1行定義
相関係数とは、2つの変数の間にある直線的な関係の強さと向きを、−1から1までの値で表す指標のことです。
くわしく
相関係数は、2つの変数に「一方が大きいほど、もう一方も大きい(または小さい)」という関係がどれだけ強くあるかを表す数値です。ふつうは、ピアソンの積率相関係数を指します。
求め方
まず共分散を求めます。共分散は、一方が平均より大きいとき、もう一方も平均より大きい(または小さい)傾向がどれだけあるかを表す値です。共分散は、単位や値の大きさに左右されます。そのままでは、関係の強さを比べられません。そこで、それぞれの標準偏差で割ります。式はr = 共分散 / (xの標準偏差 × yの標準偏差)です。この正規化によって、値は必ず−1から1の範囲に収まり、単位を変えても値は変わりません。
値の読み方
- 1に近い:右上がりの直線に沿って点が並ぶ(正の相関)。
- −1に近い:右下がりの直線に沿って点が並ぶ(負の相関)。
- 0に近い:直線的な関係がほとんどない。
強さは絶対値で判断します。−0.8は、0.5よりも強い関係です。どの値から「強い」とみなすかに決まった基準はなく、分野によって目安が違います。
注意点
相関係数が表すのは、直線的な関係だけです。U字型のような曲線の関係があっても、0に近くなることがあります。また、外れ値が1つあるだけで、値が大きく変わることがあります。数値だけで判断せず、散布図もあわせて確認します。
相関があっても、因果関係があるとは限りません。両方に影響する第3の変数が生む疑似相関や、原因と結果が逆向きの場合もあります。第3の変数の影響を除いた関係を見るには、偏相関係数を使います。
機械学習では、特徴量どうしの相関を調べて、似た情報をもつ特徴量を整理する前処理などに使われます。
覚え方
「共分散を標準偏差で割って、−1から1にそろえたもの」と覚えます。
G検定での出題
出題のされ方
共分散を2つの標準偏差の積で割って求めること、値の範囲と符号の意味、単位に左右されない性質、非線形の関係や外れ値への弱さ、相関と因果の違いが問われます。
混同しやすい用語
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 相関係数このページの用語 | 2つの変数の間にある直線的な関係の強さと向きを、−1から1までの値で表す指標 |
| 共分散 | 2つの変数がそれぞれの平均からどちらの向きにずれるかが、どの程度そろっているかを表す値 |
| 偏相関係数 | 2つの変数の両方に影響する第3の変数の影響を取り除いたうえで、2つの変数の間に残る相関の強さを表す値 |
違いを表で比べる
◯×チェック
次の文が正しいか、誤りかを選んでください。
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相関係数は、2つの変数の共分散を、それぞれの変数の標準偏差の積で割った値である。
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答え ◯ 正しい
標準偏差で割って正規化することで、値が−1から1の範囲に収まり、単位の影響もなくなります。
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相関係数が−0.9の2変数は、相関係数が0.5の2変数よりも、直線的な関係が弱い。
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答え × 誤り
関係の強さは絶対値で判断します。−0.9は、一方が増えると他方が減る、強い負の相関です。
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散布図の点がすべて右上がりの1本の直線上に並ぶとき、相関係数は1になる。
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答え ◯ 正しい
傾きが正の直線上にすべての点があれば、相関係数は最大値の1です。直線の傾きが急か緩やかかは、値に関係しません。
この用語の練習問題
出典
- G検定 試験出題範囲(シラバス2024)第1.4版 (技術分野 項目37 AIに必要な数理・統計知識)
- Karl Pearson, Mathematical Contributions to the Theory of Evolution. III. Regression, Heredity, and Panmixia, Philosophical Transactions of the Royal Society of London. Series A 187, 253–318 (1896)
- Ian Goodfellow, Yoshua Bengio, Aaron Courville, Deep Learning, MIT Press (2016) (3.8 Expectation, Variance and Covariance)