1行定義
標準偏差とは、データが平均からどの程度ばらついているかを表す値で、分散の正の平方根として求めるもののことです。
くわしく
標準偏差は、データのばらつきの大きさを1つの数で表す値です。記号ではσ(シグマ)やsで表します。平均が同じでも、値が平均の近くに集まっているデータは標準偏差が小さく、広く散らばっているデータは大きくなります。
計算の手順
- 平均を求めます。
- 各データから平均を引いて、偏差を求めます。
- 偏差を2乗して平均します。これが分散です。
- 分散の正の平方根をとります。これが標準偏差です。
たとえば4個のデータ5、11、11、13では、平均は10です。偏差は−5、1、1、3で、2乗すると25、1、1、9です。合計36を4で割った分散は9、標準偏差は√9 = 3です。
分散との違い
分散は偏差を2乗するため、単位も2乗になります(cmならcm²)。標準偏差は平方根をとるので、元のデータと同じ単位に戻ります。そのため、「平均から何cmくらい離れているか」と直感的に読めます。
使われる場面
- 正規分布では、平均±1標準偏差に約68%、±2標準偏差に約95%のデータが入ります。
- 値から平均を引いて標準偏差で割る標準化(
z = (x − 平均) / 標準偏差)で、単位や大きさの違う特徴量をそろえられます。機械学習の前処理や、バッチ正規化で使われます。 - 相関係数は、共分散を2つの変数の標準偏差の積で割って求めます。
nで割るか、n−1で割るか
手元のデータ全体のばらつきを表すときは、データの個数nで割ります。標本から母集団のばらつきを推定するときは、n−1で割った不偏分散の平方根を使うことが多くあります。計算問題では、どちらで割るよう指示されているかを確認します。
覚え方
「分散のルートをとると、単位が元に戻る」と覚えます。
G検定での出題
出題のされ方
偏差の2乗の平均(分散)の平方根をとる計算手順、元のデータと同じ単位になる性質、正規分布での±1σ・±2σの目安、標準化や相関係数での使われ方が問われます。
◯×チェック
次の文が正しいか、誤りかを選んでください。
-
データのすべての値に同じ数を足しても、標準偏差は変わらない。
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答え ◯ 正しい
全体が平行移動するだけで、平均からの離れ具合は変わらないためです。平均だけが、足した数の分だけ大きくなります。
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データのすべての値を2倍にすると、標準偏差は4倍になる。
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答え × 誤り
標準偏差は2倍になります。4倍になるのは分散です。分散は偏差を2乗するため、倍率も2乗で効きます。
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標本から母集団の標準偏差を推定するときは、偏差の2乗の和をデータの個数nではなくn−1で割った不偏分散をもとにすることが多い。
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答え ◯ 正しい
標本の平均は標本自体に近い値をとるため、nで割ると母集団のばらつきを小さく見積もりがちです。n−1で割って補正します。
この用語の練習問題
出典
- G検定 試験出題範囲(シラバス2024)第1.4版 (技術分野 項目37 AIに必要な数理・統計知識)
- NIST/SEMATECH e-Handbook of Statistical Methods (1.3.5.6 Measures of Scale)