1行定義
ネオコグニトロンとは、福島邦彦が提唱した、視覚野の神経細胞をまねて特徴の抽出と位置ずれの吸収を繰り返す、CNNの原型とされる神経回路モデルのことです。
くわしく
ネオコグニトロンは、福島邦彦が提唱した、画像のパターンを認識するための神経回路モデルです。英語の論文は1980年に発表されました。今日の畳み込みニューラルネットワーク(CNN)の原型とされます。
仕組み
手本にしたのは、動物の視覚野についての神経科学の研究です。視覚野には、特定の向きの線などに反応する単純型細胞と、その線の位置が多少ずれても反応する複雑型細胞があることが知られていました。ネオコグニトロンはこれをまね、2種類の層を交互に重ねます。
- S細胞層:入力の狭い範囲から、線の向きや角などの特徴を取り出す。
- C細胞層:近くにあるS細胞の出力をまとめ、位置の小さなずれを吸収する。
層を重ねるほど、単純な特徴から複雑な形へと、段階的に組み立てられます。そのため、文字の位置が少しずれたり、形がゆがんだりしても、同じ文字として認識できます。S細胞層は畳み込み層に、C細胞層はプーリング層に近い役割です。
LeNetとの違い
構造はCNNとよく似ていますが、学習の方法が異なります。1980年のネオコグニトロンは、正解ラベルを使わず、パターンを繰り返し見せるだけで特徴を獲得する自己組織化によって学習しました。一方、ヤン・ルカンらのLeNetは、誤差逆伝播法を使い、正解との誤差が小さくなるように重みを学習します。
「構造は似ているが、学習方法が違う」という点が、両者を見分けるポイントです。この流れの先に、2012年のILSVRCで注目されたAlexNetがあります。
覚え方
S細胞は単純型(Simple)細胞、C細胞は複雑型(Complex)細胞の頭文字と覚えます。
G検定での出題
出題のされ方
CNNの原型とされること、特徴を取り出すS細胞層と位置ずれを吸収するC細胞層を交互に重ねる構造、誤差逆伝播法ではなく自己組織化で学習する点でLeNetと異なることが問われます。
混同しやすい用語
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| ネオコグニトロンこのページの用語 | 福島邦彦が提唱した、視覚野の神経細胞をまねて特徴の抽出と位置ずれの吸収を繰り返す、CNNの原型とされる神経回路モデル |
| LeNet | ヤン・ルカンらが開発した、畳み込み層とサブサンプリング層を重ねて誤差逆伝播法で学習する、初期の代表的なCNN |
◯×チェック
次の文が正しいか、誤りかを選んでください。
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ネオコグニトロンのS細胞層はCNNの畳み込み層に、C細胞層はプーリング層に、おおむね対応する役割をもつ。
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答え ◯ 正しい
S細胞は入力の狭い範囲から特徴を取り出し、C細胞は近くのS細胞の出力をまとめて、位置の小さなずれを吸収します。
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ネオコグニトロンは、2012年のILSVRCでAlexNetが優勝したことを受けて、その構造を簡略化したモデルとして提案された。
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答え × 誤り
ネオコグニトロンの論文は1980年に発表されており、AlexNetより30年以上前です。CNNの研究は、この頃から積み重ねられてきました。
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ネオコグニトロンは、入力された図形の位置が少しずれたり、形が多少ゆがんだりしても、同じ図形として認識できることを目指したモデルである。
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答え ◯ 正しい
1980年の論文の題名にも、位置のずれに影響されないパターン認識の仕組みであることが示されています。
この用語の練習問題
出典
- G検定 試験出題範囲(シラバス2024)第1.4版 (技術分野 項目6 ディープラーニング)
- Kunihiko Fukushima, Neocognitron: A self-organizing neural network model for a mechanism of pattern recognition unaffected by shift in position, Biological Cybernetics 36(4), 193–202 (1980)
- Y. LeCun, B. Boser, J. S. Denker et al., Backpropagation Applied to Handwritten Zip Code Recognition, Neural Computation 1(4), 541–551 (1989)