1行定義
Fast R-CNNとは、画像全体から作った特徴マップを全候補領域で共有し、RoIプーリングで切り出すことで、R-CNNを高速にした物体検出モデルのことです。
くわしく
Fast R-CNNは、2015年にRoss Girshickが発表した物体検出モデルです。R-CNNを改良したもので、R-CNN系と呼ばれる系譜の2番目にあたります。
R-CNNの何が遅かったか
R-CNNは、選択的探索(Selective Search)で物体がありそうな候補領域を約2,000個挙げ、1つずつ画像を切り出してCNNに通していました。重なり合う部分も候補ごとに計算し直すため、無駄が多くなります。また、CNNによる特徴の抽出、SVMによる分類、枠の位置の補正を、別々の段階で学習する必要がありました。
Fast R-CNNの工夫
- 特徴マップの共有:画像全体を一度だけCNNに通して特徴マップを作り、すべての候補領域でこれを使い回します。
- RoIプーリング:特徴マップ上で候補領域(RoI)に当たる部分を切り出し、大きさがばらばらな領域を、決まった大きさ(例:7×7)の特徴にそろえます。
- マルチタスク損失:クラスの分類と枠の位置の補正(バウンディングボックス回帰)を、1つのネットワークで同時に学習します。
論文では、VGG16を使った場合、R-CNNに比べて学習が約9倍、テスト時の処理が約213倍速くなったと報告されています。精度も向上しました。
残った課題
候補領域は、まだ選択的探索で作っていました。この処理が、全体の速度を縛る部分として残りました。そこで、候補領域の抽出もニューラルネットワーク(RPN)で行うFaster R-CNNが登場します。
覚え方
「CNNは画像1枚につき1回、候補はRoIプーリングで切り出す」と覚えます。
G検定での出題
出題のされ方
R-CNN、Fast R-CNN、Faster R-CNNの順に何が改良されたか、特徴マップの共有とRoIプーリングの役割、候補領域の抽出に従来手法の選択的探索が残っている点が問われます。
混同しやすい用語
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| Fast R-CNNこのページの用語 | 画像全体から作った特徴マップを全候補領域で共有し、RoIプーリングで切り出すことで、R-CNNを高速にした物体検出モデル |
| Faster R-CNN | 候補領域の抽出もニューラルネットワーク(RPN)で行うようにして、検出を高速にした2段階型の物体検出モデル |
◯×チェック
次の文が正しいか、誤りかを選んでください。
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Fast R-CNNでは、候補領域の抽出は選択的探索(Selective Search)などの従来の手法で行い、ニューラルネットワークでは行わない。
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答え ◯ 正しい
候補領域の抽出までネットワーク(RPN)で行うようにしたのは、後継のFaster R-CNNです。Fast R-CNNでは、この抽出が速度の課題として残りました。
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Fast R-CNNは、分類にSVMを、枠の位置の補正に別の回帰モデルを使い、それぞれを順番に学習する多段階の方法をとる。
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答え × 誤り
それはR-CNNの方法です。Fast R-CNNは、クラスの分類と枠の位置の補正を、2つの誤差を足し合わせたマルチタスク損失で、1つのネットワークとして同時に学習します。
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RoIプーリングは、大きさがばらばらな候補領域の特徴を、決まった大きさの特徴にそろえて、後ろの全結合層に入力できるようにする処理である。
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答え ◯ 正しい
全結合層は決まった大きさの入力しか受け付けません。RoIプーリングは、特徴マップ上の候補領域を格子に区切り、各マスで最大値をとって大きさをそろえます。