1行定義
ウォード法とは、階層的クラスタリングの方法の1つで、まとめたときのクラスタ内の平方和(ばらつき)の増え方が最小になる組から順にまとめていく方法のことです。
くわしく
ウォード法は、階層的クラスタリングでよく使われる方法の1つです。1963年にジョー・ウォードが発表しました。
手順
- はじめは、データ1件ずつを1つのクラスタとみなします。
- すべてのクラスタの組について、併合したと仮定したときの、クラスタ内の平方和の増加量を計算します。クラスタ内の平方和とは、各データとクラスタの重心との距離を二乗して合計したもので、まとまりの悪さを表します。
- 増加量が最も小さい組を、1つのクラスタに併合します。
- 全体が1つのクラスタになるまで、2と3を繰り返します。
併合の順番と、併合したときの基準の値を高さにとると、デンドログラム(樹形図)が描けます。似たものどうしは低い位置で、似ていないものどうしは高い位置で結ばれます。
特徴
ばらつきが小さく保たれるように併合するため、まとまりがよく、大きさのそろったクラスタができやすい傾向があります。距離には、ユークリッド距離を前提とします。一方、すべての組を調べながら1つずつ併合するため、データの件数が多いと計算量が大きくなります。
ほかの方法との違い
階層的クラスタリングには、クラスタ間の距離の測り方によっていくつかの方法があります。最も近いデータどうしの距離を使う最短距離法、最も遠いデータどうしの距離を使う最長距離法、2つのクラスタから1件ずつ選んだすべての組の距離の平均を使う群平均法などです。ウォード法はこれらと違い、「併合によるばらつきの増え方」を基準にします。
k-means法も、クラスタ内のばらつきを小さくしようとする手法です。ただし、クラスタ数kを先に決めて、割り当てと重心の更新を繰り返す非階層的な手法です。ウォード法はkを先に決める必要がなく、デンドログラムを見てから、どの高さで切るかでクラスタ数を選べます。
G検定での出題
出題のされ方
階層的クラスタリングの代表的な手法であること、併合の基準がクラスタ内のばらつきの増加の最小化であること、結果をデンドログラムで表すこと、k-means法との違いが問われます。
混同しやすい用語
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| ウォード法このページの用語 | 階層的クラスタリングの方法の1つで、まとめたときのクラスタ内の平方和(ばらつき)の増え方が最小になる組から順にまとめていく方法 |
| k-means法 | データをあらかじめ決めたk個のクラスタに分けるため、重心への割り当てと重心の再計算を繰り返すクラスタリング手法 |
◯×チェック
次の文が正しいか、誤りかを選んでください。
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ウォード法では、2つのクラスタの間で最も近いデータどうしの距離が小さい組から、順に併合していく。
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答え × 誤り
それは最短距離法(単連結法)の基準です。ウォード法は、併合したときにクラスタ内の平方和がどれだけ増えるかで、併合する組を選びます。
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ウォード法は、大きさのそろった、まとまりのよいクラスタができやすい傾向がある。
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答え ◯ 正しい
ばらつきの増え方が小さい組から併合するため、1つのクラスタだけが極端に大きくなりにくいとされます。最短距離法とは対照的です。
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ウォード法は、クラスタ内のばらつきを小さくするという点でk-means法と似た目的をもつが、データ1件ずつのクラスタから順に併合していく点が異なる。
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答え ◯ 正しい
k-means法はkを決めて割り当てと重心の更新を繰り返す非階層的な手法です。ウォード法は階層的に併合し、1回の実行ですべての段階の結果が得られます。