1行定義
機械学習とは、人がルールを1つずつ書く代わりに、コンピュータがデータから規則性やパターンを学び、予測や判断に使えるようにする技術のことです。
試験範囲としての全体像はシラバス項目『機械学習』の要点まとめで整理しています。
くわしく
機械学習は、データから学ぶことで、人が規則を細かくプログラムしなくても性能を高めていく仕組みです。たとえば迷惑メールの判定では、判定の規則を人が書く代わりに、迷惑メールかどうかが分かっている大量のメールを与え、見分け方をコンピュータに学ばせます。
定義
1959年、アーサー・サミュエルは、チェッカーという盤上のゲームを自ら学んで強くなるプログラムの論文で、機械学習という言葉を使いました。1997年にトム・ミッチェルは、タスクT、性能指標P、経験Eを使い、「経験Eによって、Pで測ったTの成績が上がるとき、プログラムは学習する」と定義しています。
3つの種類
- 教師あり学習:正解の付いたデータから、入力と正解の関係を学びます。分類や回帰に使います。
- 教師なし学習:正解のないデータから、似たもの同士のまとまりやデータの構造を見つけます。クラスタリングや次元削減が代表例です。
- 強化学習:環境の中で行動し、得られる報酬が大きくなる行動の選び方を、試行錯誤で学びます。
人工知能・ディープラーニングとの関係
機械学習は、人工知能を実現する手法の1つです。人が書いた規則で推論するエキスパートシステムも人工知能ですが、機械学習ではありません。また、多層のニューラルネットワークを使うディープラーニングは、機械学習の手法の1つです。人工知能が機械学習を含み、機械学習がディープラーニングを含むという関係になります。
注目された背景
第2次AIブームでは、専門家の知識を規則として書き込む方法が、知識獲得のボトルネックに突き当たりました。その後、インターネットの普及で大量のデータ(ビッグデータ)が手に入り、計算機も速くなったことで、データから学ぶ機械学習が実用的になりました。これが第3次AIブームにつながります。
覚え方
「規則を書くのではなく、データから学ばせる」と覚えます。
G検定での出題
出題のされ方
人工知能・ディープラーニングとの包含関係、経験によって性能が上がるという定義、教師あり・教師なし・強化学習の区別、ルールベースの手法との違い、第3次AIブームでの位置づけが問われます。
混同しやすい用語
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 機械学習このページの用語 | 人がルールを1つずつ書く代わりに、コンピュータがデータから規則性やパターンを学び、予測や判断に使えるようにする技術 |
| ディープラーニング | 多数の層を重ねたニューラルネットワークを使い、予測や判断に役立つ特徴をデータから自動で学習する機械学習の手法 |
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次の文が正しいか、誤りかを選んでください。
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強化学習では、正解のラベルの代わりに、行動の結果として得られる報酬を手がかりに、よい行動の選び方を学ぶ。
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答え ◯ 正しい
教師あり学習は正解付きのデータから、教師なし学習は正解のないデータの構造から学びます。強化学習は、試行錯誤で得る報酬を使う点が異なります。
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機械学習のモデルは、学習に使ったデータに対する精度が高いほど、未知のデータに対しても必ず高い精度を示す。
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答え × 誤り
学習データに合わせすぎると、未知のデータで精度が落ちる過学習が起きます。未知のデータでの性能(汎化性能)は、学習に使っていないデータで確かめます。
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迷惑メールかどうかの正解が付いた過去のメールから、新しいメールが迷惑メールかを判定するモデルを作るのは、教師あり学習の分類問題に当たる。
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答え ◯ 正しい
正解のラベルを予測するのが教師あり学習です。予測する値がカテゴリなら分類問題、数値なら回帰問題と呼びます。
この用語の練習問題
出典
- G検定 試験出題範囲(シラバス2024)第1.4版 (技術分野 項目1 人工知能の定義)
- G検定 試験出題範囲(シラバス2024)第1.4版 (技術分野 項目5 機械学習)
- Tom M. Mitchell, Machine Learning (McGraw-Hill, 1997) (Chapter 1)
- A. L. Samuel, Some Studies in Machine Learning Using the Game of Checkers, IBM Journal of Research and Development 3(3) (1959)
- Richard S. Sutton, Andrew G. Barto, Reinforcement Learning: An Introduction, 2nd ed., MIT Press (2018)