総務省・経済産業省の「AI事業者ガイドライン(第1.2版)」の別添は、AIの利用・開発に関する契約を、汎用的AIサービス利用型、カスタマイズ型、新規開発型の3つの類型に整理している。次の(ア)〜(ウ)の取引と類型の組み合わせとして、最も適切なものを1つ選べ。(ア)会計事務所が、事業者向けに広く提供されている対話型の生成AIサービスに、提供者の定めた利用規約に同意して申し込み、職員が文書の下書きに使う。(イ)保険会社が、ベンダから、他社の汎用的な生成AIサービスにベンダ独自の検索機能などを組み合わせて自社向けに調整したサービスの提供を受ける。(ウ)製造業者が、AIベンダと提携して、自社工場の検査画像を使った独自の外観検査システムを開発し、利用する。
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解説
正解 A
この問題の論点:AI利用・開発契約の3類型
ポイント
AIの契約は汎用的AIサービス利用型・カスタマイズ型・新規開発型に分けて考えます。類型ごとに、確認すべき条項や交渉の論点が変わります。
選択肢ごとの解説
- A
適切 正解
(ア)は多数の利用者向けのSaaSを利用規約に同意して使う汎用的AIサービス利用型、(イ)は他社の汎用的AIサービスに独自の機能を組み合わせたカスタマイズ型、(ウ)は提携して独自のシステムを開発する新規開発型です。
- B
不適切
(ア)と(イ)が逆です。カスタマイズ型は、提供者が他のベンダの汎用的AIサービスに独自の機能を組み合わせ、特定の利用者向けに調整したサービスを使う形です。共通のサービスを規約に同意して使う(ア)は当たりません。
- C
不適切
(イ)と(ウ)が逆です。新規開発型は、利用者がAI開発者やAI提供者と提携して、独自のAIシステムを開発・利用する形です。既存の汎用的AIサービスに機能を足して調整したサービスを受ける(イ)は、カスタマイズ型です。
- D
不適切
(ア)と(ウ)が逆です。提供者が用意した共通のサービスを規約に同意して使う(ア)は汎用的AIサービス利用型、利用者がベンダと提携して独自のAIシステムを開発・利用する(ウ)は新規開発型です。
補足
経済産業省の「AI・データの利用に関する契約ガイドライン」(2018年、2019年に1.1版)は、ベンダとユーザーの二者間の取引を前提に、開発契約と利用契約のモデルを示していました。別添によると、2022年以降の生成AIの普及に伴い、汎用的AIサービス利用型やカスタマイズ型の契約が増えました。経済産業省は2025年2月に「AIの利用・開発に関する契約チェックリスト」を策定しており、別添は、契約ガイドラインの公表後に登場した類型についてはこのチェックリストを参照するよう示しています。
試験での狙われ方
取引の場面を示して契約の類型を判断させる形や、類型ごとに確認すべき条項を問う形が考えられます。
参考
- G検定 試験出題範囲(シラバス2024)第1.4版 (法律・倫理分野 項目7 AIサービス提供契約)
- 総務省・経済産業省「AI事業者ガイドライン(第1.2版)別添」(2026年3月31日) (別添6(1)契約モデルの多様化について)