1行定義
単語埋め込みとは、意味の近い単語ほど近い位置にくるように、単語を数百次元ほどの実数ベクトルで表す方法や、そのベクトルのことです。
くわしく
単語埋め込み(word embedding)は、単語を数値のベクトルに変える方法で、得られたベクトル自体を指すこともあります。「単語を、意味の地図の上の1点に置く」とイメージすると分かりやすくなります。似た意味の単語は近くに、関係の薄い単語は遠くに置かれます。
分散表現との関係
単語埋め込みで得るのは、数百次元ほどの密な実数ベクトルです。これは分散表現とも呼ばれ、両者はほぼ同じ意味で使われます。語彙の数だけ次元をもつワンホットベクトルを、ずっと小さな次元の空間へ「埋め込む」と考えると、名前の由来がつかめます。
どう学習するか
- 予測にもとづく方法:word2vecのCBOWやスキップグラムは、周辺の単語と中心の単語の関係を予測する課題から学習します。
- 共起の統計にもとづく方法:GloVeは、コーパス全体で単語どうしが一緒に現れる回数を集計し、その統計に合うようにベクトルを求めます。
- タスクと同時に学習する方法:翻訳や分類のモデルの入口に埋め込み層を置き、タスクの誤差から一緒に学習します。
源流の1つは、2003年にBengioらが提案したニューラル言語モデルです。単語の分散表現と、次の単語を予測する言語モデルを同時に学習しました。
固定のベクトルと、文脈で変わるベクトル
word2vecやGloVeは、1つの単語に1つのベクトルを割り当てます。そのため、英語のbankの「銀行」と「土手」のような多義語を区別できません。ELMoやBERTは、文脈に応じて単語のベクトルを変えることで、この問題に対処しました。
注意点
埋め込みは、学習に使った文章の傾向をそのまま映します。2016年の研究では、Google Newsの記事で学習した埋め込みに、職業と性別の偏った結びつきが見つかりました。
覚え方
「埋め込みは、単語を意味の地図に置くこと」と覚えます。
G検定での出題
出題のされ方
分散表現とほぼ同じ意味で使われる点、ワンホットベクトルとの違い、word2vecなどによる学習方法、埋め込み層の働き、文脈によらず固定のベクトルと文脈で変わるベクトルの違いが問われます。
混同しやすい用語
◯×チェック
次の文が正しいか、誤りかを選んでください。
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GloVeは、コーパス全体で単語どうしが一緒に現れた回数を集計し、その統計をもとに単語埋め込みを求める手法である。
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答え ◯ 正しい
単語の共起の回数をまとめた行列を使い、その統計に合うようにベクトルを学習します。周辺の単語の予測から学ぶword2vecとは、出発点が異なります。
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単語埋め込みは、学習に使った文章での単語の使われ方から作られるため、文章に含まれる性別などの偏りが、単語どうしの位置関係に表れることがある。
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答え ◯ 正しい
2016年の研究は、Google Newsの記事で学習した埋め込みに、性別に関する固定観念が強く表れていると報告しています。公平性の観点から注意が必要です。
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単語埋め込みは、学習済みのものを別のタスクに流用することはできず、タスクごとに必ず一から学習し直す必要がある。
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答え × 誤り
大量の文章で学習済みの埋め込みを、別のタスクの入力に使うのは一般的な方法です。学習データの少ないタスクでも、単語の意味の情報を活用できます。
この用語の練習問題
出典
- G検定 試験出題範囲(シラバス2024)第1.4版 (技術分野 項目27 自然言語処理)
- Yoshua Bengio, Réjean Ducharme, Pascal Vincent, Christian Jauvin, A Neural Probabilistic Language Model, Journal of Machine Learning Research 3, 1137–1155 (2003)
- Tomas Mikolov, Kai Chen, Greg Corrado, Jeffrey Dean, Efficient Estimation of Word Representations in Vector Space (2013)
- Jeffrey Pennington, Richard Socher, Christopher D. Manning, GloVe: Global Vectors for Word Representation, EMNLP 2014
- Tolga Bolukbasi, Kai-Wei Chang, James Zou, Venkatesh Saligrama, Adam Kalai, Man is to Computer Programmer as Woman is to Homemaker? Debiasing Word Embeddings (2016)