システム会社のE社は、F社が提供する汎用的な生成AIサービスに自社開発の機能を組み合わせ、問い合わせ対応用のSaaSとして通信販売業のG社に提供する契約を交渉している。G社はこのサービスを一般消費者向けのチャット窓口に使う予定である。「AI事業者ガイドライン(第1.2版)」別添の契約に関する留意事項を踏まえたE社の検討として、最も不適切なものを1つ選べ。
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解説
正解 C
この問題の論点:バリューチェーンでの責任分配
ポイント
契約で決められるのは契約の当事者の間での責任の分担に限られます。複数の事業者が関わるAIサービスでは、リスクを協調的に分配し、説明の根拠を備えます。
選択肢ごとの解説
- A
適切
別添は、国内外で既にAIサービスの利用に伴う知的財産権侵害や個人情報保護法違反などの事故が起きていることを踏まえ、考えうるリスクを洗い出して、その分配を契約で定めておくことが重要だとしています。
- B
適切
リスクを直接コントロールできない当事者にすべての責任を負わせると、責任の境界が不合理になります。別添は、関係当事者間で協調的にリスクを分配することや、場合によって保険を活用することが有用だとしています。
- C
不適切 正解
契約で定められるのは、契約の当事者の間での責任の分担に限られます。契約の外にいる消費者から追及を受けた場合、バリューチェーンに連なる者は、自らの関与について一定の説明を求められる立場に立つ可能性があります。
- D
適切
別添は、説明の客観的な根拠を契約の前後で整理しておくことを期待しています。一方で、ログなどの内部資料の開示は、セキュリティや競争力の低下のリスクとトレードオフになりうると指摘しています。
補足
別添は、契約時に想定していなかった事故も起こりうるため、周辺環境の変化を踏まえて契約内容を適宜見直すことも重要だとしています。また、事故が起きたときは、原因がどの当事者の行為にあるか(AIの性質上避けられないものもありうる)や、各当事者が尽くすべき注意を尽くしていたかが、重要な論点になるとしています。
試験での狙われ方
複数の事業者が関わるAIサービスについて、契約による責任分担の範囲と限界を問う形が考えられます。
関連用語
参考
- G検定 試験出題範囲(シラバス2024)第1.4版 (法律・倫理分野 項目7 AIサービス提供契約)
- 総務省・経済産業省「AI事業者ガイドライン(第1.2版)別添」(2026年3月31日) (別添6(2)複雑なバリューチェーンの下でのリスク分配について、(3)責任分界とアカウンタビリティについて)