1行定義
PoCとは、新しい技術やアイデアが実際に役立つかを、本格的な開発の前に小さな規模で試して確かめる検証のことです。
くわしく
PoC(Proof of Concept、概念実証)は、新しい技術やアイデアが実際に役立つかを、本格的に開発する前に小さく試して確かめることです。AIでは、手元のデータで目標の精度が出るか、業務に組み込んだときに費用に見合う効果があるかを見極めるために行います。
なぜAIでPoCが重視されるのか
AIの性能は、学習に使うデータの量や質に大きく左右されます。そのため、作ってみるまで、どこまでの精度が出るかを予測しにくいという特徴があります。いきなり大きな予算をかけて開発し、最後に「使えない」とわかると、損失が大きくなります。そこで、対象を1つの工程や一部のデータに絞って試し、続けるか、やり方を変えるか、やめるかを早めに判断します。
進めるときの注意
- 始める前に、目標の精度や削減したい費用など、次に進む条件を決めておきます。
- 期限を区切ります。条件を変えながら試すばかりで本格導入に進めない状態は、「PoC疲れ」などと呼ばれます。
- PoCで使うデータが、本番の条件をどこまで代表しているかを確かめます。
契約での位置づけ
経済産業省の「AI・データの利用に関する契約ガイドライン(AI編)」は、AI開発をアセスメント、PoC、開発、追加学習の段階に分けています。段階ごとに契約を結び、結果を見て次に進むかを決める進め方で、「探索的段階型」と呼ばれます。PoC段階の主な成果物は、検証の結果をまとめたレポートなどです。結果を前もって約束できないため、仕事の完成を約束する請負型ではなく、検証作業を行うことを約束する準委任型の契約が想定されています。
覚え方
「PoCは本番前の小さな試運転。合否の基準と期限を先に決める」と覚えます。
G検定での出題
- シラバス項目『AIプロジェクトの進め方』の要点まとめ練習問題 17問技術35大項目:AIの社会実装に向けて
- シラバス項目『AI開発委託契約』の要点まとめ練習問題 9問法律・倫理6大項目:AIに関する法律と契約
出題のされ方
実現性と費用対効果を見極める目的、判断基準と期限を先に決める進め方、契約ガイドラインの探索的段階型におけるPoC段階の位置づけと想定される契約形態が問われます。
◯×チェック
次の文が正しいか、誤りかを選んでください。
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経済産業省の契約ガイドライン(AI編)では、PoC段階の契約として、検証作業を行うこと自体を約束する準委任型の契約が想定されている。
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答え ◯ 正しい
PoCは成果が出るかを確かめる段階で、結果を前もって約束できません。そのため、仕事の完成を約束する請負型ではなく、準委任型が想定されています。
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PoCは技術的に実現できるかを確かめる場であり、導入で得られる効果が費用に見合うかどうかは検討の対象にしない。
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答え × 誤り
技術的に可能でも、費用に見合う効果がなければ導入する意味がありません。PoCでは実現性と費用対効果の両方を見て、次に進むかを決めます。
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PoCで作るモデルや検証用のプログラムは、本番用のシステムと同じ品質で作り込んでおく必要がある。
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答え × 誤り
PoCの目的は、短い期間と少ない費用で見込みを確かめることです。本番に耐える品質での作り込みは、進むと決めた後の開発段階で行います。
この用語の練習問題
出典
- G検定 試験出題範囲(シラバス2024)第1.4版 (技術分野 項目35 AIプロジェクトの進め方)
- G検定 試験出題範囲(シラバス2024)第1.4版 (法律・倫理分野 項目6 AI開発委託契約)
- 経済産業省「AI・データの利用に関する契約ガイドライン(AI編)」(2018年6月) (探索的段階型の開発方式、導入検証契約(PoC段階))