1行定義
オントロジーとは、ある分野の概念と概念どうしの関係を明確に定義し、人やコンピュータが知識を共有・再利用できるようにした体系のことです。
くわしく
オントロジーは、もともと哲学で「存在とは何か」を考える存在論を意味する言葉です。人工知能や情報科学では、ある分野で使う概念と、概念どうしの関係を明確に定義した体系を指します。トム・グルーバーは1993年の論文で、オントロジーを「概念化の明示的な仕様」と定義しました。
なぜ必要か
コンピュータに知識を扱わせるには、言葉の意味をあいまいさなく決めておく必要があります。たとえば、ある部署は「顧客」に見込み客を含め、別の部署は含めないとします。このまま両者のデータを合わせると、件数や分析の結果が食い違います。オントロジーで概念の範囲と関係を決めておけば、異なる人やシステムの間でも知識を正しく共有し、再利用できます。
表し方
概念の関係には、「ペンギンは鳥の一種」のような上位・下位の関係(is-aの関係)や、「車輪は車の一部」のような全体と部分の関係(part-ofの関係)などがあります。こうした関係は、意味ネットワークのように、概念を点、関係を線で結んだグラフで表せます。Web上の情報に意味を表すデータを付け、コンピュータが内容を扱えるようにする構想がセマンティックWebで、ここでもオントロジーが使われます。W3Cは、オントロジーを記述する言語としてOWLを定めています。
2つの立場
オントロジーの作り方には、大きく2つの考え方があります。ヘビーウェイトオントロジーは、概念の定義や関係を人が時間をかけて厳密に検討して作るものです。一方、ライトウェイトオントロジーは、厳密さよりも実用性を重視します。Webなどの大量のデータから、コンピュータで概念の関係を自動的に取り出すことも許します。ウェブマイニングやデータマイニングの発展によって、後者の作り方が現実的になりました。
覚え方
「オントロジー=言葉の意味と関係をそろえた共通の辞書」と考えると覚えやすくなります。
G検定での出題
出題のされ方
知識表現の文脈で、概念の意味を明確にして知識を共有する目的や、is-a・part-ofの関係が問われます。ヘビーウェイトとライトウェイトの違いや、セマンティックWebとの関係も問われます。
混同しやすい用語
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| オントロジーこのページの用語 | ある分野の概念と概念どうしの関係を明確に定義し、人やコンピュータが知識を共有・再利用できるようにした体系 |
| 意味ネットワーク | 概念をノード(節点)、概念どうしの関係をラベル付きのリンク(矢印)で表し、知識をグラフの形で表現する方法 |
◯×チェック
次の文が正しいか、誤りかを選んでください。
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オントロジーという言葉は、もともと哲学で「存在とは何か」を扱う存在論を指し、それが知識表現の分野に取り入れられた。
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答え ◯ 正しい
情報科学では、グルーバーが1993年の論文で示した「概念化の明示的な仕様」という定義がよく引用されます。
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ライトウェイトオントロジーとは、概念の定義や関係を人が時間をかけて厳密に検討して作るオントロジーのことである。
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答え × 誤り
それはヘビーウェイトオントロジーの説明です。ライトウェイトオントロジーは厳密さよりも実用性を重視し、データから自動で関係を取り出すことも許します。
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部署によって「顧客」という言葉が指す範囲が違うと、データを統合したときに食い違いが起こる。オントロジーは、こうした用語の意味をそろえるのに役立つ。
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答え ◯ 正しい
用語が指す概念の範囲や、上位・下位の関係を明確に定義しておくと、異なる組織やシステムの間で知識を正しく共有できます。