1行定義
確率変数とは、サイコロの出る目のように、試行の結果によって値が決まり、どの値(または値の範囲)をとるかの確率が定まっている変数のことです。
くわしく
確率変数は、やってみるまで値はわからないものの、どの値がどのくらいの確率で出るかは決まっている量です。サイコロを振って出る目、1日に来る客の数、明日の最高気温などが例です。数学的には、試行の結果の1つ1つに数値を対応させる関数として定義されます。ふつうは大文字のXで確率変数そのものを、小文字のxでそれがとる具体的な値を表します。
計算例
コインを2回投げて、表が出る回数をXとします。結果は「表表」「表裏」「裏表」「裏裏」の4通りで、どれも確率は1/4です。Xの値ごとの確率は次のとおりです。
- X = 0(裏裏):1/4
- X = 1(表裏、裏表):2/4 = 1/2
- X = 2(表表):1/4
合計は1/4 + 1/2 + 1/4 = 1です。このように、確率変数の値ごとに確率を割り当てたものを確率分布と呼びます。
離散型と連続型
- 離散型:とる値が0、1、2…のように飛び飛びで、数え上げられるものです。来店客数や不良品の個数などが当たります。値ごとに確率を考えます。
- 連続型:身長や待ち時間のように、ある範囲のどんな値もとりうるものです。ちょうど1点の値をとる確率は0になるため、「170cm以上171cm未満」のように区間で確率を考えます。その計算には確率密度を使います。
どちらの型かによって、確率の表し方や期待値の求め方が変わります。離散型では値と確率の積を足し合わせ、連続型では積分を使います。
AIとの関係
機械学習では、データやモデルの出力を確率変数とみなして扱います。たとえば画像の分類モデルは、正解のクラスを確率変数とみなし、犬である確率、猫である確率といった値を出力します。生成モデルは、画像や文章を確率変数とみなし、その確率分布を学んで新しいデータを作ります。強化学習では、行動の結果として得る報酬も確率変数として扱います。
覚え方
「値は運しだい、確率は決まっている変数」と覚えます。
G検定での出題
出題のされ方
離散型と連続型の区別とその例、確率変数と確率分布・確率密度・期待値との関係が、分布の選択や期待値の計算の前提として問われます。
◯×チェック
次の文が正しいか、誤りかを選んでください。
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コインを2回投げて表が出る回数をXとすると、Xが1になる確率は1/2である。
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答え ◯ 正しい
4通りの結果のうち、表裏と裏表の2通りがX = 1にあたるので、2/4 = 1/2です。X = 0とX = 2は、それぞれ1/4です。
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身長や待ち時間のように、ある範囲のどんな値もとりうる量は、確率変数として扱うことができない。
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答え × 誤り
連続型の確率変数として扱えます。値ごとではなく区間ごとに確率を考え、その計算に確率密度関数を使います。
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1日に店に来る客の人数は、0、1、2…と飛び飛びの値をとるので、離散型の確率変数として扱える。
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答え ◯ 正しい
数え上げられる値をとる量は離散型です。一定時間に起きる回数のデータは、ポアソン分布で表すことがあります。
この用語の練習問題
出典
- G検定 試験出題範囲(シラバス2024)第1.4版 (技術分野 項目37 AIに必要な数理・統計知識)
- Barbara Illowsky, Susan Dean, Introductory Statistics 2e, OpenStax (Chapter 4 Introduction(Discrete Random Variables))
- Barbara Illowsky, Susan Dean, Introductory Statistics 2e, OpenStax (5.1 Continuous Probability Functions)