1行定義
AI事業者ガイドラインとは、総務省と経済産業省が、AIを開発・提供・利用する事業者に向けて、AIガバナンスの統一的な指針として示したソフトローのことです。
くわしく
AI事業者ガイドラインは、AIを安全・安心に活用するための、日本のAIガバナンスの統一的な指針です。総務省と経済産業省が2024年4月に第1.0版を策定しました。それまで両省が別々に示していた3つのガイドラインを統合し、見直したものです。
位置づけ
ガイドライン自身が「非拘束的なソフトロー」と位置づけており、守らなくても罰則はありません。法律の整備が技術の発展に追いつきにくいことなどを踏まえ、事業者の自主的な取り組みを促す方針をとっています。対策の程度はリスクの大きさに合わせるリスクベースアプローチを重視し、具体的な行為を一律に定めるのではなく、目指すゴールを示します。
内容はLiving Documentとして更新され、第1.01版、第1.1版を経て、2026年3月に第1.2版が公表されました。
対象となる3つの主体
対象は、事業活動でAIに関わる次の3つの主体です。1つの事業者が複数を兼ねることもあります。
- AI開発者:AIモデルやAIシステムを開発する事業者
- AI提供者:AIシステムを製品やサービスに組み込んで提供する事業者
- AI利用者:事業活動でAIシステムやサービスを使う事業者
事業活動以外でAIを使う人(業務外利用者)は対象に含みません。
内容の構成
本編は、目指す社会の「基本理念」として、人間の尊厳、多様な幸せの追求、持続可能性の3つを掲げます。そのうえで、基本理念から導いた「原則」と、すべての主体に共通する「共通の指針」として、人間中心、安全性、公平性、プライバシー保護、セキュリティ確保、透明性、アカウンタビリティなどを示し、AIガバナンスの構築や主体ごとの重要事項を記載しています。具体的な手法やチェックリストは別添にまとめられています。
EUとの違い
EUはAI法というハードローで、リスクの高いAIに法的な義務を課しています。ソフトローで自主的な取り組みを促す日本とは対照的です。
G検定での出題
出題のされ方
シラバスのキーワードではありませんが、国内のガイドラインの代表例として背景知識で問われます。非拘束的なソフトローであること、AI開発者・AI提供者・AI利用者の区分、共通の指針の内容が中心です。
最新動向法改正やガイドラインの改訂はG検定の法律・倫理分野の最新動向にまとめています。
◯×チェック
次の文が正しいか、誤りかを選んでください。
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AI事業者ガイドラインは、総務省と経済産業省がそれぞれ示していたAIに関する3つのガイドラインを統合・見直して、2024年4月に策定された。
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答え ◯ 正しい
総務省主導の「国際的な議論のためのAI開発ガイドライン案」「AI利活用ガイドライン」と、経済産業省主導の「AI原則実践のためのガバナンス・ガイドライン」を統合しました。
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AI事業者ガイドラインは、事業活動以外でAIを使う一般の消費者も、ガイドラインに沿って取り組む主体として対象に含めている。
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答え × 誤り
事業活動以外でAIを使う人は「業務外利用者」と呼ばれ、対象に含まれません。ただし、事業者が業務外利用者に対して行うべき対応は記載されています。
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AI事業者ガイドラインは、内容を固定せず、技術や国際的な議論の変化に合わせて更新するLiving Documentとして位置づけられている。
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答え ◯ 正しい
2024年4月の第1.0版のあと、第1.01版、第1.1版と改訂され、2026年3月に第1.2版が公表されました。
この用語の練習問題
出典
- G検定 試験出題範囲(シラバス2024)第1.4版 (法律・倫理分野 項目8 国内外のガイドライン)
- 総務省・経済産業省「AI事業者ガイドライン(第1.2版)」(2026年3月31日) (はじめに、第2部A「基本理念」・B「原則」・C「共通の指針」)
- 総務省「AI事業者ガイドライン」掲載ページ(各版の公表日)