1行定義
チューリングテストとは、文字だけの会話で判定者が相手を機械か人間か見分けられるかどうかによって、機械の知能を判定する方法のことです。
くわしく
チューリングテストは、イギリスの数学者アラン・チューリングが1950年の論文「Computing Machinery and Intelligence」で提案した、機械の知能を判定する方法です。チューリングは、「機械は考えられるか」という問いは言葉の定義があいまいで答えにくいとしました。そこで、「模倣ゲーム」と呼ぶ具体的な試験に問いを置き換えました。
判定のしかた
判定者は、別の部屋にいる人間と機械の両方と、端末を使った文字だけのやり取りで会話します。声や見た目で区別できないようにするためです。会話のあと、判定者がどちらが機械かを確実に見分けられなければ、その機械は人間と同じように知的に振る舞えるとみなします。チューリングは、およそ50年後には、平均的な判定者が5分間の質問で正しく見分けられる確率が70%以下になるだろうと予想しました。
このテストの特徴は、機械の内部の仕組みを調べず、外から見た会話の振る舞いだけで判断する点です。人間の脳と同じ仕組みで動いているかどうかは問いません。
実際の試みと批判
1991年に始まったローブナーコンテストは、チューリングテストの形式で会話プログラムを競う大会でした。一方で、1960年代のELIZAのように、決まったパターンで応答を返すだけのプログラムでも、相手が自分を理解していると感じる人がいました。会話が自然に見えることと、知能があることは必ずしも一致しません。
1980年にジョン・サールが示した中国語の部屋は、テストに合格するような応答ができても意味を理解しているとはいえない、という立場からの代表的な批判です。大規模言語モデルが自然な文章を作るようになった現在も、会話の振る舞いで知能を測れるのかという議論は続いています。
覚え方
「中身は見ずに、会話だけで見分ける」と覚えます。
G検定での出題
出題のされ方
判定の方法(会話の振る舞いで判断し、内部の仕組みは問わない)や、提唱者チューリング、ローブナーコンテスト、中国語の部屋との関係として問われます。
混同しやすい用語
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| チューリングテストこのページの用語 | 文字だけの会話で判定者が相手を機械か人間か見分けられるかどうかによって、機械の知能を判定する方法 |
| 中国語の部屋 | 記号を規則どおりに操作して正しく応答できても、意味を理解しているとはいえないことを示そうとした、サールの思考実験 |
◯×チェック
次の文が正しいか、誤りかを選んでください。
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チューリングテストは、アラン・チューリングが1950年の論文で「模倣ゲーム」として提案したものである。
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答え ◯ 正しい
論文「Computing Machinery and Intelligence」で、「機械は考えられるか」という問いを置き換える方法として示されました。
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チューリングテストでは、判定者が相手の声の調子や外見も手がかりにして、機械か人間かを見分ける。
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答え × 誤り
声や外見で区別できないよう、やり取りは端末を使った文字だけで行います。
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チューリングテストは、機械が人間の脳と同じ仕組みで情報を処理しているかを調べて、知能の有無を判定する。
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答え × 誤り
内部の仕組みは問わず、会話という外から見た振る舞いだけで判定します。この点が、中国語の部屋による批判の出発点になりました。