AIベンダのJ社は、工場の設備から集めたセンサーデータを分析し、故障の予兆を知らせるSaaS型のサービスを提供している。J社は、契約先の各工場から集まるデータや分析結果を、自社のモデルの改善にも使いたいと考えている。契約先とのデータの扱いに関する考え方として、最も適切なものを1つ選べ。
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解説
正解 B
この問題の論点:サービスで集まるデータの利用権限
ポイント
データは所有権の対象にならないため、誰がどの目的で使えるかを契約で利用権限として定めます。
選択肢ごとの解説
- A
不適切
民法上の「物」は有体物に限られ(85条)、形のないデータは所有権の対象になりません。誰がどのように使えるかは、所有権ではなく、契約で定める利用権限によって決まります。
- B
適切 正解
データには所有権が及ばないため、契約で利用権限を決めることが中心になります。ガイドライン(データ編)は、複数の当事者の関与で生まれるデータについて、寄与の程度なども考えて利用権限を取り決める考え方を示しています。
- C
不適切
契約に定めがないとき、受け取ったデータを自由に使ってよいと定めた法律はありません。営業秘密や限定提供データ、個人情報に当たれば別の法律の制限も受けるため、利用の範囲は契約で決めておく必要があります。
- D
不適切
分析結果などの派生データにも、契約先の設備の稼働状況のような情報が含まれます。扱いを決めておかないと、契約先の情報がほかの顧客向けのサービスに流れたとして、紛争になりえます。
試験での狙われ方
「データの所有権」という言い方の正誤や、入力データ・派生データの扱いを契約で決める必要性を、場面設定で問う形が考えられます。
参考
- G検定 試験出題範囲(シラバス2024)第1.4版 (法律・倫理分野 項目7 AIサービス提供契約)
- 民法(明治29年法律第89号) (第85条)
- 経済産業省「AI・データの利用に関する契約ガイドライン(データ編)」1.1版(2019年12月) (データの利用権限、データ創出型の契約)