1行定義
代表値(平均値・中央値・最頻値)とは、データの分布の中心がどのあたりにあるかを、1つの数で要約して表す値のことです。
くわしく
代表値は、たくさんのデータを「だいたいこのくらい」と1つの数で要約する値です。よく使われるのは平均値、中央値、最頻値の3つです。どれも中心を表しますが、求め方が違うので、データによっては大きく食い違います。
3つの求め方
- 平均値:すべての値を足して、データの個数で割ります。
- 中央値:値を小さい順に並べたときの、真ん中の値です。個数が偶数のときは、真ん中の2つの値の平均をとります。
- 最頻値:最も多く現れる値です。度数分布表では、度数が最も多い階級の階級値を使います。
計算例
ある部署の6人の通勤時間(分)が、10、15、15、20、25、35だったとします。平均値は、合計120を6で割って20分です。中央値は3番目と4番目の平均で、(15 + 20) ÷ 2 = 17.5分です。最頻値は、2回現れる15分です。
ここに、遠方から通う人の125分が加わったとします。7人の合計は245なので、平均値は35分に上がります。中央値は4番目の20分になり、最頻値は15分のままです。極端な値1つで、平均値だけが大きく動きました。
使い分け
平均値はすべての値の大きさを使うため、外れ値に引っぱられやすい性質があります。年収のように一部に極端に大きな値がある分布では、中央値のほうが典型的な値に近くなります。最頻値は、靴のサイズのように「最も多いもの」を知りたいときに向きます。ただし、1つに決まらないこともあります。
左右対称で山が1つの分布では、3つの値は一致します。右に長く裾を引く分布では、平均値が中央値より大きくなるのが典型的です。
機械学習とのつながり
欠損値を平均値や中央値で埋める前処理がよく使われます。また、すべてのデータを1つの定数で予測するとき、平均二乗誤差は平均値で、平均絶対値誤差は中央値で最小になります。損失関数の選び方が、外れ値への強さにつながる理由の1つです。
G検定での出題
出題のされ方
少数のデータや度数分布表から3つの値を求める計算と、外れ値や分布の偏りがあるときに、どの代表値が影響を受けやすいかという性質の違いが問われます。
混同しやすい用語
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 代表値(平均値・中央値・最頻値)このページの用語 | データの分布の中心がどのあたりにあるかを、1つの数で要約して表す値 |
| 期待値 | 確率変数がとりうる値を、それぞれが起こる確率で重みづけして平均した値で、くり返したときの平均的な結果を表すもの |
◯×チェック
次の文が正しいか、誤りかを選んでください。
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データの個数が偶数のときの中央値は、小さい順に並べたときの真ん中の2つの値のうち、小さいほうの値とする。
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答え × 誤り
真ん中の2つの値の平均をとります。たとえば1、3、5、9なら、中央値は(3 + 5) ÷ 2 = 4です。
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最頻値は、データによっては2つ以上になることがある。
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答え ◯ 正しい
たとえば2、2、5、7、7では、2と7が2回ずつ現れるため、最頻値は2と7の2つです。
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年収のように一部に極端に大きな値を含むデータでは、平均値は中央値よりも外れ値の影響を受けにくい。
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答え × 誤り
逆です。平均値はすべての値の大きさを使うため、極端な値に引っぱられます。中央値は順位で決まるので、影響を受けにくい代表値です。
この用語の練習問題
出典
- G検定 試験出題範囲(シラバス2024)第1.4版 (技術分野 項目37 AIに必要な数理・統計知識)
- 総務省統計局, なるほど統計学園「中心的な傾向を捉える」
- NIST/SEMATECH e-Handbook of Statistical Methods (1.3.5.1 Measures of Location)