1行定義
人工知能とは、推論、判断、学習といった人間の知的な働きを、コンピュータで実現しようとする技術や研究分野のことです。
くわしく
人工知能(AI)は、推論、判断、学習といった人間の知的な働きを、コンピュータで実現しようとする研究分野とその技術です。この言葉は、1956年のダートマス会議の開催を求めた1955年の提案書で使われ、研究分野の名前として定着しました。
定義は1つに定まっていない
研究者のあいだで統一された定義はありません。総務省の平成28年版情報通信白書も、定義は研究者によって異なると説明しています。「知能」そのものをはっきり定義できないうえ、実現した技術がAIと呼ばれなくなるAI効果もあり、AIと呼ぶ範囲は時代とともに動きます。環境を知覚して行動を選ぶエージェントとしてとらえる見方や、本当に心をもつのか、知的にふるまうだけかで分ける強いAIと弱いAIの区別もあります。
4つのレベル
AIと呼ばれるものは、ふるまいの複雑さで4段階に整理できます。
- レベル1(単純な制御プログラム):温度に応じて動きを変えるエアコンなど。
- レベル2(古典的な人工知能):探索・推論や、人が与えた知識で判断する。
- レベル3(機械学習を取り入れた人工知能):判断のルールをデータから学ぶ。注目する特徴量は人が設計する。
- レベル4(ディープラーニングを取り入れた人工知能):特徴量もデータから学ぶ。
機械学習・ディープラーニングとの関係
機械学習は人工知能を実現する方法の1つで、ディープラーニングは機械学習の手法の1つです。人が書いたルールで動くエキスパートシステムも、人工知能に含まれます。
3度のブーム
研究は、期待が高まるブームと、停滞する冬の時代を繰り返してきました。中心となった技術は、第1次(1950年代後半〜1960年代)が探索・推論、第2次(1980年代)が知識表現とエキスパートシステム、第3次(2000年代〜)が機械学習とディープラーニングです。
覚え方
「AIの中に機械学習、その中にディープラーニング」と覚えます。
G検定での出題
出題のされ方
研究者によって定義が異なること、AI効果、エージェントという見方、機械学習・ディープラーニングとの包含関係が問われます。具体的な製品やシステムを、ふるまいの複雑さによる4つのレベルに当てはめる形もあります。
◯×チェック
次の文が正しいか、誤りかを選んでください。
-
第1次AIブームでは探索・推論、第2次AIブームでは知識表現とエキスパートシステム、第3次AIブームでは機械学習とディープラーニングが、それぞれ研究の中心になった。
答えを見る
答え ◯ 正しい
第1次は1950年代後半から1960年代、第2次は1980年代、第3次は2000年代以降です。時期と中心の技術を組にして押さえます。
-
人工知能の研究では、1956年のダートマス会議以降、研究への期待と資金が途切れることなく増え続けてきた。
答えを見る
答え × 誤り
第1次・第2次のブームのあとには、期待した成果が出ずに研究が停滞する冬の時代が訪れました。ブームと冬の時代を繰り返してきたのが実際の歴史です。
-
人工知能は、モーターやセンサーなどの物理的な身体をもつ機械を指す言葉であり、身体をもたないソフトウェアは人工知能に含まれない。
答えを見る
答え × 誤り
身体をもって物理的な世界で動く機械はロボットです。人工知能は判断を担う部分を指し、翻訳ソフトやチャットボットのように、身体のないソフトウェアとしても働きます。
この用語の練習問題
出典
- G検定 試験出題範囲(シラバス2024)第1.4版 (技術分野 項目1 人工知能の定義)
- John McCarthy, Marvin L. Minsky, Nathaniel Rochester, Claude E. Shannon, A Proposal for the Dartmouth Summer Research Project on Artificial Intelligence, August 31, 1955, AI Magazine 27(4) (2006)
- 総務省「平成28年版 情報通信白書」人工知能(AI)とは
- 総務省「平成28年版 情報通信白書」人工知能(AI)研究の歴史