1行定義
確率分布とは、確率変数がとりうる値(連続型では値の範囲)ごとに、その起こりやすさがどう割り当てられているかを表したもののことです。
くわしく
確率分布は、「どの値がどのくらい出やすいか」の全体像です。確率変数1つごとに、1つの確率分布が対応します。実際に集めたデータの散らばりを数えた度数分布に対し、確率分布は、値の起こりやすさを確率で表した理論上の分布です。
離散型と連続型
離散型の確率分布は、値ごとの確率で表します。この対応を表す関数を確率質量関数と呼び、すべての値の確率を足すと1になります。連続型の確率分布は確率密度関数で表し、ある区間に入る確率は、グラフの下の面積で求めます。全体の面積は1です。
計算例
ある商品が1日に売れる個数Xの分布を、0個が0.1、1個が0.6、2個が0.3と見積もったとします。合計は0.1 + 0.6 + 0.3 = 1です。1個以上売れる確率は0.6 + 0.3 = 0.9で、1 − 0.1としても求まります。
主な確率分布
- ベルヌーイ分布:成功か失敗かの、1回だけの試行。
- 二項分布:成功確率が一定の試行をn回くり返したときの、成功の回数。
- ポアソン分布:一定の時間や範囲の中で、まれな出来事が起きる回数。
- 一様分布:どの値も同じ起こりやすさ。公正なサイコロの目は、離散型の例です。
- 正規分布:平均を中心に、左右対称の釣り鐘型をした連続型の分布。
AIとの関係
機械学習の多くは、確率分布の考え方の上に成り立っています。分類モデルでは、ソフトマックス関数が出力を「犬0.7、猫0.2、鳥0.1」のような、クラスごとの確率分布に変えます。言語モデルは、次に来る単語の確率分布を出力します。VAEやGAN、拡散モデルなどの生成モデルは、データが従う確率分布を学習し、それに沿った新しいデータを作ります。
2つの確率分布の違いを測る量に、カルバック・ライブラー情報量(KL)があります。分類の学習で交差エントロピーを小さくすることは、正解の分布とモデルが出力した分布のKLを小さくすることにあたります。
G検定での出題
出題のされ方
離散型と連続型の区別、ベルヌーイ分布・二項分布・ポアソン分布・正規分布をどの現象に当てはめるか、ソフトマックス関数の出力や生成モデルとの関係が問われます。
混同しやすい用語
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 確率分布このページの用語 | 確率変数がとりうる値(連続型では値の範囲)ごとに、その起こりやすさがどう割り当てられているかを表したもの |
| 度数分布 | データの値をいくつかの区間(階級)に分け、それぞれの区間に入るデータの個数を数えて、値の散らばり方を示したもの |
◯×チェック
次の文が正しいか、誤りかを選んでください。
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離散型の確率分布では、確率変数がとりうるすべての値の確率を合計すると1になる。
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答え ◯ 正しい
どれか1つの値は必ず起きるためです。たとえば0個が0.1、1個が0.6、2個が0.3なら、合計は1です。
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確率分布は、確率変数のとる値が有限個の場合にしか考えることができない。
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答え × 誤り
ポアソン分布のように0、1、2…と値が限りなく続く場合や、正規分布のような連続型の場合にも、確率分布を考えられます。
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言語モデルは、それまでの文脈をもとに、次に来る単語の確率分布を出力するモデルとみなせる。
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答え ◯ 正しい
出力された分布から確率の高い単語を選んだり、確率に従って単語を選んだりして、文章を作ります。
この用語の練習問題
出典
- G検定 試験出題範囲(シラバス2024)第1.4版 (技術分野 項目37 AIに必要な数理・統計知識)
- NIST/SEMATECH e-Handbook of Statistical Methods (1.3.6.1 What is a Probability Distribution)