい
各画素にはクラスと個体の番号が1組だけ割り当てられ、領域どうしは重なりません。インスタンスセグメンテーションでは、物体ごとのマスクが重なることがあります。
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パノプティックセグメンテーションでは、道路のように数えられない領域にも、1つずつ個体の番号を付けて区別する。
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答え × 誤り
個体を区別するのは、人や車のように数えられる物体(things)だけです。道路や空のような領域(stuff)には、クラスだけを付けます。