1行定義
チャットボットとは、人が入力した文章や音声に対して、自動で応答を返しながら会話を続けるプログラムのことです。
くわしく
チャットボットは、チャット(文字による会話)とボット(自動で動くプログラム)を合わせた言葉です。人が入力した文章や音声に対して、自動で応答を返しながら会話を続けます。問い合わせ窓口や社内のヘルプデスクなどで使われています。
仕組みによる違い
- ルールベース型(ルール型):あらかじめ用意したキーワードや文型、会話のシナリオに沿って応答します。想定した質問には安定して答えられ、返す内容を事前に確認しておけます。一方、想定していない言い回しや質問には、適切に答えられないことがよくあります。
- 生成AI型:大規模言語モデルを使い、入力に応じて応答の文章をその場で作ります。幅広い話題や言い回しに対応できる反面、事実と異なる内容をもっともらしく答えること(ハルシネーション)があります。
歴史
初期の代表例が、1966年に論文で発表されたイライザ(ELIZA)です。入力文のパターンに合わせて決まった形の応答を返すだけでしたが、相手が自分を理解していると感じる利用者もいました。その後も、会話の人間らしさを競うローブナーコンテストなどで、さまざまな会話プログラムが作られました。2022年11月には、OpenAIがGPT-3.5をもとにした対話型AIのChatGPTを公開し、大規模言語モデルによるチャットボットが急速に広まりました。
導入するときの注意
生成AI型では、回答の正確性が課題としてよく指摘されます。社内文書などを検索して回答の根拠にする検索拡張生成(RAG)は、ハルシネーションの抑制などにつながると期待されています。利用者が入力する個人情報や機密情報の扱い、答えられない質問を人の担当者に引き継ぐ流れも、あわせて設計します。
会話が自然に見えても、チャットボットが意味を理解しているとは限りません。この点は、イライザ(ELIZA)やチューリングテストをめぐる議論と同じです。
覚え方
「決まった台本で答えるルール型、その場で文章を作る生成AI型」と覚えます。
G検定での出題
- シラバス項目『知識表現とエキスパートシステム』の要点まとめ練習問題 16問技術4大項目:人工知能をめぐる動向
- シラバス項目『自然言語処理』の要点まとめ練習問題 18問技術27大項目:ディープラーニングの応用例
出題のされ方
シラバスのキーワードではありませんが、項目4のイライザ(ELIZA)や項目27の大規模言語モデルとの関係で、規則にもとづく応答と生成による応答の違い、会話が自然でも意味を理解しているとは限らない点が問われます。
◯×チェック
次の文が正しいか、誤りかを選んでください。
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あらかじめ用意したシナリオに沿って応答するルールベース型のチャットボットは、想定していない言い回しの質問には適切に答えられないことが多い。
答えを見る
答え ◯ 正しい
用意した規則に当てはまらない入力には対応できません。その反面、返す内容を事前にすべて確認しておけるため、手続きの案内など答えが決まっている用途に向きます。
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大規模言語モデルを使ったチャットボットは、学習したデータにもとづいて文章を作るため、事実と異なる内容を答えることはない。
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答え × 誤り
もっともらしい文章を生成する仕組みなので、事実と異なる内容を答えることがあります(ハルシネーション)。回答の正確性は、生成AIの課題としてよく指摘されます。
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人と文章で対話するプログラムは、2022年のChatGPTの公開によって初めて実現した。
答えを見る
答え × 誤り
1966年に論文で発表されたイライザ(ELIZA)をはじめ、文章で対話するプログラムは古くから作られてきました。ChatGPTは、大規模言語モデルによる対話を広く普及させたサービスです。
この用語の練習問題
この用語を扱う練習問題は準備中です。「知識表現とエキスパートシステム」の問題を解く
出典
- G検定 試験出題範囲(シラバス2024)第1.4版 (技術分野 項目4 知識表現とエキスパートシステム)
- G検定 試験出題範囲(シラバス2024)第1.4版 (技術分野 項目27 自然言語処理)
- Joseph Weizenbaum, ELIZA: A Computer Program for the Study of Natural Language Communication between Man and Machine, Communications of the ACM 9(1), 36–45 (1966)
- 総務省「令和5年版 情報通信白書」生成AIを巡る動向
- 総務省「令和5年版 情報通信白書」生成AIを巡る議論
- 総務省・経済産業省「AI事業者ガイドライン(第1.2版)」(2026年3月31日) (第2部 C. 共通の指針 1)人間中心 ③偽情報等への対策(p.15 注27))