1行定義
シンギュラリティとは、AIが自らを改良し続けて知能が人間を大きく超え、その後の技術や社会の変化を人間が予測できなくなる転換点のことです。
くわしく
シンギュラリティは、日本語で「技術的特異点」と訳されます。特異点はもとは数学や物理の言葉で、それまでの法則や予測が通用しなくなる点を指します。
考え方の流れ
1965年、数学者のI・J・グッドは、人間より賢い機械ができれば、その機械がさらに賢い機械を設計し、「知能の爆発」が起きうると論じました。
1993年には、数学者でSF作家のヴァーナー・ヴィンジが、人間を超える知能が技術によって生まれ、その後の世界は予測できなくなると論じました。ヴィンジは、この転換点を「シンギュラリティ」と呼びました。
この考えを広めたのが、発明家のレイ・カーツワイルです。2005年の著書『The Singularity Is Near』(邦題『ポスト・ヒューマン誕生』)で、技術の進歩は指数関数的に加速するという「収穫加速の法則」をもとに、シンギュラリティが2045年ごろに訪れると予測しました。このため「2045年問題」とも呼ばれます。
カーツワイルは、AIが人間並みの知能に達する時期を2029年ごろとも予測しています。2つの年を取り違えないようにします。
議論の現状
シンギュラリティは予測であり、科学的に確かめられた法則ではありません。到来の時期や、そもそも起きるかについて、研究者の見方は大きく分かれています。一方で、人間を超える知能をどう制御するかという問いは、AIの安全性やAIガバナンスの議論にもつながっています。
似た言葉との違い
AI効果は、AIの技術が普及すると「知能ではない」とみなされるようになる現象です。強いAIは、人間のような心や意識をもつAIという考え方です。シンギュラリティはこれらとは別に、知能の進歩が加速して先を予測できなくなる「時点」を指します。
覚え方
「シンギュラリティは2045年、人間並みのAIは2029年」と、2つの年を組にして覚えます。
G検定での出題
出題のされ方
言葉の意味、カーツワイルが予測した2045年という時期、収穫加速の法則との関係が問われます。AI効果や強いAIなど、同じ項目のほかの論点と取り違えさせる選択肢も出ます。
混同しやすい用語
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| シンギュラリティこのページの用語 | AIが自らを改良し続けて知能が人間を大きく超え、その後の技術や社会の変化を人間が予測できなくなる転換点 |
| AI効果 | AIで新しいことが実現されて仕組みが知られると、人々がそれを知能ではなく単なる自動処理とみなすようになる現象 |
◯×チェック
次の文が正しいか、誤りかを選んでください。
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カーツワイルは、技術の進歩は指数関数的に加速するという収穫加速の法則をもとに、シンギュラリティの到来を予測した。
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答え ◯ 正しい
2005年の著書で、この考え方をもとにシンギュラリティが2045年ごろに訪れると予測しました。
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シンギュラリティが訪れる時期については、AI研究者の間でおおむね合意ができている。
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答え × 誤り
シンギュラリティは予測であり、確かめられた法則ではありません。時期や、そもそも起きるかについて、見方は大きく分かれています。
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I・J・グッドは1965年に、人間より賢い機械ができれば、その機械がさらに賢い機械を設計し、知能の爆発が起きうると論じた。
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答え ◯ 正しい
この「知能の爆発」の考え方が、後のシンギュラリティの議論の土台になりました。
この用語の練習問題
出典
- G検定 試験出題範囲(シラバス2024)第1.4版 (技術分野 項目2 人工知能分野で議論される問題)
- Vernor Vinge, The Coming Technological Singularity: How to Survive in the Post-Human Era, VISION-21 Symposium, NASA Lewis Research Center, NASA CP-10129 (1993)
- I. J. Good, Speculations Concerning the First Ultraintelligent Machine, Advances in Computers 6, 31–88 (1965)
- Ray Kurzweil, The Singularity Is Near: When Humans Transcend Biology, Viking (2005)