1行定義
レコメンデーションエンジンとは、購買や閲覧の履歴などから利用者の好みを推定し、合いそうな商品や情報を選んで提示する仕組みのことです。
くわしく
レコメンデーションエンジンは、利用者の好みに合いそうな商品や情報を選んで提示する仕組みです。通販サイトの「この商品を買った人はこんな商品も買っています」という表示や、動画・音楽の配信サービスのおすすめ欄が身近な例です。推薦システムとも呼ばれます。
インターネット上に購買や閲覧の記録が大量にたまるようになり、そこから好みを推定する機械学習の代表的な応用になりました。1994年には、利用者の評価をもとにネットニュースの記事を推薦するGroupLensの研究が発表されています。2003年には、Amazon.comの研究者らが、商品どうしの類似度を使う協調フィルタリングを論文で紹介しました。
2つの代表的な方式
- 協調フィルタリング:評価や購買の履歴から、好みの似た利用者や、一緒に買われやすい商品を見つけて推薦します。商品の中身についての情報は使いません。
- コンテンツベースフィルタリング:商品のジャンルや説明文などの属性と、利用者が過去に好んだ商品の属性を照らし合わせて推薦します。
協調フィルタリングは、中身を知らなくても意外な組み合わせを見つけられる一方、履歴のない新しい利用者や新商品はうまく扱えません。これをコールドスタート問題といいます。また、利用者と商品の表の大半が空欄になるスパース性も課題です。実際のサービスでは、複数の方式を組み合わせることがよくあります。
発展と注意点
映画の評価を予測する精度を競ったNetflix Prize(2006〜2009年)では、評価の表を少数の潜在的な要因に分解する行列分解の手法が注目されました。現在はディープラーニングを使った推薦も広く使われています。一方で、好みに合う情報ばかりが表示されると、利用者の視野が狭まるフィルターバブルの一因になりうると指摘されています。
G検定での出題
出題のされ方
機械学習が普及した背景の応用例として、行動データから好みを推定する仕組みが問われます。協調フィルタリングとコンテンツベースフィルタリングの違いや、コールドスタート問題などの課題とも結びつけて問われます。
◯×チェック
次の文が正しいか、誤りかを選んでください。
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Amazon.comの研究者らが2003年に紹介した推薦の方式は、好みの似た利用者を探すのではなく、同じ顧客に一緒に買われる傾向から商品どうしの類似度を求める協調フィルタリングである。
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答え ◯ 正しい
論文の題名にもあるとおり、商品と商品を結びつけるアイテムベースの方式です。顧客や商品の数が非常に多くても、推薦をすばやく計算できる点が利点とされました。
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レコメンデーションエンジンは、利用者が星の数などで明示的に付けた評価がなければ使えず、購買や閲覧の履歴だけでは推薦できない。
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答え × 誤り
購買、閲覧、視聴などの行動の履歴も、好みを表すデータとして使えます。明示的な評価よりも手に入りやすいため、実際のサービスで広く使われています。
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協調フィルタリングで使う利用者と商品の評価の表は、多くの利用者がごく一部の商品にしか評価や購買の記録を残さないため、大半が空欄になりやすい。
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答え ◯ 正しい
この性質をスパース性(疎であること)といいます。空欄の多い表から好みを推定するために、行列分解などの手法が工夫されてきました。
この用語の練習問題
出典
- G検定 試験出題範囲(シラバス2024)第1.4版 (技術分野 項目5 機械学習)
- Paul Resnick, Neophytos Iacovou, Mitesh Suchak, Peter Bergstrom, John Riedl, GroupLens: An Open Architecture for Collaborative Filtering of Netnews, Proceedings of CSCW '94, 175–186 (1994)
- Greg Linden, Brent Smith, Jeremy York, Amazon.com Recommendations: Item-to-Item Collaborative Filtering, IEEE Internet Computing 7(1), 76–80 (2003)
- Yehuda Koren, Robert Bell, Chris Volinsky, Matrix Factorization Techniques for Recommender Systems, Computer 42(8), 30–37 (2009)