スタートアップのM社は、個人が私生活で使う月額制のAI文章添削アプリを提供する。利用規約の案には「当社は、本サービスの回答の正確性を保証しない。本サービスの利用により利用者に生じたいかなる損害についても、当社は一切の責任を負わない」という条項がある。消費者契約法に照らした説明として、最も適切なものを1つ選べ。
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解説
正解 B
この問題の論点:消費者向け規約の免責条項
ポイント
消費者向けの規約では、事業者の損害賠償責任を全部免除する条項は無効です。一部を免除するなら、軽過失に限ることを明示します。
選択肢ごとの解説
- A
不適切
消費者契約法8条は、当事者が合意していても、一定の免責条項を無効とする規定です。事業者と消費者の情報や交渉力の格差を踏まえたもので、規約への同意があるだけでは有効になりません。
- B
適切 正解
8条1項1号・3号は、事業者の債務不履行や、債務の履行に際してされた不法行為による損害賠償責任の全部を免除する条項を無効としています。M社は、自社に責任がある損害まで一律に免れることはできません。
- C
不適切
消費者契約法には、AIの出力についての例外はありません。回答に誤りがありうることを説明して注意を促すことは大切ですが、それとは別に、責任の全部を免除する条項は無効となります。
- D
不適切
2023年6月施行の改正で加わった8条3項により、責任の一部を免除する条項は、軽過失の場合にのみ適用されることを明らかにしていなければ無効です。故意・重過失の場合の一部免除は、8条1項2号・4号で無効です。
補足
消費者契約法は、消費者(事業のために契約する場合を除く個人)と事業者の間の契約に適用されます。事業者どうしの契約には適用されません。その場合も、利用規約が民法の定型約款に当たれば、相手方の利益を一方的に害する条項は合意しなかったものとみなされることがあります(民法548条の2第2項)。
試験での狙われ方
消費者向けAIサービスの規約を示し、免責条項のどの部分が無効になるかを判断させる形が考えられます。
参考
- G検定 試験出題範囲(シラバス2024)第1.4版 (法律・倫理分野 項目7 AIサービス提供契約)
- 消費者契約法(平成12年法律第61号) (第2条、第8条第1項・第3項)
- 民法(明治29年法律第89号) (第548条の2第2項)