1行定義
SSDとは、解像度の異なる複数の特徴マップの各位置に置いた基準の枠をもとに、物体の位置とクラスを一度に予測する1段階型の物体検出モデルのことです。
くわしく
SSD(Single Shot MultiBox Detector)は、Wei Liuらが2016年の国際会議ECCVで発表した物体検出モデルです。名前の「Single Shot」は、画像をネットワークに1回通すだけで検出を終えることを表しています。YOLOと並ぶ、1段階型(ワンステージ)の代表的なモデルです。
しくみ
土台には、画像分類用のVGG16を使います。その後ろに畳み込み層を重ね、段階的に小さくなる特徴マップを作ります。
それぞれの特徴マップの各位置には、大きさや縦横比の異なる基準の枠(デフォルトボックス)を複数置きます。ネットワークは、枠ごとに、物体に合わせるための位置のずれと、各クラスのスコアを予測します。最後に、同じ物体に重なった枠を非最大値抑制(NMS)で整理して、結果を決めます。
複数の解像度で検出する理由
浅い層の特徴マップは解像度が高く、細かな位置の情報を残しています。深い層の特徴マップは解像度が低い代わりに、1つの位置が画像の広い範囲を表します。SSDは、小さな物体を浅い層の大きな特徴マップで、大きな物体を深い層の小さな特徴マップで検出するように、役割を分けました。
最初のYOLOは、最後の層の7×7の粗いグリッドから予測していました。SSDは複数の特徴マップを使うことで、さまざまな大きさの物体に対応しやすくしています。
位置づけ
論文では、最初のYOLOより速くて精度も高く、Faster R-CNNと同等以上の精度をはるかに速い速度で達成したと報告されています。一方、小さな物体の検出は大きな物体より苦手だと、論文自身が分析しています。浅い層の特徴だけでは物体の意味をつかみにくいことが一因とされ、深い層の情報を浅い層へ戻すFPNなどの手法で改善が図られました。
覚え方
「1回で見る(Single Shot)、大小の地図で分担して探す」と覚えます。
G検定での出題
出題のされ方
候補領域を作らない1段階型である点、大きさの違う物体を解像度の異なる複数の特徴マップで分担して検出する仕組み、デフォルトボックス、YOLOやFaster R-CNNとの違いが問われます。
混同しやすい用語
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| SSDこのページの用語 | 解像度の異なる複数の特徴マップの各位置に置いた基準の枠をもとに、物体の位置とクラスを一度に予測する1段階型の物体検出モデル |
| YOLO | 画像全体を1つのCNNに一度だけ通し、物体の位置とクラスを同時に予測する、高速な1段階型の物体検出モデル |
◯×チェック
次の文が正しいか、誤りかを選んでください。
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SSDでは、小さな物体は主に、深い層にある解像度の低い特徴マップが担当して検出する。
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答え × 誤り
逆です。小さな物体は浅い層の解像度の高い特徴マップが、大きな物体は深い層の解像度の低い特徴マップが、主に担当します。
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SSDは、特徴マップの各位置に大きさや縦横比の異なる基準の枠(デフォルトボックス)を置き、枠ごとに位置のずれとクラスのスコアを予測する。
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答え ◯ 正しい
基準の枠からのずれを予測することで、さまざまな形の物体に合わせます。Faster R-CNNのアンカーと似た考え方です。
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SSDの提案論文では、SSDは最初のYOLOと比べて、処理速度と精度の両方で上回ったと報告された。
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答え ◯ 正しい
最初のYOLOは最後の層の粗いグリッドだけで予測していました。SSDは複数の特徴マップとデフォルトボックスを使い、精度を高めました。
この用語の練習問題
出典
- G検定 試験出題範囲(シラバス2024)第1.4版 (技術分野 項目26 画像認識)
- Wei Liu et al., SSD: Single Shot MultiBox Detector, ECCV 2016
- Joseph Redmon, Santosh Divvala, Ross Girshick, Ali Farhadi, You Only Look Once: Unified, Real-Time Object Detection (2015)
- Tsung-Yi Lin et al., Feature Pyramid Networks for Object Detection (2016)