1行定義
疑似相関とは、2つの変数の間に直接の因果関係がないのに、両方に影響する第3の変数などによって相関が生じ、因果関係があるように見える現象のことです。
くわしく
疑似相関は、2つの変数のあいだに相関が見えても、一方がもう一方の原因になっているわけではない状態を指します。見せかけの相関とも呼ばれます。データ分析で「相関があるから効果がある」と早合点しないための、大切な考え方です。
なぜ起きるのか
代表的なのは、2つの変数の両方に影響する第3の変数がある場合です。この第3の変数を、交絡因子(交絡変数)といいます。
たとえば、ある市の月別データで、ビアガーデンの来客数とプールの利用者数に強い正の相関があったとします。ビアガーデンの客がプールに行くわけではありません。気温が高い月ほど、どちらも増えているだけです。この場合、気温が交絡因子です。
ある国のスマートフォンの契約数と、遠く離れた別の国の人口のように、どちらも年々増えている2つの量も、直接の関係がなくても相関しやすくなります。この場合は、時間の経過が第3の変数の役割をしています。
見分け方と対処
- 交絡因子の候補を考え、その影響を取り除いた偏相関係数を求めます。
- 気温が同じくらいの日だけで比べるなど、条件をそろえて分析します。
- 可能なら、A/Bテストのように施策をランダムに割り当てる実験で、因果関係を確かめます。
相関係数の値が大きいことは、疑似相関でないことの証明になりません。
機械学習での注意
機械学習のモデルは、データの中の相関を手がかりに予測します。そのため、学習データにたまたま含まれていた疑似相関を学んでしまうことがあります。たとえば、学習用の写真でオオカミの多くが雪の中に写っていると、モデルが動物ではなく雪を手がかりに判定するようになることがあります。このようなモデルは、条件の違う現場のデータで精度が落ちます。
覚え方
「2つが同じ動きをしたら、裏で両方を動かす第3の変数を疑う」と覚えます。
G検定での出題
出題のされ方
データに見られた相関を因果関係と解釈してよいかを判断する場面で問われます。両方に影響する第3の変数(交絡因子)の見つけ方や、偏相関係数でその影響を除く方法も問われます。
◯×チェック
次の文が正しいか、誤りかを選んでください。
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小学1〜6年生の全児童を対象に調べたところ、足のサイズと漢字テストの点数に正の相関が見られた。この相関は、学年という第3の変数が両方に影響して生じている可能性が高い。
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答え ◯ 正しい
学年が上がると、足が大きくなり、習った漢字も増えます。同じ学年の中だけで比べるなどして、学年の影響を除いて確かめます。
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相関係数が0.9以上と十分に大きければ、疑似相関である可能性は考えなくてよい。
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答え × 誤り
疑似相関でも、相関係数が大きくなることはあります。値の大きさではなく、第3の変数の有無やデータの集め方を検討して判断します。
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A/Bテストのように施策を対象にランダムに割り当てると、第3の変数の影響を受けにくくなり、因果関係を確かめやすくなる。
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答え ◯ 正しい
ランダムに割り当てると、第3の変数の偏りが両グループで平均的にそろいます。そのため、結果の差を施策の効果とみなしやすくなります。