1行定義
L2正則化とは、誤差関数に重みの二乗和を罰則として加え、重みの値が大きくなりすぎないようにする正則化の手法のことです。
くわしく
L2正則化は、過学習を防ぐための正則化の中で、代表的でよく使われる手法です。重みを全体的に小さく保つことで、モデルが訓練データの細かいノイズにまで合わせ込むのを防ぎます。
式
元の誤差関数に、重みの二乗和に係数を掛けた罰則を足します。E(w) + λ(w1² + w2² + … + wn²)の形です。λ(ラムダ)は正則化の強さを決めるハイパーパラメータです。微分したときの形を簡単にするため、係数をλ/2とする書き方もよく使われます。
なぜ過学習を防げるのか
過学習したモデルでは、一部の重みが極端に大きくなりがちです。重みが大きいと、入力が少し変わっただけで出力が大きく揺れます。二乗の罰則は、大きな重みほど強く罰します。そのため、特定の特徴量に頼りすぎない、なめらかな予測をするモデルになります。
罰則λw²の傾きは2λwです。重みが小さくなるほど0へ押す力も弱まるので、重みは0に近づいても、ちょうど0にはなりにくい性質があります。不要な特徴量の重みをちょうど0にしたい場合は、L1正則化が向いています。
別の名前と関連する手法
線形回帰にL2正則化を加えたものをリッジ回帰と呼びます。1970年にホーエルとケナードが示した手法で、説明変数どうしの相関が強いときに係数を安定させる目的でも使われます。
ニューラルネットワークでは、荷重減衰(weight decay)とも呼ばれます。確率的勾配降下法で学習すると、更新のたびに重みが一定の割合で縮むからです。ただし、Adamのように学習率をパラメータごとに調整する最適化手法では、L2正則化と荷重減衰は同じ結果になりません。この点を踏まえ、重みを縮める処理を勾配の計算から切り離した手法がAdamWです。
覚え方
「二乗で罰して、大きな重みほど強く縮める」と覚えます。
G検定での出題
出題のされ方
重みの二乗和を罰則とし重みを全体的に小さくする点、重みがちょうど0にはなりにくいというL1正則化との違い、リッジ回帰や荷重減衰(weight decay)との関係が問われます。
混同しやすい用語
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| L2正則化このページの用語 | 誤差関数に重みの二乗和を罰則として加え、重みの値が大きくなりすぎないようにする正則化の手法 |
| L1正則化 | 誤差関数に重みの絶対値の和を罰則として加え、一部の重みをちょうど0にしやすくする正則化の手法 |
◯×チェック
次の文が正しいか、誤りかを選んでください。
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L2正則化を加えて確率的勾配降下法で学習すると、更新のたびに重みが一定の割合で0の方向へ縮むため、荷重減衰(weight decay)とも呼ばれる。
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答え ◯ 正しい
更新式が「重みに1より少し小さい数を掛けてから、勾配の分だけ動かす」形になるためです。
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L2正則化の罰則は重みの二乗に比例するため、値の大きい重みよりも、値の小さい重みのほうを強く0へ押す。
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答え × 誤り
罰則の傾きは2λwで、重みが大きいほど0へ押す力も強くなります。小さい重みほど押す力は弱まります。
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線形回帰にL2正則化を加えたリッジ回帰は、説明変数どうしの相関が強いときに係数を安定させる目的でも使われる。
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答え ◯ 正しい
相関の強い説明変数があると、通常の最小二乗法では係数が大きくぶれやすくなります。罰則がこのぶれを抑えます。
この用語の練習問題
出典
- G検定 試験出題範囲(シラバス2024)第1.4版 (技術分野 項目14 正則化)
- Arthur E. Hoerl, Robert W. Kennard, Ridge Regression: Biased Estimation for Nonorthogonal Problems, Technometrics 12(1), 55–67 (1970)
- Ilya Loshchilov, Frank Hutter, Decoupled Weight Decay Regularization (2017)
- Ian Goodfellow, Yoshua Bengio, Aaron Courville, Deep Learning, MIT Press (2016) (7.1 Parameter Norm Penalties)