1行定義
SHRDLUとは、1968〜1970年にMITのウィノグラードが開発した、積み木の仮想世界について英語で指示や質問を受け、操作や応答を行うプログラムのことです。
くわしく
SHRDLUは、コンピュータが英語の文を理解して行動する仕組みを示した、初期の代表的なプログラムです。1968年から1970年にかけて、MITのテリー・ウィノグラードが開発しました。
積み木の世界
SHRDLUが扱うのは、テーブルの上に色や形の異なる積み木、ピラミッド、箱が置かれた「積み木の世界」です。この世界とロボットの手はコンピュータの中で模擬され、ディスプレイに表示されました。利用者が英語で指示や質問を打ち込むと、SHRDLUは文を解釈し、積み木を動かしたり、英語で答えたりしました。
できたこと
- 指示の実行:つかみたい積み木の上に別の物が載っていれば、先にそれをどかすといった手順を自ら計画しました。
- 文脈の理解:「それ」のような代名詞が、会話に出てきたどの物を指すかを判断しました。
- 新しい言葉の学習:利用者が定義した積み木の組の呼び名を覚えました。
- 理由の説明:なぜその操作をしたのかを問われると、受けた指示や途中の目的をたどって答えました。
文法、単語の意味、積み木の世界についての知識は、人がプログラムとして書き込んでいました。言葉の理解、推論、行動の計画を1つのシステムで結び付けた点が高く評価されました。
限界
SHRDLUがうまく動いたのは、扱う物や言葉が限られた小さな世界だったからです。現実世界には、物の種類や例外、常識が無数にあり、同じ仕組みをそのまま広げることはできませんでした。この限界は、探索・推論の研究に向けられた「トイ・プロブレムしか解けない」という批判と重なります。
入力文のパターンに合わせて決まった形の応答を返すELIZAとは違い、SHRDLUは積み木の世界の状態を内部にもち、それにもとづいて答えていました。行動計画の手法であるSTRIPSとは、英語での対話を中心に据えた点が異なります。
覚え方
「SHRDLUは積み木と対話、STRIPSは行動の計画」と覚えます。
G検定での出題
出題のされ方
積み木の世界という限られた環境で英語の指示を理解し、手順を計画して実行した点が問われます。STRIPSやELIZAとの取り違えや、トイ・プロブレムの限界との関係も問われます。
混同しやすい用語
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| SHRDLUこのページの用語 | 1968〜1970年にMITのウィノグラードが開発した、積み木の仮想世界について英語で指示や質問を受け、操作や応答を行うプログラム |
| イライザ(ELIZA) | 1960年代半ばにジョセフ・ワイゼンバウムが開発した、入力文のパターンに合わせて決まった形の応答を返す対話プログラム |
| STRIPS | 行動を前提条件と実行後の変化で記述し、初期状態から目標状態に至る行動の手順を自動で求める、1971年に発表されたプランニングの手法 |
◯×チェック
次の文が正しいか、誤りかを選んでください。
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SHRDLUは、会話の中で利用者が定義した新しい言葉を覚え、その後の質問や指示でその言葉を使うことができた。
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答え ◯ 正しい
たとえば、緑の立方体2つとピラミッド1つを積んだものを「steeple」と呼ぶと教えると、その言葉を使った質問に答えたり、同じものを組み立てたりできました。
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SHRDLUは、大量の会話の記録から単語の出現確率を学習することで、英語の文を理解していた。
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答え × 誤り
SHRDLUは、文法や単語の意味、積み木の世界の知識を、人がプログラムとして書き込んで動いていました。データから統計的に学ぶ方式ではありません。
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SHRDLUは、なぜその積み木を動かしたのかを問われると、受けた指示や途中の目的をたどって答えることができた。
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答え ◯ 正しい
自分の行動の履歴と目的を記憶していたためです。たとえば、ある積み木を動かした理由として、別の積み木の上を空けるためだったと答えられました。