1行定義
主成分分析とは、多くの変数をもつデータを、元のばらつき(分散)をできるだけ保つ、互いに無相関な少数の合成変数にまとめる次元削減の手法のことです。
くわしく
主成分分析(PCA)は、多くの変数をもつデータを、少ない変数で要約する次元削減の手法です。たとえば5教科のテストの点数を、「総合的な学力」と「文系寄りか理系寄りか」の2つの軸で表せれば、生徒の特徴をつかみやすくなります。主成分分析は、このような軸をデータから見つけます。
主成分の求め方
まず、データの散らばりが最も大きい方向を探し、それを第1主成分とします。散らばりが大きい方向ほど、データどうしの違いをよく表していると考えるからです。次に、第1主成分と直交する方向の中で、散らばりが最も大きい方向を第2主成分とします。以下同様に、それまでのすべての主成分と直交する方向を順に求めます。
計算上は、変数の共分散行列の固有値と固有ベクトルを求めることにあたります。固有ベクトルが主成分の方向、固有値がその方向の分散の大きさです。こうして得た主成分どうしは、互いに無相関になります。
寄与率
各主成分の分散が全体の分散に占める割合を寄与率といいます。第1主成分から順に寄与率を足したものが累積寄与率です。たとえば「累積寄与率が80%に届くところまで使う」のように、残す主成分の数を決める目安になります。
使いどころと注意点
相関の強い変数をまとめる、データを2次元や3次元に落として図に描く、ノイズを減らす、といった目的に使われます。
注意点は2つあります。1つは、単位の異なる変数をそのまま使うと、値のばらつきが大きい変数に結果が引っ張られることです。通常は変数を標準化してから行います。もう1つは、線形の変換しかできないことです。曲がった構造をもつデータの可視化には、t-SNEのような非線形の手法が向いています。
考え方のもとになったのは、1901年のカール・ピアソンの研究と、1933年のハロルド・ホテリングの研究です。
覚え方
「いちばん散らばる向きから順に、直角に軸を取り直す」と覚えます。
G検定での出題
出題のされ方
分散が最大になる方向を順に求める考え方、主成分どうしが無相関になる点、寄与率と累積寄与率の意味、t-SNEなど他の次元削減手法との使い分けが問われます。
混同しやすい用語
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 主成分分析このページの用語 | 多くの変数をもつデータを、元のばらつき(分散)をできるだけ保つ、互いに無相関な少数の合成変数にまとめる次元削減の手法 |
| t-SNE | 高次元のデータを、近いデータどうしの関係をできるだけ保ったまま2次元や3次元に配置する、可視化向きの非線形の次元削減手法 |
◯×チェック
次の文が正しいか、誤りかを選んでください。
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第2主成分は、第1主成分と直交する方向の中で、データの分散が最も大きくなる方向である。
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答え ◯ 正しい
主成分の方向は共分散行列の固有ベクトルで、分散の大きい順に互いに直交します。各主成分の値どうしは無相関になります。
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身長(cm)と体重(kg)のように単位の異なる変数をそのまま使っても、主成分分析の結果は単位の選び方に左右されない。
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答え × 誤り
身長をmmで表すと分散が大きくなり、第1主成分が身長に引っ張られます。通常は標準化してから行います。
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主成分分析は線形の変換なので、曲がった面の上に並ぶような非線形の構造は、少ない主成分ではうまく表せないことがある。
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答え ◯ 正しい
非線形の構造を可視化したいときは、t-SNEなどの手法が使われます。
この用語の練習問題
出典
- G検定 試験出題範囲(シラバス2024)第1.4版 (技術分野 項目8 教師なし学習)
- Karl Pearson, On Lines and Planes of Closest Fit to Systems of Points in Space, Philosophical Magazine 2(11), 559–572 (1901)
- Harold Hotelling, Analysis of a Complex of Statistical Variables into Principal Components, Journal of Educational Psychology 24(6), 417–441 (1933)