1行定義
偏相関係数とは、2つの変数の両方に影響する第3の変数の影響を取り除いたうえで、2つの変数の間に残る相関の強さを表す値のことです。
くわしく
偏相関係数は、「見かけの相関」と「本当に残る相関」を分けるための指標です。
たとえば、アイスクリームの売上と水難事故の件数には、正の相関が見られることがあります。しかし両方とも、気温が高い日に増えるだけかもしれません。このように、第3の変数が2つの変数に影響して生まれる相関を、疑似相関といいます。偏相関係数は、気温の影響を取り除いたあとで、売上と事故件数の間にまだ相関が残るかを調べます。
求め方の考え方
変数XとYについて、第3の変数Zの影響を除きたいとします。まず、XをZから予測できる部分と、予測できない残り(残差)に分けます。Yも同じように分けます。そして、2つの残差どうしの相関係数を求めます。これが、Zを制御したときのXとYの偏相関係数です。
3つの変数どうしの相関係数がわかっていれば、次の式でも計算できます。
r(XY・Z) = (r(XY) − r(XZ) × r(YZ)) / √((1 − r(XZ)²) × (1 − r(YZ)²))
計算例
r(XY) = 0.8、r(XZ) = 0.9、r(YZ) = 0.9とします。分子は0.8 − 0.81 = −0.01です。分母は√(0.19 × 0.19) = 0.19です。偏相関係数は約−0.05となり、0.8あった相関がほぼ消えます。XとYの相関は、ほとんどがZを通じたものだったとわかります。
注意点
値の範囲は、相関係数と同じく−1から1です。取り除けるのは、分析に含めた変数の、直線的な影響だけです。測っていない変数が影響している可能性は残ります。そのため、偏相関係数が大きくても、因果関係があるとまでは言えません。
覚え方
「第3の変数をそろえても、まだ相関は残るか」を測る値と覚えます。
G検定での出題
出題のされ方
疑似相関が疑われる場面で、第3の変数の影響を除いて関係を確かめる手段として選ばせる形が中心です。相関係数や共分散との違いも問われます。
混同しやすい用語
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 偏相関係数このページの用語 | 2つの変数の両方に影響する第3の変数の影響を取り除いたうえで、2つの変数の間に残る相関の強さを表す値 |
| 相関係数 | 2つの変数の間にある直線的な関係の強さと向きを、−1から1までの値で表す指標 |
◯×チェック
次の文が正しいか、誤りかを選んでください。
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2つの変数の相関係数が0.8と高くても、第3の変数の影響を取り除いた偏相関係数は0に近くなることがある。
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答え ◯ 正しい
2つの変数の相関が、ほとんど第3の変数を通じて生まれていた場合です。疑似相関を見抜く手がかりになります。
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変数XとYの偏相関係数は、XとYの相関係数から、Xと第3の変数Zとの相関係数を引くだけで求められる。
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答え × 誤り
XとZ、YとZの相関係数の積を引いたうえで、Zで説明できない部分の大きさで割って求めます。単純な引き算ではありません。
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第3の変数の影響を取り除いた偏相関係数が大きければ、2つの変数の間には必ず因果関係がある。
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答え × 誤り
取り除けるのは分析に含めた変数の影響だけです。測っていない別の変数が影響している可能性は残るため、因果関係までは言えません。