1行定義
CRISP-DMとは、ビジネスの理解から展開(デプロイ)までの6つのフェーズで、データ分析プロジェクトの進め方を示した業種横断の標準プロセスモデルのことです。
くわしく
CRISP-DM(Cross-Industry Standard Process for Data Mining)は、データ分析プロジェクトの進め方を、業種を問わず使える形に整理したプロセスモデルです。1990年代後半に、DaimlerChrysler、SPSS、NCRなどの企業が集まったコンソーシアムがまとめ、2000年に手引き書の1.0版が公開されました。
6つのフェーズ
- ビジネスの理解:分析の目的と、成功の基準を決めます。
- データの理解:データを集め、中身や品質を確かめます。
- データの準備:欠損値の処理や特徴量の作成など、モデルに入力できる形に整えます。
- モデリング:手法を選び、モデルを作って調整します。
- 評価:モデルがビジネスの目標を満たすかを確かめ、展開に進むかを判断します。
- 展開(デプロイ):結果を業務に組み込み、運用や監視の計画を立てます。
行き来しながら進める
フェーズの順番は固定ではありません。データを調べて目標の見直しが必要になれば、ビジネスの理解に戻ります。モデリングの途中でデータの加工をやり直すこともあります。全体図では、こうした行き来を矢印で示し、全体を円で囲みます。円は、展開で得た知見が次の問いを生み、分析が繰り返されることを表します。
CRISP-MLとの関係
CRISP-DMはデータマイニングのために作られたモデルです。運用中のモデルの劣化への備えは、展開フェーズの1作業にとどまります。そこで、CRISP-DMを土台に機械学習向けに広げたCRISP-ML(CRISP-ML(Q)とも呼ばれます)が提案されました。ビジネスの理解とデータの理解を1つのフェーズにまとめ、運用後のモニタリングと保守を独立したフェーズとして加えています。運用を自動化して回し続ける仕組みは、MLOpsが担います。
覚え方
「目的を決め、データを見て、整えて、作って、確かめて、届ける」の6拍で覚えます。
G検定での出題
出題のされ方
6つのフェーズの名前と順序、各フェーズで行う作業、フェーズ間を行き来しながら進める反復的な性質、運用後のモニタリングと保守を独立させたCRISP-MLとの違いが問われます。
混同しやすい用語
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| CRISP-DMこのページの用語 | ビジネスの理解から展開(デプロイ)までの6つのフェーズで、データ分析プロジェクトの進め方を示した業種横断の標準プロセスモデル |
| CRISP-ML | CRISP-DMを土台に、運用後の監視と保守や品質保証の考え方を加えた、機械学習システム開発のプロセスモデル |
◯×チェック
次の文が正しいか、誤りかを選んでください。
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CRISP-DMで、欠損値の処理や特徴量の作成を行うのは「データの準備」のフェーズである。
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答え ◯ 正しい
「データの理解」ではデータを集めて中身や品質を確かめます。モデルに入力できる形に加工するのは、その次の「データの準備」です。
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CRISP-DMの「評価」フェーズでは、モデルの精度が十分かどうかだけを確かめ、ビジネスの目標に合っているかは考えない。
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答え × 誤り
評価フェーズでは、モデルがビジネスの目標を満たすかを確かめ、展開に進むか前のフェーズに戻るかを決めます。技術的な精度の確認はモデリングのフェーズでも行います。
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CRISP-DMの名前にあるCross-Industryは、特定の業種に限らず使える手順であることを表している。
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答え ◯ 正しい
Cross-Industry Standard Processは「業種をまたぐ標準プロセス」という意味です。製造、金融、小売など、業種を問わず使えるように作られています。
この用語の練習問題
出典
- G検定 試験出題範囲(シラバス2024)第1.4版 (技術分野 項目35 AIプロジェクトの進め方)
- Pete Chapman et al., CRISP-DM 1.0: Step-by-step data mining guide, CRISP-DM Consortium (2000)
- IBM SPSS Modeler CRISP-DM Guide(Chapter 1. Introduction to CRISP-DM)
- Stefan Studer et al., Towards CRISP-ML(Q): A Machine Learning Process Model with Quality Assurance Methodology, Machine Learning and Knowledge Extraction 3(2), 392–413 (2021)