ある音楽配信サービスは、曲への星による評価をほとんど集められていないが、どの会員がどの曲を何回再生したかという記録は大量に蓄積している。この再生記録をもとにレコメンデーションエンジンを作るときの考え方として、最も適切なものを1つ選べ。
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解説
正解 A
この問題の論点:行動履歴を使う推薦の注意点
ポイント
再生や購入の記録から好みを推し量る推薦では、記録がないことを「好みでない」証拠とはみなせない点に注意します。
選択肢ごとの解説
- A
適切 正解
行動の記録から好みを推し量るデータでは、「好みでない」という情報が直接は得られません。再生していない理由には、曲を知らない、聴く機会がなかったなども含まれます。未再生を確かな低評価とみなさない工夫が必要です。
- B
不適切
回数が多い曲ほど高く評価しているとは限りません。作業中に流し続けた曲もあれば、1回聴けば満足する好きな曲もあります。回数は好みの強さそのものではなく、好みだと推測するときの確からしさの手がかりとして扱います。
- C
不適切
記録が自動で正確に取られていても、それが好みを表すとは限りません。自動再生で流れ続けた曲や、ほかの人が端末を使って再生した曲も記録に残ります。行動の記録はノイズを含む間接的な手がかりです。
- D
不適切
学習に使った記録をよく再現できても、これからの再生を予測できるとは限りません。学習に使っていない後の期間の記録で、実際に再生された曲を上位に推薦できていたかを確かめ、汎化性能を評価します。
補足
星による評価のように、会員が好みを直接示したデータを明示的フィードバックと呼びます。再生や購入の記録のように、行動から好みを推し量るデータは暗黙的フィードバックと呼びます。暗黙的フィードバックは大量に集めやすい反面、「好みでない」ことを示す情報が乏しく、ノイズも含むため、扱い方に工夫が要ります。
試験での狙われ方
レコメンデーションエンジンについて、好みを推定するデータの種類と、そのデータの限界を事例で問う形が考えられます。
参考
- G検定 試験出題範囲(シラバス2024)第1.4版 (技術分野 項目5 機械学習)
- Hu, Koren and Volinsky, Collaborative Filtering for Implicit Feedback Datasets, ICDM 2008 (1. Introduction)