1行定義
多層パーセプトロンとは、入力層と出力層の間に隠れ層をもち、各層が前の層のすべてのユニットと結合した、順伝播型のニューラルネットワークのことです。
くわしく
多層パーセプトロン(MLP)は、ディープラーニングの土台となる基本的なニューラルネットワークです。データは入力層から隠れ層を通って出力層へ、一方向にだけ流れます。各層のユニットは、前の層のすべてのユニットと結合しています(全結合)。
単純パーセプトロンからの発展
1958年にローゼンブラットが提案したパーセプトロンは、入力に重みを掛けて足し、しきい値を超えたら1を出力するモデルです。入力層と出力層だけからなるこの単純パーセプトロンは、直線や平面で2つに分けられる問題、つまり線形分離可能な問題しか解けません。たとえば、2つの入力が異なるときだけ1を出すXORは解けません。1969年にミンスキーとパパートがこの限界を指摘しました。
入力層と出力層の間に隠れ層を加えると、この限界を越えられます。隠れ層が入力を別の表し方に変換し、出力層はその表現をもとに判断するからです。
非線形の活性化関数が必要な理由
隠れ層には、シグモイド関数やReLU関数のような非線形の活性化関数を使います。活性化関数が線形のままだと、何層重ねても全体は1つの線形変換と同じになり、隠れ層を増やす意味がなくなるからです。
シグモイド関数のような活性化関数を使えば、隠れ層が1層でも、ユニットを十分に増やすことで、限られた範囲の入力に対する連続関数を望む精度で近似できます。1989年に示されたこの性質を、万能近似定理(普遍性定理)と呼びます。
学習の方法
1986年にラメルハートらが誤差逆伝播法による学習を示し、多層のネットワークを効率よく学習できることが広く知られるようになりました。誤差逆伝播法は微分を使うので、しきい値の関数の代わりに、微分できる活性化関数を使います。
隠れ層を何層も重ねたものが、ディープラーニングで使うディープニューラルネットワークです。
覚え方
「層を重ねるだけでは足りない。非線形をはさんで初めて表現が広がる」と覚えます。
G検定での出題
出題のされ方
単純パーセプトロンとの違い(隠れ層と線形分離不可能な問題)、隠れ層に非線形の活性化関数が必要な理由、誤差逆伝播法による学習、入力層・隠れ層・出力層の役割が問われます。
混同しやすい用語
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 多層パーセプトロンこのページの用語 | 入力層と出力層の間に隠れ層をもち、各層が前の層のすべてのユニットと結合した、順伝播型のニューラルネットワーク |
| 単純パーセプトロン | 入力層と出力層だけからなり、入力の重み付き和がしきい値を超えるかどうかで1か0を出力する、最も基本的なニューラルネットワーク |
◯×チェック
次の文が正しいか、誤りかを選んでください。
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多層パーセプトロンでは、ある層の各ユニットが、前の層のすべてのユニットと結合した全結合の構造が基本である。
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答え ◯ 正しい
全結合層を重ねた構造です。画像の局所的な特徴を扱うCNNは、結合を近くの範囲に限る点が異なります。
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多層パーセプトロンは、ある時刻の隠れ層の出力を次の時刻の入力に戻す、ループのある構造をもつ。
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答え × 誤り
多層パーセプトロンは、入力から出力へ一方向に流れる順伝播型です。出力を次の時刻に戻すループをもつのはRNNです。
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シグモイド関数のような非線形の活性化関数を使えば、隠れ層が1層でも、ユニット数を十分に増やすことで、限られた範囲の入力に対する連続関数を望む精度で近似できる。
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答え ◯ 正しい
1989年に示された万能近似定理(普遍性定理)の内容です。ただし、必要なユニット数が非常に多くなる場合があります。
この用語の練習問題
出典
- G検定 試験出題範囲(シラバス2024)第1.4版 (技術分野 項目11 ニューラルネットワークとディープラーニング)
- Frank Rosenblatt, The perceptron: A probabilistic model for information storage and organization in the brain, Psychological Review 65(6), 386–408 (1958)
- David E. Rumelhart, Geoffrey E. Hinton, Ronald J. Williams, Learning representations by back-propagating errors, Nature 323, 533–536 (1986)
- Kurt Hornik, Maxwell Stinchcombe, Halbert White, Multilayer feedforward networks are universal approximators, Neural Networks 2(5), 359–366 (1989)
- Ian Goodfellow, Yoshua Bengio, Aaron Courville, Deep Learning, MIT Press (2016) (6 Deep Feedforward Networks)