1行定義
クラウドとは、サーバーやストレージ、ソフトウェアなどの計算資源を自前で持たず、インターネットなどのネットワークを通じて必要な分だけ借りて使う利用形態のことです。
くわしく
クラウドは、サーバーやストレージ、ソフトウェアといったコンピュータの資源を、自社で持たずに、インターネットなどのネットワークを通じて必要な分だけ借りて使う形態です。電気を自家発電せず、電力会社から使った分だけ買うのに似ています。これに対し、自社で機器を持って運用する形をオンプレミスと呼びます。
クラウドの特徴
アメリカの国立標準技術研究所(NIST)は、クラウドの基本的な特徴として次の5つを挙げています。
- 利用者が必要なときに、自分で資源を確保できる
- ネットワーク経由で、さまざまな端末から使える
- 事業者の資源を、多数の利用者で共有する
- 需要に応じて、素早く増やしたり減らしたりできる
- 使った量が計測され、見える化される
3つのサービス形態
利用者が自分で管理する範囲によって、3つに分けられます。
- IaaS:仮想サーバーなどの基盤を借ります。OSから上は利用者が管理します。
- PaaS:プログラムを動かす土台を借ります。OSや実行環境は事業者が管理し、利用者は自分のアプリケーションを配置します。
- SaaS:事業者が運用するアプリケーションを、そのまま使います。利用者が行うのは一部の設定程度です。
AIプロジェクトでの意味
深層学習の学習には、多くの場合、GPUを積んだ高価な計算機が必要です。クラウドなら、学習するときだけGPUを借り、終われば返せます。PoCのように見込みを確かめる段階でも、大きな初期投資をせずに始められます。学習したモデルをクラウドに置き、Web APIで提供する構成もよく使われます。
一方で、安全対策は事業者と利用者が分担します。アクセス権限やデータの公開範囲の設定は、利用者の責任です。また、通信の遅れが許されない処理や、映像を外に出したくない場面では、端末の近くで処理するエッジAIと使い分けます。
覚え方
「持たずに借りる、使った分だけ払う」と覚えます。
G検定での出題
出題のされ方
必要な分だけ計算資源を借りて素早く増減できる利点、利用者が管理する範囲によるIaaS・PaaS・SaaSの区別、事業者と利用者の責任の分担、エッジAIとの使い分けが問われます。
◯×チェック
次の文が正しいか、誤りかを選んでください。
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NISTの定義では、クラウドの配置モデルとして、パブリッククラウド、プライベートクラウド、コミュニティクラウド、ハイブリッドクラウドの4つが挙げられている。
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答え ◯ 正しい
パブリックは一般に開かれたもの、プライベートは1つの組織が専用で使うもの、コミュニティは関心を共有する複数の組織で使うもの、ハイブリッドはこれらを組み合わせたものです。
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クラウドでGPUを借りて深層学習の学習を行うと、自社でGPUを搭載したサーバーを購入する場合よりも、総費用は常に安くなる。
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答え × 誤り
クラウドは初期投資を抑え、使った分だけ払える点が利点です。ただし、長い期間にわたって高い負荷で使い続ける場合などは、購入したほうが安くなることもあります。
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NISTの定義では、利用者が事業者の担当者とやり取りしなくても、必要なときに自分で計算資源を確保できることを、クラウドの基本的な特徴の1つとしている。
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答え ◯ 正しい
オンデマンド・セルフサービスと呼ばれる特徴です。管理画面などから自分でサーバーを用意できるため、試したいときにすぐ試せます。
この用語の練習問題
出典
- G検定 試験出題範囲(シラバス2024)第1.4版 (技術分野 項目35 AIプロジェクトの進め方)
- Peter Mell, Timothy Grance, The NIST Definition of Cloud Computing, NIST Special Publication 800-145 (2011) (2. The NIST Definition of Cloud Computing(Essential Characteristics、Service Models、Deployment Models))