小売業のC社は、問い合わせ対応を効率化するため、クラウド上で提供されるSaaS型のAIチャットサービスを導入しようとしている。契約は、提供事業者が不特定多数の利用者向けに定めた利用規約に同意する形で結ぶ。C社が契約前に行う確認や検討に関する説明として、最も不適切なものを1つ選べ。
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解説
正解 C
この問題の論点:SaaS型AIの利用規約
ポイント
利用規約が定型約款に当たる場合、相手方の利益を一方的に害する条項は合意しなかったものとみなされます。
選択肢ごとの解説
- A
適切
SaaS型AIサービスでは、入力データが提供事業者のモデル改善に使われる場合があります。営業秘密や個人情報を入力するなら、学習への利用の有無や、利用を止める設定があるかを確かめることが大切です。
- B
適切
AIの出力は確率的で、誤りを完全には避けられません。汎用的なサービスでは、提供事業者が出力の正確性を保証しないことが多くあります。業務で使う前提として、人による確認の体制が必要です。
- C
不適切 正解
不特定多数向けの利用規約は、民法の定型約款に当たることが多くあります。定型約款のうち、信義則に反して相手方の利益を一方的に害すると認められる条項は、合意しなかったものとみなされます(民法548条の2第2項)。
- D
適切
定型約款は、相手方の一般の利益に適合する場合や、変更が合理的な場合に、個別の合意なく変更できます(民法548条の4)。変更の周知方法や、解約時にデータが削除・返還されるかを事前に確かめておくべきです。
補足
経済産業省の「AIの利用・開発に関する契約チェックリスト」(2025年2月)は、AIサービスを利用するユーザ企業が契約前に確認すべき点を、入力データの扱い、生成物の扱い、規約の改定などの観点から整理しています。顧客の個人データを入力する場合は、個人情報保護法上の扱いもあわせて確認が必要です。
試験での狙われ方
入力データの学習利用、精度保証の有無、規約変更など、SaaS型AIサービスの利用規約で確認すべき点を場面設定で問う形が考えられます。
参考
- G検定 試験出題範囲(シラバス2024)第1.4版 (法律・倫理分野 項目7 AIサービス提供契約)
- 民法(明治29年法律第89号) (第548条の2、第548条の4)
- 経済産業省「AIの利用・開発に関する契約チェックリスト」(2025年2月)