1行定義
アルファ碁(AlphaGo)とは、DeepMind社が開発し、ディープラーニングと木探索を組み合わせて囲碁のトップ棋士に勝った囲碁AIのことです。
くわしく
アルファ碁(AlphaGo)は、人間の直感が必要とされてきた囲碁で、ディープラーニングがトップ棋士を超えたことを示した、象徴的な成果です。
なぜ囲碁は難しかったのか
囲碁は盤が19×19と広く、1手ごとに打てる場所が多いため、手順の組み合わせが膨大です。チェスでは1997年にIBMのディープ・ブルーが世界王者に勝ちましたが、同じように先を読む探索だけでは、囲碁では通用しませんでした。局面の有利・不利を数式で評価することも難しく、トップ棋士に勝つのはまだ先だと考えられていました。
仕組み
AlphaGoは、次の要素を組み合わせました。
- ポリシーネットワーク:盤面を画像のように入力し、次の一手の候補を確率で出す深層ニューラルネットワーク(CNN)です。人間の棋譜で教師あり学習したあと、自己対局による強化学習でさらに強くしました。
- バリューネットワーク:局面から、どちらが勝ちそうかを予測するネットワークです。
- モンテカルロ木探索:有望な手を中心に先を読み、ネットワークの評価や終局までのシミュレーションの結果を合わせて、打つ手を決めます。
主な成果
2015年10月、欧州王者の樊麾(ファン・フイ)に5戦全勝し、19路盤でハンディなしにプロ棋士に勝った初めてのプログラムとなりました。2016年3月には、世界トップ級の棋士である李世乭(イ・セドル)に4勝1敗で勝ち越しました。2017年5月には、中国のトップ棋士の柯潔にも3戦全勝しています。
後継のAI
2017年に発表されたAlphaGo Zeroは、人間の棋譜を使わず、自己対局だけで学習してAlphaGoを上回りました。2018年に論文が発表されたAlphaZeroは、同じ手法を囲碁・チェス・将棋のそれぞれに適用しました。
覚え方
「CNNで候補を絞り、木探索で読む」と覚えます。
G検定での出題
出題のされ方
2016年にトップ棋士に勝ったことのディープラーニング史上の意味、ニューラルネットワークと木探索の組み合わせ、人間の棋譜を使わないAlphaGo Zeroなど後継との違いが問われます。
◯×チェック
次の文が正しいか、誤りかを選んでください。
-
アルファ碁(AlphaGo)は2015年、欧州王者の樊麾(ファン・フイ)との対局に5戦全勝し、19路盤でハンディキャップなしにプロ棋士に勝った初めてのコンピュータ囲碁プログラムとなった。
答えを見る
答え ◯ 正しい
この結果は2016年1月にNature誌で発表されました。李世乭(イ・セドル)に勝ったのは、その後の2016年3月です。
-
アルファ碁(AlphaGo)は、すべての手順を終局まで調べ尽くす全数探索によって最善手を求めた。
答えを見る
答え × 誤り
囲碁は手順の数が膨大で、全数探索はできません。ニューラルネットワークで候補手を絞り、局面を評価しながら、モンテカルロ木探索で先を読みました。
-
チェスでは1997年にコンピュータが世界王者に勝ったが、囲碁でコンピュータがトップ棋士に勝つまでには、それから約20年かかった。
答えを見る
答え ◯ 正しい
IBMのディープ・ブルーがカスパロフに勝ったのが1997年、AlphaGoが李世乭に勝ったのが2016年です。囲碁は探索すべき手の数がチェスよりはるかに多いためです。
この用語の練習問題
出典
- G検定 試験出題範囲(シラバス2024)第1.4版 (技術分野 項目6 ディープラーニング)
- David Silver et al., Mastering the game of Go with deep neural networks and tree search, Nature 529, 484–489 (2016)
- David Silver et al., Mastering the game of Go without human knowledge, Nature 550, 354–359 (2017)
- David Silver et al., A general reinforcement learning algorithm that masters chess, shogi, and Go through self-play, Science 362(6419), 1140–1144 (2018)