1行定義
ベルヌーイ分布とは、成功か失敗かのように結果が2通りしかない試行を1回だけ行うとき、成功を1、失敗を0とした確率変数が従う確率分布のことです。
くわしく
ベルヌーイ分布は、「当たりか外れか」「使うか使わないか」のように、結果が2通りしかない出来事を1回だけ観察するときの確率分布です。スイスの数学者ヤコブ・ベルヌーイにちなんで名づけられました。離散型の確率分布の中で、最も基本的なものの1つです。
式と計算例
成功を1、失敗を0で表し、成功の確率をpとします。するとP(X = 1) = p、P(X = 0) = 1 − pです。まとめてP(X = x) = p^x × (1 − p)^(1 − x)(xは0か1)とも書けます。
期待値はp、分散はp(1 − p)です。たとえば、クーポンを受け取った客がそれを使う確率を0.3とします。期待値は1 × 0.3 + 0 × 0.7 = 0.3、分散は0.3 × 0.7 = 0.21です。分散はpが0.5のときに最大の0.25となり、pが0か1に近いほど0に近づきます。結果を予想しにくいほど、ばらつきが大きくなるということです。
二項分布との関係
成功確率が同じで、互いに独立なベルヌーイ試行をn回くり返したとき、成功の回数は二項分布に従います。逆にいえば、ベルヌーイ分布は二項分布でn = 1とした特別な場合です。1人の客がクーポンを使うかどうかはベルヌーイ分布、100人のうち何人が使うかは二項分布、と使い分けます。
機械学習での使われ方
2値分類の正解ラベルは、0か1をとるベルヌーイ分布に従うとみなせます。ロジスティック回帰や、出力にシグモイド関数を使うニューラルネットワークは、このpを予測しています。2値分類でよく使う交差エントロピー−{y log p + (1 − y) log(1 − p)}は、ベルヌーイ分布の対数尤度の符号を反転したものです。そのため、交差エントロピーを小さくする学習は、最尤法と同じ考え方になります。
覚え方
「1回きりの、0か1か」と覚えます。
G検定での出題
出題のされ方
結果が2通りの試行を1回だけ行うときの分布であること、期待値pと分散p(1 − p)、同じ試行をくり返したときの成功回数が二項分布に従う関係、身近な現象と分布の対応づけが問われます。
混同しやすい用語
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| ベルヌーイ分布このページの用語 | 成功か失敗かのように結果が2通りしかない試行を1回だけ行うとき、成功を1、失敗を0とした確率変数が従う確率分布 |
| 二項分布 | 成功確率が一定で互いに独立な試行をn回くり返したとき、成功する回数が従う離散型の確率分布 |
◯×チェック
次の文が正しいか、誤りかを選んでください。
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ベルヌーイ分布に従う確率変数の期待値は、成功確率pに等しい。
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答え ◯ 正しい
成功を1、失敗を0とするので、期待値は1 × p + 0 × (1 − p) = pです。成功確率がそのまま平均になります。
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ベルヌーイ分布の分散p(1 − p)は、成功確率pが0.5のときに最大になる。
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答え ◯ 正しい
p = 0.5なら0.5 × 0.5 = 0.25です。p = 0.1なら0.1 × 0.9 = 0.09と小さくなります。結果が最も予想しにくいとき、ばらつきが最大になります。
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サイコロを1回振って出た目(1〜6)を表す確率変数は、ベルヌーイ分布に従う。
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答え × 誤り
ベルヌーイ分布は、結果が2通りの場合の分布です。出た目は6通りあるので当てはまりません。「1の目が出るかどうか」に置き換えれば、公正なサイコロではp = 1/6のベルヌーイ分布になります。
この用語の練習問題
出典
- G検定 試験出題範囲(シラバス2024)第1.4版 (技術分野 項目37 AIに必要な数理・統計知識)
- Ian Goodfellow, Yoshua Bengio, Aaron Courville, Deep Learning, MIT Press (2016) (3.9.1 Bernoulli Distribution)
- SciPy API Reference, scipy.stats.bernoulli