1行定義
次元の呪いとは、データを表す特徴量の数(次元)が増えるにつれて、学習に必要なデータ量や計算量が急激に増え、うまく学習できなくなる現象のことです。
くわしく
次元の呪いは、データを表す特徴量の数(次元)が増えると、さまざまな問題が急に難しくなる現象です。数学者リチャード・ベルマンが、動的計画法の研究の中で使った言葉に由来します。機械学習では、特徴量を増やしすぎたときに起こる問題として知られています。
なぜ起こるのか
1つの特徴量の範囲を10の区間に分け、どの区間の組合せにも少なくとも1件ずつデータを置きたいとします。特徴量が1つなら10件で足ります。2つなら10×10=100通り、3つなら1,000通りの組合せができます。特徴量が10個になると、組合せは100億通りです。次元が1つ増えるごとに空間は10倍に広がり、同じ件数のデータでは空間がすかすかになります。
データがまばらだと、モデルは手元のデータに偶然あらわれたパターンまで覚え込みやすくなります。その結果、学習データには合っても新しいデータでは外れる過学習が起こりやすくなります。また、高次元ではデータ点どうしの距離の差が小さくなりやすく、距離にもとづいて似たものを探す方法がうまく働きにくくなります。
対策
対策の基本は、次元を減らすことと、データを増やすことです。主成分分析などの次元削減で情報をまとめる方法や、予測に役立たない特徴量を除く特徴選択がよく使われます。正則化でモデルの複雑さを抑えることも有効です。
位置づけ
G検定のシラバスでは、「機械学習」の項目のキーワードです。ビッグデータの時代になり、データは大量に集まるようになりました。しかし、特徴量を増やせば精度が上がるとは限りません。データの件数と次元のバランスを考える必要があることを示す言葉です。
覚え方
「次元が1つ増えるたびに、必要なデータが掛け算で増える」と覚えます。
G検定での出題
出題のされ方
特徴量を増やしすぎたときに起こる問題として、必要なデータ量の急増や、新しいデータへの精度の低下が問われます。対策として次元削減や特徴選択を選ばせる形もあります。
混同しやすい用語
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 次元の呪いこのページの用語 | データを表す特徴量の数(次元)が増えるにつれて、学習に必要なデータ量や計算量が急激に増え、うまく学習できなくなる現象 |
| 過学習 | モデルが学習データのノイズまで覚え込み、学習データではよく当たる一方で、未知のデータに対する予測の精度が下がる状態 |
◯×チェック
次の文が正しいか、誤りかを選んでください。
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次元の呪いという言葉は、数学者リチャード・ベルマンが動的計画法の研究の中で用いたことで知られる。
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答え ◯ 正しい
状態を表す変数が増えると、計算すべき組合せが指数的に増えることを指して使われました。のちに機械学習でも広く使われるようになりました。
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高次元の空間では、データ点どうしの距離の差が小さくなりやすく、最も近い点と最も遠い点の区別がつきにくくなる。
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答え ◯ 正しい
距離にもとづいて似たデータを探すk近傍法などが、高次元で性能を落としやすい理由の1つです。
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各特徴量の範囲を10個の区間に分けるとき、特徴量が3個なら、区間の組合せは30通りである。
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答え × 誤り
組合せは10×10×10=1,000通りです。特徴量が1つ増えるごとに10倍になり、空間を埋めるのに必要なデータ量も急激に増えます。
この用語の練習問題
出典
- G検定 試験出題範囲(シラバス2024)第1.4版 (技術分野 項目5 機械学習)
- Richard Bellman, Dynamic Programming (Princeton University Press, 1957)
- Trevor Hastie, Robert Tibshirani, Jerome Friedman, The Elements of Statistical Learning, 2nd edition (Springer) (2.5 Local Methods in High Dimensions)