1行定義
セマンティックWebとは、Web上の情報に意味を表すデータを付け加え、人だけでなくコンピュータも内容を処理できるようにする構想のことです。
くわしく
セマンティックWebは、Web上の情報に「意味」を表すデータを付け加え、人だけでなくコンピュータも内容を処理できるようにする構想です。WWWを考案したティム・バーナーズ=リーが提唱しました。2001年に、ヘンドラー、ラッシラとともに米国の科学雑誌Scientific Americanに寄せた記事で、広く知られるようになりました。
なぜ必要か
ふつうのWebページは、人が読むために書かれています。たとえば「営業時間:10時〜18時」と書かれていても、コンピュータにとってはただの文字の並びです。どこが店名で、どこが営業時間なのかを区別できません。意味の情報が付いていれば、複数のサイトの情報を組み合わせ、条件に合う店を自動で探すといった処理ができます。
支える技術
W3Cは、セマンティックWebのための標準を定めています。
- RDF:情報を「主語・述語・目的語」の3つ組(トリプル)で表すデータモデル。
- RDFS・OWL:語彙の意味や、概念どうしの関係を定義する言語。とくにOWLは、オントロジーの記述に使う。
- SPARQL:RDFで表したデータを検索する問い合わせ言語。
概念を点、関係を線で結んだグラフとして知識を表す点は、意味ネットワークと共通しています。2006年には、データどうしをWeb上でリンクして公開する考え方として、Linked Dataの原則が示されました。
知識表現との関係
セマンティックWebは、オントロジーの研究と深く結びついています。異なるサイトが同じ言葉を別の意味で使っていると、データを正しく結びつけられません。共通の語彙で意味をそろえておくことが前提になります。G検定でも、知識表現の項目でオントロジーと並んで登場します。
覚え方
semanticは英語で「意味に関する」を表します。「意味がわかるWeb」と覚え、いまのWebを置き換えるのではなく、拡張するものだと押さえます。
G検定での出題
出題のされ方
Web上のデータに意味の情報を付けてコンピュータが処理できるようにするという目的と、オントロジーやRDFなどの記述方法との関係が問われます。
混同しやすい用語
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| セマンティックWebこのページの用語 | Web上の情報に意味を表すデータを付け加え、人だけでなくコンピュータも内容を処理できるようにする構想 |
| 意味ネットワーク | 概念をノード(節点)、概念どうしの関係をラベル付きのリンク(矢印)で表し、知識をグラフの形で表現する方法 |
◯×チェック
次の文が正しいか、誤りかを選んでください。
-
RDFでは、情報を「主語・述語・目的語」の3つ組で表し、その組をつなげてデータどうしの関係を表現する。
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答え ◯ 正しい
この3つ組をトリプルと呼びます。主語や述語をURI(IRI)というWeb上の識別子で表すため、別々のサイトにあるデータどうしを結びつけられます。
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セマンティックWebは、現在のWebとは別の新しいネットワークを作り、既存のWebを置き換えることを目指した構想である。
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答え × 誤り
2001年の記事でも、セマンティックWebは別のWebではなく、現在のWebを拡張するものだと説明されています。既存のページやデータに意味の情報を付け加えます。
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SPARQLは、RDFで表したデータに問い合わせを行い、条件に合うデータを取り出すための言語である。
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答え ◯ 正しい
W3Cが標準として定めた問い合わせ言語です。関係データベースにおけるSQLに近い役割を、RDFのデータに対して果たします。
この用語の練習問題
出典
- G検定 試験出題範囲(シラバス2024)第1.4版 (技術分野 項目4 知識表現とエキスパートシステム)
- Tim Berners-Lee, James Hendler, Ora Lassila, The Semantic Web, Scientific American 284(5), 34–43 (2001)
- W3C, RDF 1.1 Concepts and Abstract Syntax
- W3C, OWL 2 Web Ontology Language Document Overview
- W3C, SPARQL 1.1 Overview
- Tim Berners-Lee, Linked Data - Design Issues(2006年7月27日)