1行定義
αβ法とは、Mini-Max法の探索で、調べても選ぶ手が変わらないと分かった枝を省き、同じ結果をより少ない計算で得る方法のことです。
くわしく
αβ法は、Mini-Max法の探索を速くするための工夫です。Mini-Max法は、先読みする手数が増えると、調べる局面の数が爆発的に増えます。αβ法は、調べても最終的な判断が変わらないと分かった枝を、途中で探索から外します。これを枝刈りと呼びます。
枝刈りの例
自分の手番で、候補手が2つあるとします。1つ目の手を調べたところ、相手がどう応じても評価値5は確保できると分かりました。次に2つ目の手を調べると、相手の最初の応手で評価値が2になりました。相手は自分にとって最も不利な手を選ぶので、2つ目の手の価値は2以下に決まります。この時点で、2つ目の手は1つ目の手より劣ることが確定します。そのため、2つ目の手に対する相手の残りの応手は、調べる必要がありません。
αとβ
探索中は2つの値を持ち歩きます。αは、自分の側がすでに確保できている評価値の下限です。βは、相手の側がそれ以上は許さない評価値の上限です。調べている局面でαがβ以上になったら、その先は結果に影響しないので打ち切ります。
結果は変わらない
αβ法が省くのは、結論に影響しないと確定した枝だけです。そのため、選ばれる手と評価値はMini-Max法とまったく同じです。精度を犠牲にして速くする近似とは違います。
どれだけ省けるかは、手を調べる順番で変わります。有望な手から先に調べると枝刈りが多く起こります。理想的な順番なら、同じ時間でおよそ2倍の深さまで読めます。1975年には、ドナルド・クヌースとロナルド・ムーアがこの性質を詳しく解析した論文を発表しました。
覚え方
「結果は同じで、手間だけ減る」がαβ法の要点です。
G検定での出題
出題のされ方
Mini-Max法との関係として、枝刈りをしても選ばれる手や評価値は変わらない点が問われます。探索木の図を示して、調べずに済む枝を選ばせる形もあります。
混同しやすい用語
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| αβ法このページの用語 | Mini-Max法の探索で、調べても選ぶ手が変わらないと分かった枝を省き、同じ結果をより少ない計算で得る方法 |
| Mini-Max法 | 対戦ゲームで相手も最善の手を選ぶと仮定し、探索木の評価値を末端からさかのぼって自分の指す手を決める方法 |
◯×チェック
次の文が正しいか、誤りかを選んでください。
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αβ法のαは自分の側がすでに確保できている評価値の下限を、βは相手の側が許す評価値の上限を表す。
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答え ◯ 正しい
探索しながらαとβを更新し、αがβ以上になった時点で、その先の枝は結果に影響しないので調べるのをやめます。
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αβ法は、Mini-Max法と異なり、末端の局面の評価値を使わずに勝敗を予測する方法である。
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答え × 誤り
αβ法はMini-Max法の計算を省く工夫です。末端の局面の評価には、Mini-Max法と同じ評価値(評価関数)を使います。
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自分の手番で、1つ目の候補手の価値が5と確定した後、2つ目の候補手に対する相手の最初の応手が評価値7だった場合も、2つ目の候補手への残りの応手は調べずに省いてよい。
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答え × 誤り
2つ目の手の価値は7以下と分かるだけで、5より大きい可能性が残ります。残りの応手に5以下の値がないかを調べるまで、枝刈りはできません。
この用語の練習問題
出典
- G検定 試験出題範囲(シラバス2024)第1.4版 (技術分野 項目3 探索・推論)
- Donald E. Knuth, Ronald W. Moore, An Analysis of Alpha-Beta Pruning, Artificial Intelligence 6(4) (1975)
- Stuart Russell, Peter Norvig, Artificial Intelligence: A Modern Approach, 4th edition (Pearson) (Chapter 5 Adversarial Search and Games)