1行定義
次元削減とは、多くの特徴量(次元)をもつデータを、もとの情報をできるだけ残したまま、より少ない次元で表し直す処理のことです。
くわしく
次元削減は、データを要約して扱いやすくする処理です。たとえば顧客1人を100項目のアンケート結果で表すと、似た項目どうしは重なる情報を含みます。それらを少数の指標にまとめれば、情報をあまり失わずに次元を減らせます。
何のために行うか
- 次元の呪いへの対策:特徴量が多すぎると、必要なデータ量が急増し、過学習しやすくなります。
- 可視化:2次元や3次元に落とせば、データの分布やまとまりを図で確かめられます。
- 計算の効率化とノイズの除去:小さな変動を捨て、主要な情報だけを残します。
代表的な手法
- 主成分分析(PCA):分散が最も大きくなる方向から順に、互いに無相関な軸を求める線形の手法です。各軸がもとの情報をどれだけ説明するかを、寄与率で示せます。
- 特異値分解(SVD):行列を3つの行列の積に分解し、大きな特異値の成分だけを残して近似します。主成分分析の計算や、文書データの圧縮にも使われます。
- 多次元尺度構成法(MDS):データどうしの距離をできるだけ保つように、低次元の座標に配置します。
- t-SNE:近くにある点どうしの関係を保つように配置する非線形の手法です。主に可視化に使います。
- オートエンコーダ:入力を小さな中間層に圧縮してから復元するように学習し、中間層の値を低次元の表現として使います。
似た処理との違い
特徴選択は、もとの特徴量の一部をそのまま選んで残します。次元削減は多くの場合、もとの特徴量を組み合わせた新しい軸を作ります。また、クラスタリングはデータの行(サンプル)をグループに分け、次元削減は列(特徴量)の数を減らす処理です。
覚え方
「列を減らすのが次元削減、行を分けるのがクラスタリング」と覚えます。
G検定での出題
出題のされ方
次元の呪いへの対策、可視化、データ圧縮といった目的と、主成分分析・特異値分解・多次元尺度構成法・t-SNE・オートエンコーダなどの手法の特徴や使い分けが問われます。
混同しやすい用語
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 次元削減このページの用語 | 多くの特徴量(次元)をもつデータを、もとの情報をできるだけ残したまま、より少ない次元で表し直す処理 |
| クラスタリング | 正解ラベルのないデータを、特徴の似たものどうしが同じグループ(クラスタ)になるように分ける、教師なし学習の手法 |
◯×チェック
次の文が正しいか、誤りかを選んでください。
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中間層を入力より小さくしたオートエンコーダの中間層の値は、入力をより少ない次元で表した特徴として、次元削減に利用できる。
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答え ◯ 正しい
復元を学習させると、中間層に情報を凝縮した表現が得られます。活性化関数によって、非線形な関係も表せます。
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主成分分析は、正解ラベルを使って、クラスを最もよく見分けられる方向にデータを射影する手法である。
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答え × 誤り
主成分分析はラベルを使わない教師なしの手法で、分散が最大になる方向を求めます。ラベルを使って見分けやすい方向を探すのは、線形判別分析です。
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次元削減は、データの件数(行の数)を減らして、学習にかかる時間を短くする処理である。
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答え × 誤り
次元削減で減らすのは、特徴量の数(列の数)です。データの件数を減らすのはサンプリングで、似たデータどうしをグループに分けるのはクラスタリングです。
この用語の練習問題
出典
- G検定 試験出題範囲(シラバス2024)第1.4版 (技術分野 項目8 教師なし学習)
- G検定 試験出題範囲(シラバス2024)第1.4版 (技術分野 項目24 オートエンコーダ)
- G. E. Hinton, R. R. Salakhutdinov, Reducing the Dimensionality of Data with Neural Networks, Science 313(5786), 504–507 (2006)
- Laurens van der Maaten, Geoffrey Hinton, Visualizing Data using t-SNE, Journal of Machine Learning Research 9, 2579–2605 (2008)