1行定義
外れ値とは、入力の誤りやまれな出来事などによって、ほかの大多数の値から大きく離れた位置に現れる値のことです。
くわしく
外れ値は、データの中で、ほかと比べて明らかに飛び離れた値です。センサーの故障や入力ミスで生じることもあれば、大型セールの日の売上のように、実際に起きたまれな出来事を表すこともあります。
外れ値が与える影響
外れ値は、平均値や標準偏差のように、すべての値の大きさを使う統計量を大きく動かします。たとえば、温度センサーの5回の値が20、21、22、23、24なら、平均値は22℃です。最後の値が入力ミスで64になると、合計150を5で割って、平均値は30℃になります。中央値は、どちらの場合も22℃で変わりません。
機械学習でも同じことが起きます。平均二乗誤差は誤差を2乗するので、誤差2は4ですが、誤差10は100になります。一部の外れ値が損失の大半を占め、モデルがそれに合わせようとしてゆがむことがあります。k-means法の重心や相関係数も、外れ値に引っぱられます。
見つけ方
- グラフで見る:ヒストグラム、箱ひげ図、散布図で、飛び離れた点を確かめます。
- 標準偏差を使う:平均から標準偏差の3倍以上離れた値を候補にします。ただし、外れ値自体が平均と標準偏差を押し上げるため、見逃しが起きることがあります。
- 四分位範囲を使う:第3四分位数と第1四分位数の差(IQR)を求め、第1四分位数から下へ、または第3四分位数から上へ、1.5×IQRを超えて離れた値を候補にします。順位にもとづくので、外れ値の影響を受けにくい方法です。
扱い方
見つけた外れ値を機械的に消すのは避け、まず原因を確かめます。記録の誤りなら、修正するか除きます。実際に起きた出来事なら、予測したい対象に含まれるかどうかで、残すかを決めます。ほかに、上限と下限で値を抑える方法や、外れ値の影響を受けにくい中央値や平均絶対値誤差を使う方法もあります。
なお、異常検知では、外れ値は捨てるものではなく、見つけ出す対象そのものです。
G検定での出題
出題のされ方
平均値や標準偏差、相関係数、二乗誤差が外れ値に引っぱられやすい性質と、四分位範囲などを使った見つけ方、原因を確かめてから削除や修正を決める扱い方が問われます。
◯×チェック
次の文が正しいか、誤りかを選んでください。
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製造設備のセンサーデータから故障の兆候を見つける異常検知では、外れ値そのものが検出したい対象になる。
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答え ◯ 正しい
外れ値は前処理で取り除くものとは限りません。異常検知では、通常のデータから大きく離れた値を見つけること自体が目的です。
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外れ値を判定する基準は1つに決まっており、どのデータでも、平均から標準偏差の2倍以上離れた値を外れ値とする。
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答え × 誤り
判定の基準は、目的とデータに応じて選びます。平均から標準偏差の3倍以上離れた値とする方法、四分位範囲(IQR)の1.5倍を使う方法、グラフで確かめる方法など、複数の方法があります。
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5個の値1、2、3、4、5のうち、最大値の5を500に置き換えても、中央値は3のままである。
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答え ◯ 正しい
中央値は真ん中の順位の値で決まり、両端の値の大きさは関係しません。一方、平均値は3から(1 + 2 + 3 + 4 + 500) ÷ 5 = 102に変わります。
この用語の練習問題
出典
- G検定 試験出題範囲(シラバス2024)第1.4版 (技術分野 項目37 AIに必要な数理・統計知識)
- NIST/SEMATECH e-Handbook of Statistical Methods (1.3.5.17 Detection of Outliers)