1行定義
コーパスとは、文章や話し言葉を大量に集め、コンピュータで検索や分析ができるように整理した言語データのことです。
くわしく
コーパスは、言葉の使われ方を調べたり、AIに言葉を学ばせたりするために集めた、大量の文章や発話のデータです。英語のcorpusは、もとはラテン語で「体」を意味する語です。言語学では、分析のために集めた言葉の資料の全体を指します。
主な種類
- 生コーパス:文章をそのまま集めたもの。ラベルは付いていません。
- タグ付きコーパス:単語の品詞、文の構造、人名や地名などの情報を書き加えたもの。英語では、品詞と構文の情報を付けたPenn Treebankが知られています。
- 対訳コーパス:ある言語の文と、その翻訳文を対にして集めたもの。機械翻訳の学習に使います。
- 均衡コーパス:書籍、雑誌、新聞、ブログなどの媒体から、どれだけずつ集めるかをあらかじめ設計し、偏りを抑えたもの。国立国語研究所の現代日本語書き言葉均衡コーパス(BCCWJ)は、約1億語の規模です。
講演や会話を書き起こした、話し言葉のコーパスもあります。
AI開発での役割
統計的自然言語処理は、コーパスの中で単語が現れる回数や並び方を数え、確率として扱うことで発展しました。n-gramによる言語モデルや、対訳コーパスから訳し方を学ぶ統計的機械翻訳がその例です。word2vecのような単語の分散表現も、大量の文章から学習します。大規模言語モデルの事前学習では、Webから集めた膨大なテキストをコーパスとして使います。
注意点
コーパスの中身は、そのままモデルの知識と癖になります。特定の話題や文体に偏ったコーパスで学習すると、その偏りも学びます。Webから集めた文章には、誤った情報、差別的な表現、個人情報、他人の著作物も含まれます。そのため、品質によるふるい分けと、権利や個人情報への配慮が欠かせません。また、評価に使う問題が学習用のコーパスに紛れ込むと、性能を実力より高く見積もってしまいます。
覚え方
corpusは「体」。言葉を集めて1つの体にしたもの、と覚えます。
G検定での出題
出題のされ方
統計的自然言語処理や機械翻訳、大規模言語モデルの学習データとしての役割と、対訳コーパスやタグ付きコーパスなど種類ごとの用途の違いが問われます。
◯×チェック
次の文が正しいか、誤りかを選んでください。
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コーパスには、文章をそのまま集めたものだけでなく、単語の品詞などの情報を付け加えたタグ付きコーパスもある。
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答え ◯ 正しい
文章をそのまま集めたものを生コーパスと呼びます。タグ付きコーパスは、品詞の推定や構文解析などの学習と評価に使われます。
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大量の文章を集めたコーパスであれば、内容が特定の話題や文体に偏ることはないので、どの用途にもそのまま使える。
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答え × 誤り
量が多くても、集め方によって偏りは生じます。新聞だけ、Webだけといった集め方では話題や文体が偏るため、構成を設計して集める均衡コーパスもあります。
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国立国語研究所の現代日本語書き言葉均衡コーパス(BCCWJ)は、書籍や雑誌、新聞、ブログなど複数の媒体から、構成を設計して文章を集めたコーパスである。
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答え ◯ 正しい
約1億語の規模で、ジャンルごとに無作為にサンプルを抜き出しています。特定の媒体に偏らないよう設計した均衡コーパスの例です。