1行定義
情報検索とは、大量の文書などの中から、利用者の求める情報に合うものを探し出し、関連の強さに応じて示す技術のことです。
くわしく
情報検索は、大量の文書の中から、利用者が求める情報に合うものを探し出す技術です。Webの検索エンジンが代表例で、社内文書の検索や、通販サイトの商品検索、FAQの検索などにも使われています。
基本的な仕組み
検索のたびにすべての文書を先頭から読んで検索語を探すと、文書が増えるほど時間がかかります。そこで、単語ごとに、その単語を含む文書の一覧を記録した索引をあらかじめ作っておきます。これを転置インデックスといいます。本の巻末にある索引と同じ考え方です。日本語の文書では、索引を作るために、形態素解析で単語に区切ったり、文字の並びをn-gramで区切ったりします。
次に、見つかった文書を、検索語との関連の強さで並べ替えます。古くから使われてきたのは、文書と検索語を単語の出現回数などのベクトルで表し、TF-IDFで重み付けして類似度を比べる方法です。近年は、ニューラルネットワークで文の意味をベクトルにして比べる方法も広く使われます。この方法なら、「値段」と「価格」のように語が一致しない言い換えにも対応しやすくなります。
評価の考え方
検索結果のうち、求める情報に合う文書が占める割合を適合率といいます。求める情報に合う文書全体のうち、検索結果に含まれた割合は再現率です。この2つは情報検索の評価で古くから使われてきた指標で、機械学習の分類の評価にも使われます。
質問応答やRAGとの関係
情報検索が返すのは、関連する文書の一覧です。答えそのものを返す質問応答とは、目的が異なります。ただし、質問応答のシステムの多くは、まず情報検索で関連する文書を絞り込み、その中から答えを探します。
大規模言語モデルの回答の前に社内文書などを検索して入力に加えるRAG(検索拡張生成)も、情報検索を土台にした仕組みです。検索で正しい文書を取り出せないと、回答の質も下がります。
G検定での出題
出題のされ方
検索語と文書の関連の強さを測る方法として、TF-IDFやベクトルの類似度と結び付けて問われます。答えそのものを返す質問応答との違いを、業務の場面に当てはめて問う形もあります。
混同しやすい用語
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 情報検索このページの用語 | 大量の文書などの中から、利用者の求める情報に合うものを探し出し、関連の強さに応じて示す技術 |
| Question-Answering(質問応答) | 人が自然な文で尋ねた質問に対し、コンピュータが文書やデータをもとに答えそのものを返す技術 |
◯×チェック
次の文が正しいか、誤りかを選んでください。
-
転置インデックスは、単語ごとにその単語を含む文書の一覧を記録した索引で、検索のたびに全文書を先頭から読む手間を省くために使われる。
答えを見る
答え ◯ 正しい
本の巻末の索引と同じ考え方です。検索語から、その語を含む文書をすぐに引けるため、文書が大量にあっても素早く検索できます。
-
情報検索の評価では、検索結果として示した文書のうち、求める情報に合う文書が占める割合を再現率という。
答えを見る
答え × 誤り
これは適合率です。再現率は、求める情報に合う文書全体のうち、検索結果に含まれたものの割合です。
-
RAG(検索拡張生成)では、大規模言語モデルが回答を生成する前に、質問に関連する文書を検索して取り出し、モデルの入力に加える。
答えを見る
答え ◯ 正しい
モデルが学習していない社内文書や新しい情報をもとに回答させるための仕組みです。回答の根拠にした文書を示しやすくなる利点もあります。
この用語の練習問題
出典
- G検定 試験出題範囲(シラバス2024)第1.4版 (技術分野 項目27 自然言語処理)
- Daniel Jurafsky, James H. Martin, Speech and Language Processing (3rd ed. draft, 2026年8月19日版) (Chapter 11 Information Retrieval and RAG)
- Vladimir Karpukhin et al., Dense Passage Retrieval for Open-Domain Question Answering (2020)
- Patrick Lewis et al., Retrieval-Augmented Generation for Knowledge-Intensive NLP Tasks (2020)