1行定義
ニューラルネットワークとは、脳の神経細胞のつながりをヒントに、計算単位を層状につないで、データから入力と出力の関係を学習するモデルのことです。
くわしく
ニューラルネットワークは、脳の神経細胞(ニューロン)のつながりをヒントにした計算のモデルです。単純な計算をする多数の単位(ユニット)を層状につなぎ、データから入力と出力の関係を学習します。層を何層も重ねて深くしたものを使う手法が、ディープラーニングです。ただし、脳の仕組みを忠実に再現したものではありません。
基本の仕組み
各ユニットは、前の層から受け取った値にそれぞれ重みを掛けて足し合わせ、バイアスを加えます。その結果を活性化関数に通して、次の層へ渡します。式で書くと y = f(w1x1 + w2x2 + … + b) です。重みは、神経細胞どうしをつなぐシナプスでの信号の伝わりやすさに当たります。
ネットワークは、データを受け取る入力層、途中の計算を担う隠れ層、結果を出す出力層からなります。学習では、出力と正解のずれを誤差関数で測ります。次に誤差逆伝播法で各重みの勾配を求め、勾配降下法で重みを少しずつ更新します。
研究の歴史
- 1943年:マカロックとピッツが、神経細胞の働きを単純な計算に置き換えた形式ニューロンを提案。
- 1958年:ローゼンブラットが、データから重みを学習するパーセプトロンを発表。
- 1969年:ミンスキーとパパートが単純パーセプトロンの限界を示し、研究は一時下火に。
- 1986年:ラメルハートらが、誤差逆伝播法で多層のネットワークを学習できることを示す。
- 2006年:ヒントンらが、層ごとの事前学習で深いネットワークを学習する方法を示す。
データに合わせた構造
画像に強い畳み込みニューラルネットワーク(CNN)、時系列データを扱うリカレントニューラルネットワーク(RNN)、文章の処理で主流になったTransformerなど、扱うデータに合わせた構造が考案されています。どれも、重みを持つ層をつないで誤差逆伝播法で学習するという基本は共通です。
G検定での出題
- シラバス項目『ディープラーニング』の要点まとめ練習問題 8問技術6大項目:人工知能をめぐる動向
- シラバス項目『ニューラルネットワークとディープラーニング』の要点まとめ練習問題 7問技術11大項目:ディープラーニングの概要
- シラバス項目『畳み込み層』の要点まとめ練習問題 11問技術18大項目:ディープラーニングの要素技術
- シラバス項目『回帰結合層』の要点まとめ練習問題 13問技術22大項目:ディープラーニングの要素技術
出題のされ方
人間の神経回路との対応、パーセプトロンから多層化と誤差逆伝播法を経てディープラーニングに至る歴史、入力層・隠れ層・出力層や重み・活性化関数の役割、CNNやRNNなど構造の違いが問われます。
混同しやすい用語
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| ニューラルネットワークこのページの用語 | 脳の神経細胞のつながりをヒントに、計算単位を層状につないで、データから入力と出力の関係を学習するモデル |
| ディープラーニング | 多数の層を重ねたニューラルネットワークを使い、予測や判断に役立つ特徴をデータから自動で学習する機械学習の手法 |
◯×チェック
次の文が正しいか、誤りかを選んでください。
-
ニューラルネットワークは、2010年代に初めて考案された新しい手法である。
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答え × 誤り
起源は1943年の形式ニューロンや1958年のパーセプトロンにさかのぼります。2010年代に大きく広まったのは、層を深くしたディープラーニングです。
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1969年にミンスキーとパパートが単純パーセプトロンの限界を示したことは、ニューラルネットワークの研究が一時下火になる一因になったとされる。
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答え ◯ 正しい
単純パーセプトロンが線形分離できない問題を解けないことなどが示されました。研究が再び盛んになるのは、1980年代に誤差逆伝播法が広まってからです。
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CNNやRNNは、ニューラルネットワークとは別の系統の機械学習の手法である。
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答え × 誤り
CNNは画像、RNNは時系列データの扱いに合わせて構造を工夫したニューラルネットワークです。どちらも誤差逆伝播法で重みを学習します。
この用語の練習問題
出典
- G検定 試験出題範囲(シラバス2024)第1.4版 (技術分野 項目6 ディープラーニング)
- G検定 試験出題範囲(シラバス2024)第1.4版 (技術分野 項目11 ニューラルネットワークとディープラーニング)
- G検定 試験出題範囲(シラバス2024)第1.4版 (技術分野 項目18 畳み込み層)
- G検定 試験出題範囲(シラバス2024)第1.4版 (技術分野 項目22 回帰結合層)
- Warren S. McCulloch, Walter Pitts, A logical calculus of the ideas immanent in nervous activity, Bulletin of Mathematical Biophysics 5(4), 115–133 (1943)
- F. Rosenblatt, The perceptron: A probabilistic model for information storage and organization in the brain, Psychological Review 65(6), 386–408 (1958)
- Marvin Minsky, Seymour Papert, Perceptrons: An Introduction to Computational Geometry, MIT Press(初版1969年、2017年再刊)
- David E. Rumelhart, Geoffrey E. Hinton, Ronald J. Williams, Learning representations by back-propagating errors, Nature 323, 533–536 (1986)
- G. E. Hinton, R. R. Salakhutdinov, Reducing the Dimensionality of Data with Neural Networks, Science 313(5786), 504–507 (2006)